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freakworld map

3月かと思うような日和です。
週末には、氷点下に下がると予報は言っていますが。外れても構わないのだから天気予報って楽な稼業ですね。

先週の的中確率なんて出してくれればいいのに。

世間の先は、暗い。
January 20, 2009, 4:59 pm
We the people …
… have a new, duly elected president.

That’s no small thing, given recent history.

I found the actual ceremony a bit anticlimactic, which may have been inevitable. Election night was hugely emotional, because we didn’t know the outcome for sure; this time we knew what would happen.
http://krugman.blogs.nytimes.com/2009/01/20/we-the-people/
皮肉屋のクルーグマンらしいですね。

Obama Needs A Trillion Dollars for Recovery Operations Without Raising Taxes. No Problem. Here's Where to Get It. (Joe Rothstein's Commentary)
January 14, 2009 By Joe Rothstein, Editor USPoliticstoday.com
は、保守系のEconomist誌系のEIN NEWSが引用しているだけあってお気楽なものです。

アメリカの新政権の財源は、前にこのブログでも引きましたが、タックス・シェルター、タックス・ヘイブンを利用している富裕層に対して課税漏れとなっていたものを課税するば済むって。

この10年あまりの金融バブルは、金融バブルであるが故、手取り額勝負だったわけですね。まともに商売をやって税金を払って、残りを云々ではなかった。
最初から博打だから、博打に勝ったときの儲けから税金なんか払いたくない。税金を払わないこと自体がスキームの中に入っていた。
このスキームを売ること自体がビジネスであり、投資であり、さらに博打の対象となりうるものだった。
循環論に見えますが、結局、ねずみ講と同じで、堂々巡りしていることにみなが気がついたときにはもう遅いというわけです。

民主党税制抜本改革アクションプログラムについて、少し、見てみます。
Fleetwood Mac とPeter Green の話でもするつもりが、気が変わったというか、ブリティッシュ・ブルース・ブームの話をするほうが準備が要るもので。

2008年12月24日に「民主党税制抜本改革アクションプログラム-納税者の立場で『公平・透明・納得』の改革プロセスを築く-」として民主党税制調査会が発表したものです。
2.税制改正プロセスの抜本改革
(2)民主党政権における税制改正プロセスの基本的考え方
○ 無節操な歳出増大を防ぎ、財政規律を堅持して財政の持続可能性を維持する観点から、減税を行う場合はそれに見合った歳出削減若しくは減税措置の見直しを行うことを原則(Pay as you go原則)とする。
Pay as you go. というのは、要るだけ払え、あるいは、払った分だけ使えということで、要するに均衡財政政策、赤字財政はやらないということです。
財務省の主張と結局同じになります。
必要な分だけ払え、つまり納税して下さいというのはともかく、払った分だけしか使えない、つまり、歳入が赤字だったら使えないので公共サービスを低下させるということですね。

1980年代のニュー・ヨーク市などが財政破綻し、警察、消防、学校等の予算を大幅に削減させたことを思い出す必要があります。
3.各税目における改革指針
 各税目について以下の改革指針に基づき、民主党政権の最初の任期中に順次具体的な制度設計を行い、速やかに実行していく。

(1)所得税・相続税
①所得税

 これまでの所得税制において、格差拡大の是正のための所得再分配機能回復策として最高税率の引き上げによる累進性の強化が必要と言われてきた。しかし、担税力の高い者ほど納税する場所を自ら選択できるような状況の中で、最高税率を引き上げることは、再分配機能の回復策として実効性に乏しい。むしろ所得再分配機能の強化のためには、現行の所得控除を手当や税額控除等に転換することの方が、実効性が高い。
所得税の総合課税を累進税率を用いて行うことは、富裕層が海外へ所得を逃避させるだけなのでそれに対する課税を諦め、つまりいわゆる逃げ足の速い所得である、金融性所得(配当・利子所得等)に関しての課税を諦め、低所得者に対しては、従来日本ではなかった租税制度を使った給付によって対処するといっているわけです。
 
12月24日の閣議決定の金融所得一体課税論につながる考え方ですね。
さらに、こう続きます。
富裕層、高額所得者優遇税制をやると宣言しています。さらに、所得再分配機能を高めていくためには所得控除を税額控除に替えるだけでなく、「給付付き税額控除」の導入を進める。これは税額控除を基本として、控除額が所得税額を上回る場合には、控除しきれない額を現金で給付する制度である。給付とほぼ同じ効果を有する税額控除を基本とすることから手当と同様に、相対的に低所得者に有利な制度となる。「給付付き税額控除」は多くの先進国で既に導入されており、わが国で導入する場合には、所得把握のための番号制度等を前提に、生活保護などの社会保障制度の見直しと合わせて、以下のいずれかの目的若しくはその組み合わせの形で導入することを検討する。
Refundable Tax Credit 自体は、アメリカのEITC(Earned Income Tax Credit)、カナダのGST控除に既に見られます。
これらの国はどちらも納税者番号があります。しかし、番号があるということとそれがきちんと機能しているということは別の話しですね。

いずれにしろ、「納税者番号制度」の導入に対しては推進派だということです。
イ)消費税の逆進性緩和
消費税の逆進性緩和対策としては「複数税率」もあるが、複数税率の導入は実質的に「消費税の物品税化」につながり、消費税の特性である水平的な公平性を大きく損なう。また軽減税率の対象を選択することが極めて困難であることに加え、課税ベースが大きく侵食されて、結果的に基本税率が高くなることにもつながるため、逆進性緩和策として適当とはいえない。
むしろ逆進性緩和策としては「給付付き消費税額控除」の導入が適当である。この「給付付き消費税額控除」は、家計調査などの客観的な統計に基づき、年間の基礎的な消費支出にかかる消費税相当額を一律に税額控除し、控除しきれない部分については、給付をするものである。これにより消費税の公平性を維持し、かつ税率をできるだけ低く抑えながら、最低限の生活にかかる消費税については実質的に免除することができるようになる。
消費税の逆進性緩和については閣議決定も触れていますが、そこでは、複数税率を示唆しています。つまり食料品等の生活必需品に対する軽減税率の導入ということですね。

これに対して、民主党案では、何が生活必需品か問う定義が難しく、このこと自体は世界中で笑い話のような規定があふれているのは事実ですが、複数税率の導入に否定的です。そして、カナダやケベック州に見られるような消費税に関する税額控除を行うという方針ですね。

給付付き税額控除について少し説明がありますが、こういう仕組みです。
年間所得税額30万円、税額控除金額40万円の場合、現在の日本の所得税や法人税においては30万ー40万=-10万となるのですが、このマイナスはゼロとみなして、戻るのは30万円までです。
給付付きスタイルに変えると、マイナスもカウントして40万円が戻るということですね。だから10万円給付金、補助金といってもいいですが、政府が金をくれるわけです。

このタイプの税額控除の有効性について一定の評価を個人的にはしますが、問題多々ありですね。詐欺が頻発するでしょうね。番号では解決できないでしょう。
ありとあらゆるレベルで不正還付や詐欺が起こるであろうことだけは確実です。官民を問わない問題となるはずです。

次いでサラリーマン税制改革です。
格差是正という観点からは、給与所得控除の見直しも検討の対象となる。サラリーマンの経費の概算控除とされる給与所得控除は所得の上限がないが、サラリーマンの必要経費が所得の増加に応じて必ずしも比例的に増加するとは考えにくく、高所得者により有利な制度になっている。担税力に応じた課税を行う観点から、給与所得控除については、一定の上限額を設けることが適当である。
サラリーマンであっても、本来は実際にかかった経費の実額を控除することが望ましいが、現行の特定支出控除(通勤費など一定の経費の実額を収入から控除する制度)はほとんど機能していない。自己研鑽費用、新聞等購読費、業務上不可欠な衣服費など特定支出の対象を大幅に広げることにより、サラリーマンにとって使いやすい制度とする。
 なお民主党としては、本来、全ての所得を合算して課税する「総合課税」が望ましいと考えるが、当分の間は、金融所得については分離課税とした上で、損益通算の範囲を拡大していくことが適当である。
現在は給与所得者は、給与収入金額に応じて給与所得控除額が機械的に算出され、控除後の金額に対して課税されるということになっています。
大多数の人は年末調整で終わってしまうわけです。

ただし、特定支出控除といって実額経費を控除できる制度が存在しますが、この制度の利用者は年間数名だとされています。

格差の観点から云々ということで、現在上限のない給与所得控除の上限を設けるのだと考えられます。これは、閣議決定と同じ。
ただし、給与所得控除全体の設定の仕方によっては低所得者に対する増税にもなりえます。

サラリーマンの必要経費として例えば、業務上不可欠な衣服費という表現があります。これを見て、スーツやネクタイ、ワイシャツが経費で落ちると思ったら大間違いです。
その業務に特に必要な衣服ということですから、消防士の耐火服を自費で買ったといったようなものに限定されることになります。アメリカ等の例ではそうですから。

「金融所得については分離課税とした上で、損益通算の範囲を拡大していくことが適当である。」としているわけで、二元的所得税論をまたも展開しています。どこが閣議決定と違うのか、といいたいわけです。

次いで法人税についてです。
(2)法人税
民主党は租税特別措置の抜本的な見直しを行うこととしているが、これを進めて課税ベースが拡大した際には、企業の国際的な競争力の維持・向上などを勘案しつつ、法人税率を見直していくこととする。なお、租税特別措置の見直しにあたっては、研究開発の促進など真に必要な措置については、現在の時限措置から恒久措置へと転換していく。
租税特別措置というのは全て時限立法ですが、どれも現実的には恒久化していて陳腐化しているものもあります。それよりも、特定の利益集団を利するものが多いことが問題です。

これに関しては、「抜本的な見直し」といいながら、課税ベース拡大を前提としていますが「法人税率を見直していく」ということで、課税ベース拡大、法人税率引下げ論ですね。
それと、「企業の国際的な競争力の維持・向上などを勘案」するわけですから、国際的な大企業優遇は続けるということです。

言うに事欠き、一番根拠のあやふやな研究開発促進税制に関しては廃止どころか恒久化を言うんだから閣議決定よりひどいかもしれません。

租税特別措置についてこういっています。
しかし、税収を減ずる租特は、財政負担の増加という意味では歳出と全く同様の効果になる。また、それが特定の対象に、特定の政策を実現するために講じるのであれば、実態は補助金と何ら変わることはない。つまり、租特は「隠れ補助金」なのである。
北野弘久先生のいうところと同じで、私もそう思いますが、前段の租税特別措置の恒久化と矛盾極まれり、です。

補助金と租税特別措置による隠れた補助金の違いですが、補助金であれば、どこの何と言う企業にどういう目的でいくら交付したかが明らかになりますが、租税特別措置による租税の減額だと統計資料として出てくるだけで透明性が確保できません。
(4)消費税
 消費税に対する国民の信頼を得る第一歩は、その使途を明確にすることである。そのためには消費税収を財政赤字の穴埋めには使わないことを約束した上で、最低限のセーフティネットとしての年金、医療、介護など国民に確実に還元することになる社会保障以外に充てないことを法律上も会計上も明確にすることが必要である。
 また消費税の制度自体にも国民不信の原因があると考えられることから、インボイスの導入などにより制度の透明性を高め、また逆進性対策として「給付付き消費税額控除」の導入を図ることが必要である。
消費税の福祉目的税化、インボイス導入論です。
なお、民主党は複数税率に否定的であることに留意ですね。

もっと問題なのがこの後です。
4.執行体制の改革指針
(1)社会保障番号制度と歳入庁設置
民主党は、社会保障制度の効率化を進めつつ、真に手を差し伸べるべき人に対する社会保障をより手厚くするために、正しい所得把握体制の環境整備が必要不可欠であり、そのためには番号制の導入が必要と考える。
 このような考え方に立ち、社会保障給付と納税の双方に利用できる番号制度の早急な導入を進める。
利用する番号として最も望ましいのは、「消えた年金」「消された年金」の再発を防ぐため国民全員に交付する「年金通帳」の番号であるが、早急な番号制度の導入が必要なことから、政府が現在検討している社会保障番号も含めて検討していく。
またもや番号制度導入論です。

さらに租税と社会保険料の賦課徴収の一元化を述べています。
②歳入庁の創設
税金も社会保険料も国が賦課徴収を行うという意味では国民にとって同じであり、その納付先が異なることは国民にとって利便性に欠け、国にとっても非効率である。また公的機関で最も所得捕捉能力の高い徴税当局が保険料を徴収することによって公平性も確保できることになる。
民主党は、現在年金の保険料の徴収を担っている社会保険庁を廃止し、その機能を国税庁に統合する。統合された機関の名称は「歳入庁」とし、「歳入庁」が税と社会保険料の賦課徴収を一元的に行うこととする。
 歳入庁は、国税と国が管掌する社会保険料の徴収を行うこととなるが、国税と徴収対象や賦課基準が類似の税について自治体が希望する場合、地方税等の徴収事務を受託することも検討する。
地方税まで一元化するというのだから歳入庁は強大な権限を握りますが誰がハンドルを取るのですか?

番号制度については、既に、住民基本台帳制度、基礎年金番号がありますが、後者は、未成年が入っていないので納税者番号としては適しませんね。後、税務署単位の整理番号というのがあります。納税者番号と称していないのが味噌ですが。

少しはいいことも書いてあるので褒めます。
(2)納税者の権利等

①「納税者権利憲章」の制定と更正期間制限の見直し
 国民の納税者としての意識を高め、より強固な民主主義を構築していくための第一歩として、確定申告を原則とし、給与所得者については年末調整も選択できるという制度を導入する。また、これを実現するにあたって、納税者の権利を明確にするために「納税者権利憲章」を制定する。
納税者の権利を守るための具体的な改革として、更正等の期間制限が課税庁からの更正と納税者からの修正で異なる点について見直していく。特に課税庁の増額更正(事後的な納税額の増額)の期間制限が5年であるのに対して、納税者からの更正の請求(事後的な納税額の減額)の期間制限が1年であることは納税者の理解を得られにくく、早急に見直す必要がある。
納税者権利憲章を定めるといっている点については、二重丸ですかね。
給与所得者が確定申告と年末調整を選択する云々に関しては、私が、過去に英語で書いたものがこのブログにあります。
更正の期間制限については、当たり前です。権利憲章は中身に踏み込んでいないのですが。
○いわゆる「特殊支配同族会社」の役員給与に対する損金不算入措置は廃止する。
この馬鹿げた法人税改正を元に戻すというのも丸です。

一体何様だといいたいのがこの部分です。
(5)徴税の適正化
○毎年、1兆円弱の新規滞納が生じている現状に鑑み、徴税の適正化を図る。また個人・法人合計で1000億円近くも加算税が生じている状況を是正するため、罰則の強化や重加算税割合の引き上げを行う。
○消費税の還付額が年間3兆円にも達しているが、その中に相当額の不正な還付が存在すると考えられる。これを防止するため、還付に係わる調査機能を強化する。
納税者の権利拡大と同時に義務の強化というのは当然の話だとは思います。
しかし、この書き方、なんですか一体。課税庁の保守派ゴリゴリ顔負け、役所の人間の言い草です。

課税強化の中で滞納に触れている部分に関しては、アメリカのタックス・ギャップ論につながりますが、徴収を強化するということですね。
加算税等に関する税率アップは先進国に共通して見られることだとだけ指摘しておきます。

最後は、国税庁トップのような言い分で、このネタ全体、書いたのは本当は誰かって疑いたくなります。

権利憲章に触れている以外は、閣議決定の方がまだましだと私には思えます。

財務省もこんなことをいっている民主党なら大歓迎でしょう。

Derek Trucks がいいソロしています。

Gov't Mule はやっぱり好きです。
by nk24mdwst | 2009-01-21 14:01 | 租税法(日本)

depressed again 3

続きです。

 (2) 本件改正附則が立法裁量を逸脱・濫用したものかどうかについて

 租税法規において、国民の課税負担を定めるについては、財政・経済・社会政策等の国政全般からの総合的な政策判断を必要とするばかりでなく、極めて専門技術的な判断を必要とすることも明らかであるから、納税義務者に不利益に租税法規を変更する場合は、その立法目的が正当なものであり、かつ、当該立法において具体的に採用された措置が同目的との関連で著しく不合理であることが明らかでない限り、憲法違反となることはないと解するのが相当である。そして、当該立法措置が著しく不合理かどうかを検討するに際しては、それが厳密には納税義務者に不利益な遡及立法とはいえないとしても、不利益に変更される納税者の既得利益の性質、その内容を不利益に変更する程度、及びこれを変更することによって保護されるべき公益の性質、納税者の不利益を回避するためにあらかじめ取られた周知等の措置等を総合的に勘案すべきである。

 そこで、この観点に立って、本件改正附則の憲法適合性について検討する。
 ア 本件改正附則を含む改正措置法の立法目的について
 本件改正措置法の立法目的については、本件譲渡との関係では、税率引下げによる土地取引の活性化を促すことが低迷する我が国経済の現状に鑑みて急務とされていたことに加えて、株式に対する課税との不均衡是正の見地(ただし、納税者の生活に大きな影響を与える居住用財産の譲渡のような場合は、政策的見地から譲渡損失の損益通算等の特別の配慮を施している。)から、土地建物等の長期譲渡所得に係る損益通算をできるだけ早期に廃止する必要があったことが挙げられる。そして、本件改正附則を設けたのも、措置法の改正において、損益通算の廃止は、長期譲渡所得税率の引下げと一体の措置として実施することを予定していたところ、仮に損益通算の廃止のみの施行時期を遅らせれば、駆け込み目的の安売りによる資産デフレの助長が懸念されたことから、改正措置法31条の規定を平成16年分の所得(ママ)の課税開始時以後に行う土地等の譲渡について適用する必要性が高かったことによる。
 そうすると、本件改正附則を含む改正措置法の立法目的は正当なものということができる。
 イ 立法目的との関連における本件改正附則の措置の合理性について
 原告の主張は、要するに、改正措置法が施行される以前に認められていた土地建物等の譲渡による損失を他の所得金額の計算上、損益通算できる制度が、年度内に成立、施行された改正措置法の31条により廃止されたことにより著しい不利益を受けたものであり、また、このような不利益を受ける新たな制度(損益通算廃止)が設けられることの周知がされずに同法を年度開始時に遡って適用することを本件改正附則が規定していることから、納税義務者の予見可能性を奪うものであり、憲法84条に違反するというものである。そうすると、本件において合理性の有無が問題となる立法措置とは、①損益通算を廃止する改正措置法31条の措置及び②それを改正措置法の施行前の年度開始時以後の譲渡に適用する本件改正附則の措置ということになる。

 そこで、これらの措置が著しく合理性を欠くかどうかについて、次に検討する。
 (ア) ①の損益通算廃止措置について
 居住者に対する所得税の課税は、すべての所得を合算した金額に対して行われるのが原則である(所得税法21条1項)が、所得税法では、退職所得及び山林所得に対しては、総合課税の例外としてそれぞれ分離課税とされ(所得税法22条)、措置法においては、土地建物等の譲渡所得等に対する分離課税(措置法28条の4、31条、32条)、株式等に係る譲渡所得等の課税の特例(措置法37条の10ないし37条の15)等の総合課税に対する多くの例外が定められている。これは、所得の性質からみて、ある所得の損失を他の所得から控除するのが相当ではないとみられ、それがために総合課税の対象外とされているものである。譲渡所得については、種々の特別措置が設けられているところ、土地建物等の譲渡所得については、土地政策等の観点から所得税本則による総合課税によらず、租税特別措置として、他の所得と区分して本則の負担よりある部分は軽課し、ある部分は重課するのが相当とされることから、分離課税とされている。
 ところで、株式等に係る譲渡所得等に対する課税については、上記のとおり、措置法により、他の所得と区分して分離課税することとされているところ、利益が生じた場合には、原則として20パーセント(うち住民税5パーセント)の税率により課税され、損失が生じた場合には、当該損失の金額は生じなかったものとみなされている(措置法37条の10第1項)。他方、同じく分離課税とされる土地建物等の譲渡所得に対する課税については、株式等に係る譲渡所得等と同様に、資産の譲渡に係る課税であり、措置法により分離課税とされているにもかかわらず、利益が生じた場合には、26パーセント(うち住民税6パーセント)の税率による分離課税を行い、他方、損失が生じた場合には、最高税率50パーセントで総合課税の対象となる他の所得の金額から控除される損益通算が認められていたものであり、これが不均衡であり、適正な租税負担の要請を損なうおそれがあるとの指摘がされていた。
 そうすると、土地建物等の長期譲渡所得について損益通算の制度を廃止することは、同所得に分離課税方式が採られていたこととの整合性を図り、かつ、損益通算がされることによる不均衡を解消して適正な租税負担の要請に応えるものとして、合理性があるということができる。
 そして、平成16年度税制改正における譲渡所得についての損益通算の廃止は、長期譲渡所得の税率引下げ等の措置と相まって、使用収益に応じた適切な価格による土地取引を促進し、収益性の高い土地の流動性を高め、もって、土地市場を活性化させ、これにより土地価格の下落に歯止めがかかることが期待されたものであり、その目的に照らして、損益通算廃止措置は合理性を有するものと考えられる。もっとも、土地建物等の譲渡の場合は、株式等の資産の譲渡の場合とは異なり、居住用不動産の買換え等の必要から譲渡が行われる場合の損失について一定の政策的配慮が必要であるとみられるところ、この点については、上記のとおり、改正措置法において手当が施されており、したがって、上記合理性は確保されているものということができる。
(イ) ②の本件改正附則の措置について
 原告が特に問題とする点は、上記(ア)の点よりもむしろ損益通算廃止措置を既に本件譲渡がされた日よりも前の年度開始日に遡って適用することを内容とする本件改正附則の合理性にあるものと解される。
 そこで、この点の合理性について次に検討する。
 原告は、本件改正附則の適用により、既に行った本件譲渡による多額の損失を給与所得等の所得の金額の算定上、損益通算することができないことになり、損益通算がされた場合に受けられる多額の税金還付が受けられないという予期しない不利益を受けていることは明らかである。このような不測の不利益を納税者にもたらさないためにも、既存の損益通算制度を廃止する租税法規は、その施行前に納税者に予測可能性をもたらすものである必要がある。本件の場合、不動産譲渡による損失を他の所得の金額の計算上、損益通算する制度の問題性については、平成16年税制改正の数年前ごろから政府税制調査会において既に度々指摘されていたものであり、これが自由民主党の決定した平成16年度税制改正大綱の中に損益通算制度廃止という内容で盛り込まれた。そして、その大綱の内容は、平成15年12月18日の日本経済新聞に掲載され、その周知の程度は完全なものとはいえないまでも、平成16年分所得税から長期譲渡所得について損益通算制度適用されなくなることを納税者において予測することができる状態になったということができる。したがって、平成16年1月1日からの土地建物等の譲渡時を基準とすると、確かに切迫していたことは否定できないものの、同日以降の土地建物等の譲渡について損益通算ができなくなることを納税者においてあらかじめ予測することができる可能性がなかったとまではいえない。加えて、上記のとおり、所得税は期間税であること等から、暦年の終了時に納税義務が生じるものであり、その前においては、たとえ当該年分の所得税の課税期間が開始していたとしても、従前の租税法規の内容が改正されて年度開始時に遡って適用される可能性がないとはいえず、特に本件の場合のように、税制大綱が年度前に公表され、年度開始後1箇月程度で改正措置法案が国会に提出されて可決成立しているのであり、このような場合に改正法が年度開始時にさかのぼって適用される可能性は否定できない。そして、現にこれまでもそのようなケースが決して稀ではなかったことをも勘案すると、所得税のような期間税の場合、年度が開始した後は年度開始時に遡って租税法規が納税者に不利益に変更される可能性が立法の必要性如何によってはあり得ることを納税者としても全く予測できないとはいえないと考えられる。

 そこで、本件改正附則が成立時にそれまで認められていた損益通算の制度を、既に課税期間が開始した平成16年1月1日にまで遡って適用しなければならないとするまでの合理性又は必要性があるかどうかについて考える。上記のとおり、本件改正附則の立法目的は、土地取引の活性化と株式取引等との不均衡是正の見地から、従来認められていた合理的とはいえない損益通算の制度の廃止等と長期譲渡所得税率引下げをパッケージとして、できるだけ早期に実施する必要があったことに加えて、これらの実施を翌年度まで遅らせれば(少なくとも改正措置法施行後9箇月間は実施できないことになる。)、その間に節税をねらいにした不当な低価による土地取引が横行しかねず、これが資産デフレをもたらすとの懸念によるものであり、特に後者の点は、現にその与党である自民党の平成16年度税制改正大綱が日本経 済新聞に報道された直後ころから、年内の駆け込み土地売却を勧める税理士等の提案がインターネットのホームページに掲載される等の動きがみられたことからも、単なる懸念にとどまらず現実性を帯びていたものである。そうすると、本件改正附則のとおり、損益通算を廃止する等を内容とする改正措置法を成立・施行前の平成16年1月1日に遡って適用する合理性・必要性を肯定することができる。そして、その公益性と原告等の納税者にもたらされる不利益とを比較した場合、明らかに納税者の不利益が上回るということはいえず、少なくとも、本件改正附則の内容が立法目的に照らして著しく不合理であるということはできない。
 したがって、本件改正附則は憲法84条には違反しないから、その違反をいう原告の主張は理由がなく採用することはできない。そうすると、本件においては、本件改正附則の適用があるから、本件通知処分は適法である。

第4 結論
 よって、原告の本訴請求には理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。
(平成20年2月1日 口頭弁論終結)
(千葉地方裁判所民事第3部 裁判長裁判官 堀内明 裁判官 上田哲)
(裁判官西田昌吾は転補のため、署名押印することができない。裁判長裁判官 堀内明)

租税は専門的だからといってしまうと司法の租税に対する監視の役割の放棄以外の何物でもないのだと思いますけどね。
by nk24mdwst | 2009-01-20 15:32 | 租税法(日本)

depressed again 2

続きです
 3 争点
 本件改正附則は、憲法84条に違反するか。

 4 争点に関する当事者の主張
 (原告)
 憲法84条が定める租税法律主義は、納税者の法的安定を図り、将来の予測可能性を与えることを目的にしているから、本件のような期間税である所得税についても、年度途中で年度の初めに遡って適用される租税改正立法については、年度開始前に納税者が一般的にしかも十分予測できる場合に限って許され、そうでない限り、納税者の信頼を裏切る遡及立法として、憲法84条に違反する。
 しかるに、本件改正附則は、年度途中に施行された改正措置法を年度開始時に遡って適用することを定めるものでありながら、年度開始前にほとんど一般に周知されておらず、仮に納税者が年度開始前に知り得たとしても、その期間は7日程度の短期間に止まるのであるから、納税者に予測可能性があったとはいえない。その上、改正措置法が定める遡及適用を含む損益通算禁止は、正確な資料に基づかず、しかも財政上の必要性のないものであるから、本件改正附則は憲法84条に違反する。

 (被告)
 本件改正附則が、未だ平成16年分の所得税の納税義務が成立していない同年の途中で施行された損益通算廃止等を内容とする改正措置法を年度開始時点から適用することを定めているのは、所得税の期間税としての性質上むしろ当然のことであり、遡及立法禁止の原則に違反しない。
 また、本件改正附則を含む改正措置法の立法目的は、現行の土地譲渡益課税制度を見直し、他の資産と均衡の取れた市場中立的な税体系を構築することにあり、そのため、土地建物等の譲渡所得に係る損益通算の廃止は税率引下げ等と一つのパッケージとされ、土地市場の活性化を図るために早急な実施が必要であった。
 さらに、土地建物等の譲渡所得に係る損益通算の廃止及びそれが平成16年分以後の所得税について適用されることは、平成16年分所得税の課税期間が開始される以前からある程度国民に対して周知されていた。
 これらの事情等に照らせば、本件改正附則の立法目的は正当であり、その内容はその立法目的との関連で不合理であることが明らかであるとは到底いえないから、本件改正附則は憲法84条に違反しない。

第3 当裁判所の判断

 1 証拠(各認定事実ごとに末尾に掲記する)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
 (1) 平成16年税制改正の背景及び改正措置法の立法趣旨等(乙7、16、29の1ないし3、30ないし32)
 平成16年税制改正は、現在、我が国が、少子・高齢化、グローバル化等の構造変化に直面している中で、公平な社会を構築し、将来にわたり持続的な経済社会の活性化を実現するため、税制を新たな社会に相応しい姿に再構築するための抜本的改革を進めていかなければならないとし、その際、①個人や企業の自由な選択を妨げず、経済活動に中立で歪みのない税制を基本としつつ、構造改革を推進し、経済社会の活性化を図るため必要な対応をすること、②経済社会の構造変化に対応しきれず、税負担の歪みや不公平感を生じさせている税制上の諸措置の適正化を図ること等の視点が重要であるとの基本的考え方に立っている。
 そして、これらの視点に基づき、平成16年度改正においては、具体的に、個人資産の活用を促進し、資産デフレへの対応を図る観点から、住宅・土地税制等を見直す等の所要の措置を講じている。そのうち、土地税制に関しては、土地譲渡益課税につき、株式に対する課税とのバランスを考慮し、土地取引の活性化を後押しする観点から、長期譲渡所得の税率を引き下げている。
 措置法関係の改正の内容は、上記前提事実(2)記載のとおりであるが、その改正の趣旨については、土地譲渡益課税について、使用収益に応じた適切な価格による土地取引を促進し、特に収益性の高い土地の流動性を高め、土地市場の活性化に資する観点から、株式に対する課税とのバランスを踏まえ、長期譲渡所得税の税率の引下げ及び他の所得との損益通算の廃止・繰越控除等を一つのパッケージとして措置することとされたものである。とりわけ、損益通算・繰越控除の廃止を採用した理由は、次のとおりである。すなわち、分離課税の対象となる土地建物等の譲渡所得に対する課税については、利益が生じた場合には比例税率の分離課税とされている一方で、損失が生じた場合には総合課税の対象となる他の所得の金額から控除することができるという主要外国に例のない不均衡な制度であるといったこと等の問題点が指摘されていた。このような問題に対処するため、今回の改正をする必要があったためである。もっとも、株式に対する課税との均衡を図るとはいっても、納税者の生活に大きな影響を与える居住用財産については、特別な配慮が必要であることから、改正措置法は、譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の拡充・創設等の手当を施す等の措置を講じている。
 そして、これらの改正は、平成16年1月1日以後に行う譲渡から適用することとされた(本件改正附則)。その趣旨は、仮に、関係改正規定の適用を1年間遅らせるとした場合、節税のための損益通算を目的とした安売りによる土地の売却を招いて、土地市場に不測の影響を及ぼすおそれがあることから、その適用を遅らせるのは適当ではないと判断したためである。実際にも、上記与党の「平成16年度税制改正大綱」の内容が報道された直後から、資産運用コンサルタント、不動産会社、税理士事務所等が開設しているホームページ上において、次々と値下がり不動産の年内駆け込み売却が勧められ、また、一部の税理士は、平成15年中にこの事態に対処していたと報じられていた。
 (2) 改正措置法の立法に係る経緯は次のとおりである。
  ア 平成12年7月、政府税制調査会において、「わが国税制の現状と課題-21世紀に向けた国民の参加と選択-」という報告書が作成されたが、その中で、損益通算に関し、租税回避行為への対応として、操作性の高い投資活動から生じた損失と事業活動などから生じた所得との損益通算の制限について検討が必要との指摘がされた(乙20)。
  イ 平成14年2月18日、国土交通省の国土審議会土地政策分科会企画部会において、地価の上昇を前提としない土地税制や不動産に対する投資意欲の喚起のための不動産税制を考える必要があることなどが議論された(乙26の2)。
  ウ 同年5月19日、国土交通省の「今後の土地税制のあり方に関する研究会」の中間取りまとめにおいて、バブル経済崩壊後の地価下落等の土地をめぐる環境の変化(利用価値に応じた価格形成)を踏まえた税制の構築、株式等他の資産と均衡を失しない市場中立的な税体系の検討等が必要であるとの指摘がされた(乙27)。
  エ 平成15年8月31日、国土交通省は、平成16年度の税制改正について株式等他の資産と均衡を失しない市場中立的な税体系を構築することにより土地への投資意欲を喚起するため、他の資産と比べて重く課税している土地譲渡所得に対する税率の引下げを要望した(乙28)。
  オ 平成16年度税制改正の手続の流れは、次のとおりである。
 平成15年12月15日に政府税制調査会において「平成16年度の税制改正に関する答申」が、同年12月17日に与党において「平成16年度税制改正大綱」が取りまとめられ、平成16年1月16日には「平成16年度税制改正の要綱」が閣議決定された。この要綱に基づいて作成された「所得税法等の一部を改正する法律案」が、同年2月3日に国会に提出され、可決・成立し、同年3月31日公布された。
 改正措置法を含む上記所得税法等の一部を改正する法律(平成16年法律第14号)は、平成16年4月1日施行された。なお、政府税制調査会による上記「平成16年度の税制改正に関する答申」には、土地建物等の長期譲渡所得について損益通算を廃止することは盛り込まれていなかったが、平成15年12月18日の日本経済新聞に掲載された与党である自由民主党の上記「平成16年度税制改正大綱」には、土地建物等の長期譲渡所得について損益通算を廃止することが記載されていた。平成16年1月16日の閣議において決定された平成16年度の税制改正の要綱においても、土地建物等の長期譲渡所得について損益通算を廃止することが盛り込まれ、その内容が上記所得税法等の一部を改正する法律案となり、上記可決・成立したものである(甲7、乙7、21、弁論の全趣旨)。

 2 以上1認定の事実及び上記前提事実を踏まえて、次に本件争点について検討する。
 (1) 本件改正附則が遡及立法であるかどうかについて
 原告は、本件改正附則が遡及立法に当たり、憲法84条の租税法律主義の規定に違反する旨主張する。租税法規については、刑罰法規の場合と異なり、遡及立法の禁止を明文する憲法の規定は存在しないものの、租税法規について安易に遡及立法を認めることは、租税に関する一般国民の予測可能性を奪い、法的安定性をも害することになることから特段の合理性が認められない限り、原則として許されるべきではなく、このことを憲法84条は保障しているものと解される。
 そこで、本件改正附則が遡及立法といえるかどうかについて検討する。確かに、上記第2の1(関係法令の定め等)及び2(前提事実)によれば、原告は、平成16年分の所得税の課税年度開始後に本件譲渡を行い、これによって多額の本件譲渡損失が発生した後に、譲渡による損失を他の所得の金額の計算上、損益通算することを禁止する規定を設け、その適用を年度開始時から行う旨の本件改正附則を含む改正措置法が同年度内に成立し、施行されたものであるから、同不動産の譲渡時を基準とする限り、少なくとも同附則は遡及立法に当たりはしないか問題となる。実質的に考えても、本件譲渡がされた時点においては、その譲渡による損失を他の各種所得の計算上において損益通算できるとする改正前の措置法が効力を有していたのであり、一般納税者としては、その損益通算による利益をも予め考慮して譲渡に及ぶことが通常予想される。とりわけ、本件譲渡を行った者が租税の専門家とはいえない一般納税者の場合には、譲渡が行われた年度内に譲渡による損失の損益通算が廃止されることを予想して、その危険を回避する措置を期待することは必ずしも容易ではないとみられ、したがって、原告の場合、本件改正附則が本件譲渡にも適用されることによる不利益は決して少なくはないといえる。
 しかしながら、遡及立法が禁止の対象とする行為は、過去の事実や取引を課税要件とする新たな租税を創設し、あるいは過去の事実や取引から生じる納税義務の内容を納税者の不利益に変更する行為であるところ、所得税はいわゆる期間税であり、これを納付する義務は、国税通則法15条2項1号の規定により暦年の終了の時に成立し、また、その年分の納付すべき税額は、原則として所得税法120条の規定により確定申告の手続により確定するものであり、また、損益通算については、所得税法の関係規定によれば、所得税の納税義務が成立し、納付すべき税額を確定する段階において、その年間における総所得金額等を計算する際に、譲渡所得等の金額の計算上損失が生じている場合には、その金額を他の各種所得の金額から控除するという制度であり、個々の譲渡の段階において適用されるものではなく、対象となる譲渡所得の計算も、個々の譲渡の都度されるものでもなく、暦年を単位とした期間で把握される(所得税法33条3項)ものである。そうすると、本件において、平成16年分の所得税の課税期間が開始したものの、その所得税の納税義務が成立する以前に行われた本件譲渡についても改正措置法を適用する旨を定めた本件改正附則は、厳密にいえば、遡及立法には該当しないといわざるを得ない。このことは、上記第2の1(関係法令の定め等)の(6)のとおり、本件改正附則と同様に暦年の途中で施行されながら、その適用を暦年の開始時からする旨を定めた法令の立法がこれまで少数とはいえ行われてきたことからもうかがわれる。また、改正措置法の施行日前に納税者の死亡等によって、既に所得税の納税義務が成立し、又は確定している場合には、既に成立した納税義務の内容を変更することがないよう、改正措置法附則27条2項及び3項において手当がされていることからも明らかなように、そのような場合に当たらず、課税義務(ママ)が未だ成立していない場合については、本件改正附則が遡及立法に該当しないことを当然の前提にしているものと解される。
 もっとも、期間税の場合であっても、納税者は、通常その当時存在する租税法規に従って課税が行われることを信頼して各種の取引行為を行うものであるといえるから、その取引によって直ちに納税義務が発生するものではないとしても、そのような納税者の信頼を保護し、租税法律主義の趣旨である国民生活の法的安定性や予見可能性の維持を図る必要はある。もっとも、期間税について、年度の途中において納税者に不利益な変更がされ、年度の始めにさかのぼって適用される場合とはいっても、立法過程に多少の時間差があるにすぎない場合や、納税者の不利益が比較的軽微な場合であるとか、年度の始めにさかのぼって適用しなければならない必要性が立法目的に照らし特に高いといえるような場合等種々の場合が考えられるのであるから、このような場合を捨象して一律に租税法規の遡及適用であるとして、原則として許されず、特段の事情がある場合にのみ許容されると解するのは相当ではない。
 そうすると、本件のように厳密には租税法規の遡及適用であるとはいえないような場合は、後記のとおり、立法裁量の逸脱・濫用の有無を総合的見地から判断する中で、当該立法によって被る納税者の不利益をも斟酌するのが相当であるというべきである。

つづく
by nk24mdwst | 2009-01-20 15:20 | 租税法(日本)

depressed again

昨日掲載した東京高裁12月20日判決の原審の千葉地裁平成20年5月16日判決です。同じくTAINS(タインズ)からのものです。

千葉地方裁判所平成19年(行ウ)第15号通知処分取消請求事件(棄却)(控訴)(TAINS Z888-1331)
【遡及適用の合憲性/譲渡損失の損益通算を不可とする税制改正】

         判  決(平成20年5月16日言渡)
                   原    告    ■■■■■■■
                   被    告    国
                   同代表者法務大臣  鳩 山 邦 夫
                   同指定代理人  〇〇〇〇
                   同         〇〇〇〇
                   同         〇〇〇〇
                   同         〇〇〇〇
                   同         〇〇〇〇
                   同         〇〇〇〇
                   同         〇〇〇〇
                   同         〇〇〇〇
                   同         〇〇〇〇
                   処分行政庁     千葉西税務署長

         主  文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

         事 実 及 び 理 由

第1 請求
  処分行政庁が平成18年2月17日付けで原告に対してした平成16年分所得税の更正請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分を取り消す。
第2 事案の概要
  本件は、原告が、平成16年4月1日に施行された改正後の租税特別措置法31条1項後段の規定(それまで認められていた土地建物等の譲渡損失を他の所得所得(ママ)の金額から控除することを廃止する旨の規定)を同年1月1日以後に行う同条1項に規定する土地等又は建物等の譲渡について適用する旨の平成16年法律第14号(所得税法等の一部を改正する法律)附則27条1項が遡及立法に当たり、憲法84条に違反すると主張して、処分行政庁が同附則を原告が平成16年1月30日にした長期譲渡所得税対象土地の譲渡に適用して、その譲渡による損失の損益通算を認めず、原告の平成16年分所得税の更正請求に対し更正すべき理由がない旨の通知処分をしたのは違法であるとして、その取消しを求めている事案である。

 1 関係法令の定め等
 (1) 所得税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)69条1項は、損益通算につき、総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額を計算する場合において、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、政令で定める順序により、これを他の各種所得の金額から控除すると定めている。
 (2) 租税特別措置法(ただし、平成16年法律第14号による改正後のもの。以下「改正措置法」という。また、租税措置法一般を呼称するときは、単に「措置法」という。)31条1項前段は、個人が、その有する土地若しくは土地の上に存する権利(土地等)又は建物及びその附属設備若しくは構築物(建物等)で、その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡をした場合には、当該譲渡による譲渡所得(以下「長期譲渡所得」という。)については、他の所得と区分して、その年中の当該譲渡に係る譲渡所得の金額に対し、長期譲渡所得の金額の100分の15に相当する金額に相当する所得税(ただし、住民税5パーセントを含めれば20パーセントの税率)を課する旨規定している。
 また、同項後段は、同項前段の場合において、土地等又は建物等(以下「土地建物等」という。)の譲渡所得の金額の計算上生じた損失があるときは、所得税法その他所得税に関する法令の規定の適用については、当該損失の金額は生じなかったものとみなす(すなわち、損益通算及び繰越控除を認めない。)旨規定している。
 さらに、改正措置法31条3項2号は、同条1項の規定の適用がある場合の所得税法69条の適用については、①同条1項中「譲渡所得の金額」とあるのは改正措置法31条1項に規定する譲渡による譲渡所得がないものとして計算した金額とする旨、②「各種所得の金額」とあるのは同項の長期譲渡所得の金額を除いた金額とする旨規定して、総合課税の対象となる譲渡所得及び他の所得の金額の計算上生じた損失の金額がある場合でも、当該損失は、同項の長期譲渡所得の金額から控除することはできないこととしている。
 なお、上記改正前の租税特別措置法(以下「改正前措置法」という。)31条1項は、長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、所得税法69条の規定を適用し、他の各種所得の金額との損益通算を認める旨規定している。
 (3) 改正措置法附則第27条1項(以下「本件改正附則」という。)は、「新租税特別措置法(改正措置法を指している。)第31条の規定は、個人が平成16年1月1日以後に行う同条第1項に規定する土地建物等の譲渡について適用し、個人が同日前に行った旧租税特別措置法第31条第1項に規定する土地建物等の譲渡については、なお従前の例による。」と規定している。
 (4) 改正措置法は、31条1項後段の規定により、土地建物等の譲渡損失の損益通算を原則として認めないこととした上で、居住用財産を譲渡した場合の譲渡損失の金額の一部について、一定の要件の下に他の所得との損益通算及び繰越控除を認め(「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」。改正措置法41条の5第1項、同第7項1号)、あるいは、居住用財産を譲渡して買換えをせずに借家等に住み替える等の場合に、一定の要件の下に、当該譲渡によって生じた純損失の金額の一部について他の所得との損益通算及び繰越控除を認める(「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」。改正措置法41条の5の2第1項、同第7項1号)こととしている。
 (5) 改正措置法附則27条2項及び3項は、施行日前に死亡した者、施行日前に平成16年分の所得税につき所得税法127条(年の途中で出国する場合の確定申告)の規定による申告書を提出した者及び施行日前に同年分の所得税につき通則法25条の規定による決定を受けた者の同年分の所得税に係る措置法31条の規定を適用するに当たっては、土地建物等の譲渡による所得以外の他の所得との損益通算及び長期譲渡所得の100万円特別控除については、従前どおり適用する旨規定している。
 (6) 本件改正附則と同様に暦年の途中から施行されながら、適用がその暦年の初日とされた法令の例
  ア 昭和27年の税制改正により、退職所得が損益通算の対象外とされたときも(昭和29年の税制改正まで)、当該改正法(昭和27年法律53号)は昭和27年4月1日から施行されている(同法附則1項)が、同年分以後の所得税について適用されている(同法付則22項)。
  イ 昭和36年の税制改正により、趣味・娯楽の資産の譲渡による所得等の喪失について損益通算が廃止されたときも、当該改正法(昭和36年法律35号)は昭和36年4月1日から施行された(同法附則1項)が、同年分以後の所得税について適用されている(同法附則2項)。
  ウ 昭和37年の税制改正により、生活に通常必要でない資産についての災害に係る雑損失と譲渡所得以外の所得との損益通算が廃止されたときも、当該改正法(昭和37年法律44号)は昭和37年4月1日から施行された(同法付則1条)が、同年分以後の所得税について適用されている(同法付則2条)。
  エ 現行所得税法(昭和40年法律33号)においても、昭和43年の税制改正により、雑所得の金額の計算上生じた損失と他の所得との損益通算が廃止された際には、当該改正法(昭和43年法律21号)は昭和43年4月20日から施行された(同法付則1条)が、同年分以後の所得税について適用されている(同法付則2条)。
  オ 改正法の施行日を含む年分の所得税について改正法が適用されているのは損益通算に係る場合だけでなく、所得税の課税対象への追加(昭和36年分以後の所得税に適用された、事業譲渡類似の有価証券の譲渡による所得等を譲渡益非課税から課税に変更措置)や各種控除の縮減・廃止(昭和55年分以後の所得税に適用された、給与所得控除率引下げ、平成12年分以後の所得税に適用された、年少扶養控除の廃止等、平成15年分以後の所得税に適用された、長期所有上場株式等に係る100万円特別控除の廃止)についても、同様に改正法の施行日を含む年分の所得税に適用されている。
 2 前提事実(証拠等を掲記した事実以外は争いがないか明らかに争いがない。)
 (1) 原告は、平成5年4月4日、■■■■■■■■■■■■■■の宅地(以下「本件土地」という。)を4300万円で買い受け、これを平成16年1月30日、1750万円で譲渡する旨の契約を締結し、同年3月1日、本件土地を買受人に引き渡した(以下、この譲渡行為を「本件譲渡」とい。)。その結果、2500万円余の譲渡損失(以下「本件譲渡損失」という。)が生じた(甲1ないし4、乙1)。
(2) 原告は、平成17年9月15日、給与所得、雑所得及び株式等に係る譲渡所得を平成16年分の所得と記載した同年分の所得税の確定申告書を処分行政庁に提出した。
 (3) 原告は、平成17年11月16日、本件譲渡損失の金額は他の所得と損益通算すべきであるとして、これに基づき税額計算した結果、還付されるべき税金136万9400円が存在するとして、更正の請求書を提出したが、処分行政庁は、原告に対し、平成18年2月17日付けで、更正すべき理由がない旨の通知処分(以下「本件通知処分」という。)をした(甲2、乙2)。
 (4) 原告は、平成18年2月022日、処分行政庁に対し、本件通知処分を不服として異議申立てをしたが、処分行政庁は、同年4月21日付けで、これを棄却する決定をした。
 原告は、これを受けて、同月26日、国税不服審判所長に対し、審査請求をしたが、同所長は、同年9月19日付けで、これを棄却する裁決を行った。
 本件通知処分、上記異議申立棄却決定及び上記裁決は、いずれも、本件譲渡には改正措置法31条の適用があり、そうすると、本件譲渡損失は、その他の所得の金額の計算上、生じなかったものとみなされること、すなわち、同損失については損益通算の処理ができないことを理由とするものであり、同法の適用を認める限り、本件通知処分のとおり、本件においては更正すべき理由がないことになる(甲2ないし4)。
  原告は、平成19年3月15日、本訴を提起した。

 3 争点
 本件改正附則は、憲法84条に違反するか。

つづく
by nk24mdwst | 2009-01-20 15:17 | 租税法(日本)

foolin` empty,without feelin`

雨模様、気分もか。

繁忙期、頑張らないと、なのですがね。

夕べの晩は、An Evening With The Allman Brothers Band などというものを聞いていました。1992年のメンバーによるライブ二枚組です。

Greg Allman の声は既に衰えを見せていますが、今ほどひどくはないです。

逆に、Dickey Betts は、ある意味、ギタリストとしては一番調子が良い時期だったのかもしれません。ただ、洗練され、テクニックが向上したのが結果的には裏目だったのですね。30数年前の引っかかり気味というか、技術を気合でカバーしていたときの方が新鮮さがあったかな。
かつての自分とDuane Allman のスタイルを充分に採り入れ、かつスライドその他技術ははるかに向上しているわけですが、オリジナリティはどこにということです。

相方が、このときは、Warren Haynes なので、音色も変えてくれているし(へインズの方が才能があるから違いをだせるのです。)、デュアンは、ステージでは周りを引き立てることに気を配っていましたからね。
ベッツは何を弾こうと自由、デュアンのフレーズだろうが誰かの真似でもいいし、テクニックの限界が限定する単調なリックでも構わない、ちゃんとデュアンが相方として料理してくれたのですね。

わかいDerek Trucks は、ハイテク・スライド・ギタリストでインド音楽やら何やら何でもできますが、ベッツは一緒にやると無個性に聞こえるのですね。デレク・トラックスもやたらと前面に出てくるわけではないですが努力の人は敵わない。

グレグ・オールマンの声が、良かったのは、80年ぐらいまでで、かつ、ラリッていないとき。
兄貴が死んでからは、基本的にダメです。

そのあと、Allman Brothers Band SUNY at Stony Brook, NY 9/19/71の二枚組をききました。ステレオだけど、音は最悪に近いのですが、1971年9月で、長いツアーの最終コーナーを回ったところで、血からいっぱいの演奏でこのときライブが、一番だとおもいます。

ベッツが、ライブで初めてBlue Sky を歌いますが、上っています。

ABBのライブの進行、カウントを取る声等はデュアンですが、このときは強烈にぶっ飛んでいます。

Elmore James ナンバーでABBのセットではおなじみのDone Somebody Wrong の紹介のとき、デュアンが、去年も今年もこの曲で楽しんだ。来年もそうなるんだっていうところで、ジンと来るのですが、ぶっ飛んだいい演奏です。
このツアーの後、18か月ぶりの休みの間に事故です。Eat A Peachのレコーディング中というわけです。

日本の民主党の税制改革方針を政府の閣議決定と比較検討するのが順番かとは思いますが、政府のものに比べるとプラス3点、マイナス2.5点、位としかいえないものだと考えていますが。だから政権交替があってもたいした違いはないのかなと感じるわけです。まあ、このあたりは具体的に指摘しないとだめですね。今日は、気分じゃないので。
House Democrats Release Details of Their Tax Plan

By DAVID M. HERSZENHORN and JEFF ZELENY
Published: January 17, 2009

But the tax provision likely to be of most interest is the two-year middle-class tax cut, which will provide up to $500 to individuals and up to $1,000 for couples earning less than $200,000 a year, the overwhelming majority of Americans.

Congress first approved a $7,500 tax credit for homebuyers last year, which amounted to an interest-free loan, to be repaid over 15 years, for house purchases made between April 9, 2008, and July 1, 2009. Under the new law, the loans would not have to be repaid for homes bought after Jan. 1, 2009.

The stimulus package also contains an array of tax breaks for businesses, including a provision that would allow companies to speed the depreciation of capital investments, allowing 50 percent of those expenditures to be written off immediately. In addition, it has a provision that allows businesses to apply current losses to prior profitable years, as far back as 2003, providing potentially generous credits against past tax bills.
http://www.nytimes.com/2009/01/17/us/politics/17stimulus.html?partner=permalink&exprod=permalink
年間所得200,000ドル以下の個人に対して500ドル、夫婦で1,000ドルの税額控除を行うというのが一つ。

新たな税額控除として教育関係支出に関連して最高2500ドルの税額控除、さらに、ローンで住宅取得した場合に最高7,500ドル、15年間の税額控除を導入するということのようです。

さらに、企業関連としては、加速償却特例として、取得年度に取得価額の50%の特別償却を認めるというものもあるようです。設備投資を促進しようというわけでしょうが。

既に、設備投資過剰、住宅在庫過剰の状況で、資金の流れが止まっているわけで、こういった減税策が余り効果を生まないであろうことは日本の経験からすると明白だと思われますけどね。

米国議会の民主党の減税案、景気刺激策の中にはいわゆるグリーン指向というか、環境関連投資刺激策が盛り込まれているわけですが、環境問題をねたにバブルを起こせるんでしょうか?

Yes, everybody get together, right now!!!
by nk24mdwst | 2009-01-19 16:21 | 音楽

what's happening down here

「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた『中期プログラム』」(平成20年12月24日 閣議決定)を少し、検討してみます。
Ⅰ.景気回復のための取組
(1) 「今年度を含む3年以内の景気回復を最優先で図る。」
景気回復期間中に、減税措置及び定額給付金を税制抜本改革を前提に時限的に行うことを含め、当面、総額75 兆円規模の景気対策(安心実現のための緊急総合対策、生活対策及び生活防衛のための緊急対策)を着実に実施する。
定額給付金の有効性は、誰もが疑問を持っています。将来の増税が見込まれる状況では貯蓄に回る可能性が高いです。個人消費刺激策は他にあるはずです。実績のある、定率減税では、なぜだめなのでしょうか。

国民の生活不安は雇用の不安定化と社会保障負担の引上げと給付の切下げが背景だと思います。

減税措置についてですが
・住宅ローン減税拡充に効果ありか。一般的に持ち家政策は中間層を対象として景気対策として効果があるとされますが、政府案の借入金残高限度額の引上げ(2,000万円→5,000万円)の恩恵を受けるのは誰か。高額マンションの在庫処分策なのかと?!
・09年、10年に取得した土地を5年超保有した場合、売却益から1,000万円を控除する制度を利用できるのは誰か?将来のインフレに対するヘッジにすぎないかと思います。
・配当所得、上場株式等売却益に対する課税軽減の延長ですが、世界的な株式市場の価格暴落は一国の税制によって補えるものではないでしょう。
・12年から少額上場株式等投資のための非課税制度創設(非課税口座で運用する100万円までの上場株式等からの配当、売却益には10年間、所得税、住民税を課税しない。)・・・少額預貯金非課税制度を活用したのが資産家だったのと同じ効果があると考えられます。

損益通算制度の対象範囲を広げ、配当所得から上場株式の売買損失を控除できる制度の導入・・・日本的二元的所得税の導入・・・民主党も主張しています。

結局、新自由主義的な税制への方向転換を変えるつもりがないことになりますが、この政策方針は、世界中で既に破綻しています。
・海外所得非課税制度の創設 現行の全世界所得課税・外国税額控除方式に変え、海外子会社があげた利益の配当に対して益金不算入とする制度の恒久的導入。海外子会社の内部留保残高17兆2,000億円(2006年度末、経済産業省)あるとされますが、この手のトリクル・ダウン理論を相変わらず信奉しているのですね。
(2) あわせて、世界の潮流変化を先取りした経済成長の実現に向け、日本の底力を最大限に発揮させる成長戦略を具体化し、推進する。
 新自由主義経済が破綻し、世界各国の政府が方向転換を図ろうとしている中で敢えて従来の方針を変えてません。
ニュー・ヨーク・タイムズが社説で所得税の累進強化(最高税率引上げ)、LLP等を使った高額所得者の租税回避に対する課税強化を訴えている(2009.1.5)のと好対照です。
Ⅱ.国民の安心強化のための社会保障安定財源の確保
1.堅固で持続可能な「中福祉・中負担」の社会保障制度の構築
急速に進む少子・高齢化の下で国民の安心を確かなものとするため、我が国の社会保障制度が直面する下記の2つの課題に同時に取り組み、堅固で持続可能な「中福祉・中負担」の社会保障制度を構築する。
原則1.中福祉・中負担の社会を目指す。
「中福祉」の具体的な定義はないが、社会保障給付を現行の水準にとどめつつ「『中福祉』のほころびに適切に対応」するというものである。社会保障に関しては、現行の水準よりも下がるものもある 。
「社会保障制度の財源(保険料負担、公費負担及び利用者負担)のうち、公費負担については、現在、その3分の1程度を公債に依存して」いる「現状を改め、必要な給付に見合った税負担を国民全体に広く薄く求めることを通じて安定財源を確保する」としています。社会保障制度の財源は国民に広く薄く求める→消費税であると明言しているわけです。
原則2.安心強化と財源確保の同時進行
別添の工程表で示された改革の諸課題を軸に制度改正の時期も踏まえて検討を進め、確立・制度化に必要な費用について安定財源を確保した上で、段階的に内容の具体化を図る。
社会保障制度の制度改正を行う前に「安定財源を確保」し、内容を具体化する、つまり、まず、消費税の増税が先行するということです。
原則3.安心と責任のバランスの取れた財源確保
(1) 社会保障安定財源については、給付に見合った負担という視点及び国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、消費税を主要な財源として確保する。これは税制抜本改革の一環として実現する。
(2) この際、国・地方を通じた年金、医療、介護の社会保障給付及び少子化対策に要する公費負担の費用について、その全額を国・地方の安定財源によって賄うことを理想とし、目的とする。このため、2010 年代半ばにおいては、基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げに要する費用をはじめ、上記2.に示した改革の確立・制度化及び基礎年金、老人医療、介護に係る社会保障給付に必要な公費負担の費用を、消費税を主要な財源として安定的に賄うことにより、現世代の安心確保と将来世代への責任のバランスを取りながら、国・地方の安定財源の確保への第一歩とする。
国税消費税と地方税消費税を、さらに社会保障給付と少子化対策の費用とを書き分けています。ここで、地方自治体の財源が道州制の導入とも関連して問題となってきます。具体的には、地方消費税の譲渡割(現行25%)の引上げの検討も行われています。この際、法人事業税の全廃に伴う代替財源としての地方消費税であり、教育費等の財源に関しても消費税によるということだと考えられます。消費税の税収は社会保障費の公費部分よりも大きくなることになります。

消費税の必要増税額についてですが、社会保障の公費負担額(国と地方の合計)は約27兆円、消費税収入(地方消費税を含む。)は、約13兆円→公費負担額を賄うためには、税率を倍以上に、つまり10%以上にする必要があることになります。

社会保障国民会議座長 吉川 洋東大教授が経済財政諮問会議に示した試算(中期プログラムの下敷き?!)では、2015年度の社会保障給付費(公費負担分)43.5兆円~44.3兆円となり消費税に換算すると13.2%~13.4%になります 。
Ⅲ.税制抜本改革の全体像
経済状況の好転後に実施する税制抜本改革の3原則
原則1.多年度にわたる増減税を法律において一体的に決定し、それぞれの実施時期を明示しつつ、段階的に実行する。
原則2.潜在成長率の発揮が見込まれる段階に達しているかなどを判断基準とし、予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとする。
原則3.消費税収は、確立・制度化した社会保障の費用に充てることにより、すべて国民に還元し、官の肥大化には使わない。
1.税制抜本改革の道筋
(1) 基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げのための財源措置や年金、医療及び介護の社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通しを踏まえつつ、今年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提に、消費税を含む税制抜本改革を2011 年度より実施できるよう、必要な法制上の措置をあらかじめ講じ、2010 年代半ばまでに段階的に行って持続可能な財政構造を確立する 。
「2011年度より実施できるよう、法制上措置をあらかじめ講じる」というのは、2009年度法改正に盛り込むという意味です。小泉内閣の骨太方針2006「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006 について」(平成 18 年7 月7 日閣 議 決 定)の路線を踏襲することを言明しています。
(2) 消費税収が充てられる社会保障の費用は、その他の予算とは厳密に区分経理し、予算・決算において消費税収と社会保障費用の対応関係を明示する。
消費税の社会保障目的税化・・・個人的には、目的税化は必ずしも正しくないと考える。財政学の教科書的にいえば、財政の硬直化につながると考えます。ただし、財政拡大の歯止めがなくなるという消費税増税に対する反論に対しては有効な議論でしょうが。
2.税制抜本改革の基本的方向性
(1) 個人所得課税については、格差の是正や所得再分配機能の回復の観点から、各種控除や税率構造を見直す。最高税率や給与所得控除の上限の調整等により高所得者の税負担を引き上げるとともに、給付付き税額控除の検討を含む歳出面も合わせた総合的取組の中で子育て等に配慮して中低所得者世帯の負担の軽減を検討する。金融所得課税の一体化を更に推進する。
最高税率や給与所得控除の上限見直しにより所得税による再配分の方向を示しているようです。しかし、金融所得課税の一体化を更に推進するといっているので、利子・配当所得、上場株式等の譲渡所得、デリバティブ取引による雑所得等を金融所得として一体分離課税し、これらの間の損益通算を認めるという方向性に変化はないということです。

金融所得に関しては累進課税が及ばないのですから所得の再配分が行われるのは勤労性所得(給与所得、事業所得)が対象ということです。各種控除の見直し→縮減ということは、結局、年金所得者を含む低所得者に対する増税でしかないと感じます。

給付付き税額控除(民主党も提唱している。)は、勤労性所得を持つものに限定され、さらに、給付には所得制限が設けられるので、これによる給付額は所得税増税額の枠の中に納まってしまいます。

給付付き税額控除、金融所得一体課税は、納税者全てに付番することが前提になること画必要だと一般にいわれていることに留意(民主党も同様の主張)しなければなりません。
(2) 法人課税については、国際的整合性の確保及び国際競争力の強化の観点から、社会保険料を含む企業の実質的な負担に留意しつつ、課税ベースの拡大とともに、法人実効税率の引下げを検討する。
課税ベースがどのように拡大されるのか不明なのでどのような効果があるのかわかりません。ただ、国際競争力強化の観点といっている以上、法人税の実質増税は考えられず、さらに、社会保険料の企業負担分について言及していることにも留意が必要でしょう。
(3) 消費課税については、その負担が確実に国民に還元されることを明らかにする観点から、消費税の全額がいわゆる確立・制度化された年金、医療及び介護の社会保障給付と少子化対策に充てられることを予算・決算において明確化した上で、消費税の税率を検討する。
その際、歳出面も合わせた視点に立って複数税率の検討等総合的な取組みを行うことにより低所得者の配慮について検討する。
消費税の目的税化は規定路線になった?!仮に社会保障財源として消費税の全てを充てるとして、国民が受益する社会保障の程度が現在を上回ることがないことは明らかであることをどう考えるかです。
複数税率の施行の前提は、インボイス導入、事業者番号制度・・・納税者番号制度とどう連動するのか・・という問題があります。なお、民主党は、インボイス導入を主張していますが複数税率には否定的で、消費税を税額控除によって調整する案です。
(5) 資産課税については、格差の固定化防止、老後扶養の社会化の進展への対処等の観点から、相続税の課税ベースや税率構造等を見直し、負担の適正化を検討する。
相続税の課税方式の変更に関しては、一歩後退した様に見えますが、不明です。
(6) 納税者番号制度の導入の準備を含め、納税者の利便の向上と課税の適正化を図る。
前述のように、今度の抜本的税制改革が打ち出す方向性の中では、納税者番号制度の導入が不可避とされるものが並んでいます。
問題としては、どの番号を納税者番号とするかです。

納税者の利便の向上と課税の適正化・・・電子申告と調査の強化?なお、民主党提案の歳入庁構想です。国税、社会保険料等の一括徴収です。
(7) 地方税制については、地方分権の推進と、国・地方を通じた社会保障制度の安定財源確保の観点から、地方消費税の充実を検討するとともに、地方法人課税の在り方を見直すことにより、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築を進める。
法人事業税撤廃→地方消費税譲渡割の税率引上げが検討されるということなのでしょう。
Ⅴ.中期プログラムの準備と実行
(2) 2009 年度(平成21 年度)の税制改正に関する法律の附則において、前記の税制抜本改革の道筋及び基本的方向性を立法上明らかにする。
平成21年度税制改正に関する法律の附則で、将来の消費税率の引上げを含む税制改革の方向性を盛り込むという無茶苦茶な話が可能なのかということです。

民主党のアクションプログラムを参照してみると共通点が多いのに驚きます。
by nk24mdwst | 2009-01-18 16:11 | 租税法(日本)

the front page comes last

きょうは、少し、暖かいような、されど気分は最低。

Little Feat のFront Page Back Page が続けざまになっています。
Bill Payen がリード・ヴォーカルをとるのが普通ですが、Lowell George が歌っているやつもあって、アレンジが違うので、何だこれって思いました。

レコードを数十枚しかもっていなかった頃は全部、擦り切れるほど聞いていて、次にどの曲が来るかまでわかったものですが。アルファベット・オーダーで聞いていると新しい発見というか何というか。

結局、CDやLPが増えても、繰り返し聞くものは限られているので、ウォークマンに取り込んでいてもちゃんと結局同じものばかり聞くのですね。
一定の意図をもって聞くということもしないことはありません。つまり、特定の曲、プレイヤーに絞って聞くというスタイルでしょうか。
アルバム単位で聞こうとすると同じものの繰り返しになります。

このウォークマンからはFZは全て除いているので、Dead とABB、The Byrds とその周辺が一番多くはいっているのかな。CBがときどき出てきて、アクセントになります。

ラジオ等でかかってヒット曲になるものというのが存在する理由がわかりました。アルバム一枚通して聞こうとすると耐えられないバンドなんかでも一曲だけ、気を入れて作れば、あるいはまぐれかもしれませんが、聞ける曲はあるのですね。

あと、Leo Kottke ですね。ヴォーカルの魅力を感じます。

さて、ブッシュ政権に対する悪口を二つばかり。
Forgive and Forget?

By PAUL KRUGMAN
Published: January 15, 2009

There’s much, much more. By my count, at least six important government agencies experienced major scandals over the past eight years — in most cases, scandals that were never properly investigated. And then there was the biggest scandal of all: Does anyone seriously doubt that the Bush administration deliberately misled the nation into invading Iraq?

Why, then, shouldn’t we have an official inquiry into abuses during the Bush years?

And to protect and defend the Constitution, a president must do more than obey the Constitution himself; he must hold those who violate the Constitution accountable. So Mr. Obama should reconsider his apparent decision to let the previous administration get away with crime. Consequences aside, that’s not a decision he has the right to make.
http://www.nytimes.com/2009/01/16/opinion/16krugman.html?partner=permalink&exprod=permalink
アメリカの新大統領が、前政権時代の不始末を追及するつもりがないといったことに対してクルーグマンは怒っています。

しかし、アメリカの大統領は素晴らしい年金生活が約束されているようですね。
For Immediate Release Jan 16, 2009
For Further Information, Contact:
Peter J. Sepp, Natasha Altamirano, (703) 683-5700
Golden Years to Bring Golden Pension Payout of $5.6 Million to Bush, $3.2 Million to Cheney, Taxpayer Group Finds

NTU calculates that George W. Bush will draw a Presidential pension that will start at $196,700 per year, and would add up to $5.56 million over his lifetime, should he live to be 83.5 years old, the age predicted by actuarial tables for a male born in his year. All former Presidents receive a pension for life immediately upon leaving office, linked to the current salary of Cabinet Members (which often rises).

Dick Cheney's service as a Representative and Vice President (presiding officer of the Senate) would count toward a pension under Congressional rules, which are more generous than those that apply to most other federal employees. His service in other various Executive Branch posts is calculated under a different formula. All told, Cheney’s career in government entitles him to an estimated pension equivalent to $132,451 per year (which is regularly adjusted for the cost of living). According to his predicted life expectancy (84.4), Cheney could accumulate an inflation-compensated lifetime retirement benefit of $3.24 million.
http://www.ntu.org/main/press.php?PressID=1084&org_name=NTU
全米納税者連盟が、ブッシュ大統領とチェイニー副大統領が受け取ることになる年金がそれぞれ、556万ドル、324万ドルになると試算しています。

GAO(会計検査院)は、この点に関して余り積極的な調査をしていないと指摘しています。
なお、元大統領等の職にあった人にはシークレット・サービスによる終身警護がつくわけですが、そのコストはここにカウントされていないのは当然ですが、膨大になるんでしょう。

もう一度クルーグマンですが、アメリカは日本と同じになると。
January 16, 2009, 2:02 pm
The TIPS spread

But there are new worries. These days I’m looking at the TIPS spread: the difference between nominal US bond rates and rates on Treasury Inflation-Protected Securities. This spread is an indicator of expected inflation. And what it shows isn’t good.

Bear in mind that the Fed tries to keep inflation expectations “anchored.” Too low is as bad, or worse, than too high — because if expected inflation is low or negative, even a zero interest rate isn’t that good a deal, and the Fed may have a hard time booting us out of a recession. Normally the Fed wants expected inflation to be in the 2-2 1/2 percent range.

Whoops.

More and more, this looks like a Japan-type trap.
http://krugman.blogs.nytimes.com/2009/01/16/the-tips-spread/
要するに、世界的に急速な信用収縮が起こっていて、流動性のわなにはまり、どうやって抜け出せばいいのか誰にもわからんということですね。

いずれにしろ、アメリカの過剰消費に頼るスタイルは終焉を迎えたのではないかと思うのですが。

新聞等で、政府の昨年12月24日の閣議決定の税制改革中期プランをめぐって与党内でももめているという話がでています。
財務省所管の財政制度審議会が定額給付金止めろという始末ですし。

先週、このあたりを書きかけ、ほったらかしになっているのですが、少しまとめつつあります。
エーット、民主党税制抜本改革アクションプログラム-納税者の立場で「公平・透明・納得」の改革プロセスを築く-にも問題があるように感じます。それも少なからず。

アメリカで税金を払っていない巨大銀行に税金を注入することの当否は、というわけですね。
U.S. Subsidiaries in Offshore Tax Havens

By LYNNLEY BROWNING
Published: January 16, 2009

Many of the largest United States corporations, including big banks now receiving federal bailout money, operate scores of subsidiaries in offshore tax havens that may let them evade or defer their tax bills, according to a government study released Friday.

The study, by the Government Accountability Office, singled out Citigroup as having 427 subsidiaries in offshore havens like the Cayman Islands, British Virgin Islands and Switzerland. Bank of America has 115 subsidiaries in offshore havens, while Morgan Stanley has 273, the report said.
http://www.nytimes.com/2009/01/17/business/17tax.html?partner=permalink&exprod=permalink
GAOが金曜に公表したリポートによると、アメリカの複数の大銀行が海外子会社を使って租税回避をしていたというわけです。
シティグループが427の子会社をケイマン諸島等のタックス・ヘイブンに作っていた。バンカメが115、モルガン・スタンリーが273、それぞれ同様の子会社を利用して租税回避をしていた。

まあ、日本でもバブル崩壊後、法人税の青色欠損金の繰越期限が7年になり、大銀行はこの10年来税金を払っていないということになるはずです。

で、GAOのリポートのサマリーです。
International Taxation: Large U.S. Corporations and Federal Contractors with Subsidiaries in Jurisdictions Listed as Tax Havens or Financial Privacy Jurisdictions
GAO-09-157 December 18, 2008

Summary
Many U.S. corporations operate globally and have foreign subsidiaries. The subsidiaries may be created, for example, to take advantage of sales opportunities or favorable labor conditions. In some cases they may be used to reduce taxes. GAO was asked to update its 2004 report on large federal contractors with subsidiaries in countries sometimes called tax havens because of low taxes and a general lack of transparency. In response, GAO determined how many of the 100 largest publicly traded U.S. corporations and the 100 largest publicly traded U.S. federal contractors have subsidiaries in jurisdictions listed as tax havens or financial privacy jurisdictions. GAO (1) combined three lists of such jurisdictions created by governmental, international, and academic sources and (2) identified large publicly traded U.S. corporations and federal contractors and the locations of their subsidiaries using the Fortune 500 list, a federal contracting Web site, and a Securities and Exchange Commission (SEC) database.
http://www.gao.gov/products/GAO-09-157
このサマリーでは、銀行等に限らず米国の大企業全体のタックス・ヘイブンを利用した租税回避について述べています。
全文テキストは、こちらhttp://www.gao.gov/new.items/d09157.pdfです。

グローバリズムというのは結局、課税回避のできる大企業、富裕層にとってはチャンスですが、言語、習慣、宗教等によって属地性が強い普通の個人にとっては、指をくわえてみているだけですね。
弾けたといってとばっちりだけ受ける。

しかし、タックス・ヘイブンにある留保所得を非課税で還流させようというのが政府自民党の閣議決定にもありましたし、民主党のアクションプログラムにもありました。
世界中で資金ショートが起きているので、課税強化すべき時期なのかどうかとは思いますが、ブッシュ政権が終焉を迎えると同時に、アメリカの舵は少し、切られているように見えるのです。

ただ、クルーグマンが難じているように、現下の経済危機脱却最優先ということだけを目標にして、結果的に前と同じことを繰り返すのか、きちんと責任を取るべき人間に責任を取らせるか。
マモンを唯一神とする世界は、一旦、後退するようには思えますが、人間は物忘れが上手ですからね。
by nk24mdwst | 2009-01-17 12:29 | 租税法(アメリカ)

who's free?

今日も、寒いです。仕事場でコートを着ている有様で。

故ロバート・パーマーがDuane Allman についてNew York Times に書いた記事をみつけました。過小評価されているというのですが、1989年’Dreams'のボックスが出たときの記事ですね。
RECORDINGS; A Band That Gave An Age of Excess A Good Name

By ROBERT PALMER; ROBERT PALMER, A FORMER TIMES MUSIC CRITIC, IS WORKING ON A BOOK ON THE ORIGINS OF ROCK-AND-ROLL.
Published: June 25, 1989

THE FILLMORE EAST, A DILAPIdated old vaudeville theater on New York's Lower East Side, was host to more than its share of unforgettable rock-and-roll shows during its heyday in the late 60's and early 70's. The promoter, Bill Graham, usually herded soon-to-be-legendary bands on and off the stage with an almost military punctuality, but when the Allman Brothers Band was performing, even Mr. Graham stopped watching the clock. When the Allmans really felt like playing (and they usually did), he would often announce that he was locking the doors of the auditorium, and that anyone who had to leave should do so. Then the Allmans would play on through the night - and often into the morning.

Those years marked the beginnings of rock's age of excess: 30-minute guitar solos blasting through mountainous stacks of Marshall amplifiers, meandering three-hour blues jams. Of all the rock bands that were then essaying extended improvisations, the Allman Brothers Band was arguably the only one that consistently justified long group and solo jams with unflagging musical creativity. The late Duane Allman, the band's extraordinary lead guitarist, had a great deal to do with making those shows special. But the entire group played with a teamwork and camaraderie that were the exception rather than the rule in those years of rampant bombast, ego and flash.
http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=950DE2D81431F936A15755C0A96F948260&sec=&spon=&partner=permalink&exprod=permalink
個人的には、どうかなと思う部分もありますが、メモ用に。
EC, Page は、そんなに偉いか。これは、その反射としてデュアン・オールマンもそんなに偉いか、凄いかという話になってしまいますが。

忘れないうちに。現在のABBは、Derek Trucks とWarren Haynes がツイン・リードというスタイルです。彼らはどちらも上手いし、個性もあって悪くない。ちゃんとデュアンのスタイルも自分のものにしてさらに自分のスタイルを築いたなんて思うわけです。

ただ、考えてみると1971年のABBは、平均年齢24歳になっていないはずなんですね。
童顔のデレク・トラックスも30代後半ですし、ウォーレン・へインズは40代後半。そりゃ、まともに演奏してなきゃおかしいよという感じです。
1970年前後のABBの疾走感は、異常です。

当時の彼らの演奏を振り返ってみると、デッドの影響がかなり大きいのだなと思います。そして、1970年ごろのデッドはまだ絶頂期にいたっていなかったとしても、たいした水準の演奏をしていたと思いますね。

FZやCBもそうだったと感じますけど。

以前、スイスの銀行であるUBSが米国で違法とされるタックス・シェルターを提供していたという話を紹介しました。その続報です。逃亡者というか指名手配まで出ちゃったようです。
Executive at UBS Is Deemed a Fugitive

By LYNNLEY BROWNING
Published: January 13, 2009

The executive, Raoul Weil, 49, a Swiss citizen, oversaw UBS’s lucrative cross-border private banking operations from 2002 to 2007. His whereabouts are unknown.

The development is a blow to UBS and is likely to complicate its position before federal prosecutors, who are conducting a criminal investigation into whether the bank deliberately allowed up to 20,000 wealthy American clients to hide $20 billion in secret offshore accounts, thereby evading $300 million a year in income taxes.
http://www.nytimes.com/2009/01/14/business/14ubs.html?partner=permalink&exprod=permalink
UBSの国際個人投資部門の責任者が行方不明になっちゃった。

それに対しこっちは釈放されて、結構危ない橋を渡っているやつです。
Judge Allows Madoff to Remain Free on Bail

By DIANA B. HENRIQUES
Published: January 14, 2009

The disgraced financier Bernard L. Madoff, confined for weeks to his Manhattan apartment under 24-hour guard, got a chilly outing to the courthouse on Wednesday — and, after a federal judge refused to revoke his bail, it was a round trip.
http://www.nytimes.com/2009/01/15/business/15bail.html?partner=permalink&exprod=permalink
ホワイト・カラーの犯罪でも片やお尋ね者、片や、24時間監視体制でアパートに封じ込めですか。

マドフ(メイドフと発音するようですが。)氏のポンジー・スキームの被害者だというファンド・マネージャーに対して、そんなことを今頃言っても遅い、お前らも同じ穴の何とかだろうと。
Inquiry Started of Financier Who Invested With Madoff

By LESLIE WAYNE
Published: January 15, 2009

J. Ezra Merkin, a New York financier, wrote his investors last month that he too was shocked by the news that Bernard L. Madoff’s hedge fund was an elaborate Ponzi scheme.
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Pool photo by Eliana Aponte

In 2006, J. Ezra Merkin, right, was in Jerusalem with Ariel Sharon, left, the Israeli prime minister, and Ehud Olmert, then finance minister, as the sale of a stake in Bank Leumi was completed.
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But not everyone sees him as a victim. The New York attorney general, Andrew M. Cuomo, has issued subpoenas in an effort to determine whether Mr. Merkin had defrauded universities and charities when he invested their money with Mr. Madoff, a person with knowledge of the case said Thursday.
http://www.nytimes.com/2009/01/16/business/16madoff.html?partner=permalink&exprod=permalink
結局、ねずみ講スタイルで、メイドフはそもそも株式投資なんか一切していなかったのではないかということのようです。
しかし、このいんちきファンドに、有名ファンドがこぞって投資していたというんだから。

でも、結局、1980年代からこちら、何回アメリカはこの手のバブルをやりましたっけ。

ボルカー(今度復帰するそうですが。)がFRB議長のとき、スタグフレーション退治のために高金利政策をやりレーガンのドル高政策につながるわけです。
これで、アメリカの製造業は競争力を失ってしまいます。一方、米ソは、宇宙戦争競争をやって、アフガンの問題もありソ連が脱落、1989年のベルリンの壁崩壊につながるわけです。

この間1985年のプラザ合意でドル高を止めて一転、ドル安政策になるのですね。
ここまでの間に、アメリカでは貯蓄信用組合(S&L)破綻の問題とか、ジャンク・ボンドの破綻とか起きるのですね。不動産バブルと株式バブルもおきます。

円高(ドル安)に対抗するため日本の財政当局は急激なドル買い・円売りの介入、低金利をやるわけです。バブルの温床が作られた。
そこへ、1987年のブラック・マンデーが起き、日本で金融引締めをするわけにいかなくなりバブルがさらに膨らんだ。

結局これが弾け、日本の金融当局の現状認識の甘さ、先送り体質が自体を悪化させ、最後にはゼロ金利を取るも流動性のわなにはまってしまいLost Decade となるわけです。
このとき、アメリカのクリントン政権は上手くアメリカの赤字を日本に付け替えることに成功するのですね。そしてITバブルとかをやる。

次々に新たな手口で前より大きなバブルを作っては見るものの、必ず臨界点が来るのですね。

Freedom ってBill Champlin が叫んでいます。
by nk24mdwst | 2009-01-16 17:32 | 音楽

chilly wind's blowin'

室内でも相変わらずコートを着て机に向かっているという状態であります。

今日は、Fで始まる曲のオン・パレード。

Farther Along がさっきからなり続けています。
なぜか、David Grisman が最初でしたが。

The Byrds のヴァージョンも当然、あります。Clarence White がリード・ヴォーカルなのですね。
クラレンス・ホワイトの葬儀で棺を担いだGPたちが歌ったのはこの曲です。
今は、GPの声が聞こえます。

冬はやっぱりブルー・グラス?!

しかし、Dillards、Kentucky Colonels なんかに比べるとNew Grass Revival は新しい。ハーモニーはEagles 以後のスタイル。

1975年以後のアメリカのヴォーカル・ハーモニー・スタイルは、何といっていいのかわかりませんが、支持者が沢山いらっしゃるとは存じますが、ちょっと私の好みではないような気がします。

Jim Gordon のドラムをバックにDillards がやっているあたりが限界ですね。Souther-Hillman-Furay Band はドラムにだけ耳を傾ける。

恥ずかしながら、私の場合、Time Between をカーステレオで聞いていて、The Byrds を発見しました。このドラムは、ジム・ゴードン、ギターはクラレンス・ホワイトだって。どこがバーズか。
バーズそのものだということですが。

昨日から再認識しているのは、Paul Butterfield が悪くないなと。当たり前か。

いわゆるシャッフルじゃなくても、ウォークマンに入れた曲をアルファベット・オーダーで聞いてもシャッフルと同じで脈絡なく曲が出てくるわけです。
ただ、同じ曲は、色んなアーティストの色んなヴァージョンが出てくる。

CD が終わったら入れ替える手間が省けてよいというか、なんというか。

クラレンス・ホワイトのアコギのソロ・ヴァージョンが出てきました。
真面目に音楽を聞く元気がなくなったのかなと思います。

Sierra からクラレンスの新譜を発送しましたというメールが来てから3週間になるような気がします。

最近は物忘れがひどいのですね。だから例えば好きなギタリスト・ベスト・テンなんて別にそれ自体には何の意味もないことですが、あげてみようと思うと、ギタリストの名前が10人思い浮かばない。
でも、アトランダムに曲を聞いていて、このドラムは、このギターは、〇〇だって気がつくときは気がつくのですね。

連邦制度というのは厄介なものだなと思います。
Some States in a Pinch May Raise Gasoline Tax

By KATE GALBRAITH
Published: January 13, 2009
Several states are considering the rare step of raising gasoline taxes to help fill growing budget gaps and potholed roads.

Politicians in California, Massachusetts, New Hampshire, Illinois and Oregon, for example, are introducing bills that would raise gasoline taxes for road and bridge repair, as state legislatures around the country begin their new sessions.
http://www.nytimes.com/2009/01/14/business/economy/14gastax.html?partner=permalink&exprod=permalink
連邦政府が減税で景気刺激策をとろうとしても、同様に財政赤字に苦しむ州政府はガソリン税等の税金を増税するということで補填せざるを得ない。
連邦政府の景気刺激策は、州政府レベルでは増税があって減殺効果が出るということになりますね。

同じ連邦制度といっても、ナチの呪縛から逃れるためのドイツの連邦制度と独立戦争、南北戦争に起源を持つアメリカの連邦制度は根本的に違うのですね。

租税制度に関していえば、付加価値税率の異なるEU加盟諸国間における国際取引における課税と同じレベルの問題として、アメリカにおいては州間取引と売上税の個々の州の課税権を考えるべきなのですね。

なお、連邦政府のガソリン税も引き上げられるようです。

アメリカの州税は魔窟なのでガソリン税の態様、用途等については、踏み込めません。

ジョージア州の例をあげてガソリン税を引き上げたら結果的に税収が減ったなんてことも書いてありますが。

Highway Trust Fund を通じて、連邦政府は、全米のハイウェイ網の整備をしているようですが、ここも財源難であるようです。

海の彼方で爆弾落とさずに、地道に自分の国の道路の整備をしたらいいのに、アメリカも。

あと、ブッシュ政権の遺産税(Estate Tax)を無くすとした2001年法もどうなるんでしょうね。

海の彼方の税制じゃなくて此方の税制その他問題を考えろ・・・とはいうものの、この国は、自動操縦状態で滑空しているだけですよね、今。
エンジンのスイッチは切れているから、滑空が続いていてもいずれ墜落するはずですが。

右肩下がりはどこかで水平飛行に移らないと必ず墜落、ゼロ地点に到達するということです。

Fly Jefferson Airplane, get you there on time.

古きよき時代の歌ですね。

ブルー・グラスがいっぱい続いた後、Fire On The Moutain なんてのを挟んで、なぜか、さっきからCaptain Beefheart の連発です。
Trout Mask Replica もちゃんと聞けるようになったのは、進歩なのか変になったのか。

次期財務長官候補のガイトナー氏をめぐる税金の問題ですが、議会はお目こぼしをするようです。
Geithner’s Skill May Trump Tax Issue

By JACKIE CALMES
Published: January 14, 2009
WASHINGTON — If Timothy F. Geithner were a bank, he might well be considered “too big to fail.”

The controversy over his taxes, as it happens, goes to the one area where Mr. Geithner has the least experience, despite serving 13 years at the Treasury Department: domestic tax policy.

Mr. Geithner, 47, rose from a lower-level civil servant at the department at the end of Ronald Reagan’s presidency to under secretary for international affairs under President Bill Clinton, then was a director of the International Monetary Fund before becoming president of the New York Fed in late 2003.
日本でもそうでしたが、大きすぎて潰せない銀行というのがありました(あります)。
ガイトナーはそれ同じだと。つまり、現下の経済危機においては彼以外に適材が無いから、税金問題は些細なことなんだそうです。意地悪な議会がそういっているんですね。

13年間も財務省にいたのに自国の税制に疎いという弱点がみつかったと皮肉っています。
Mr. Obama, who spent four childhood years with his mother in Indonesia, asked Mr. Geithner about his own early years in India and then Thailand as his father oversaw Asia development programs for the Ford Foundation.

What neither man knew at the time, but the foundation has confirmed, is that Mr. Geithner’s father, Peter F. Geithner, oversaw a program that Mr. Obama’s mother, Stanley Ann Dunham Soetoro, had worked on. The two may even have met in Jakarta.
http://www.nytimes.com/2009/01/15/us/politics/15geithner.html?partner=permalink&exprod=permalink
アメリカの次期大統領は幼少期を母親に従ってインドネシアで過ごしています。研究者だったと聞いていますが、そのプロジェクトの資金はフォード財団から出ていて、ガイトナー氏の父親がそのプロジェクトの責任者だったのだそうです。

世間は、狭いですね。次期大統領の母親とガイトナーの親父さんがあったことがある可能性が高いですって。
もちろん、誰も今日の状況を予想なぞしているはずは無く?!

フォード財団というのは基本的には保守派だった記憶しているのですが。

ブッシュ・シニアが爆撃機パイロットをしていて、太平洋戦争末期に洋上で撃墜されているのですが、その救助された模様というのがこれまた記録映画で残っていたりするのですね。
by nk24mdwst | 2009-01-15 13:06 | 租税法(アメリカ)

it's raining and cold

雪が雨に変わっても寒いです。
世間は、もっと寒い。

しかし、I.R.S.を所轄する財務省の長官になる人間が過少申告していたというのは、やはり、拙いでしょうね。
ティモシー・ガイトナー氏が財務省長官になる予定なのですが。
Geithner Questioned on Tax Returns

By JACKIE CALMES
Published: January 13, 2009
WASHINGTON — Timothy F. Geithner, President-elect Barack Obama’s choice for Treasury secretary, failed to pay more than $34,000 in federal taxes over several years early this decade, and also faces questions about the employment papers of a former household employee, suddenly complicating what had seemed to be an easy confirmation process in the Senate.

The underpayments all involve Mr. Geithner’s income as a senior official at the International Monetary Fund from 2001 to 2003, including a small payment in 2004 after he had left. Mr. Geithner worked there after leaving the Treasury, where he had risen to under secretary for international affairs in the Clinton administration, and before becoming president of the New York Fed, a post that has put him at the center of the economic crisis.

The I.M.F., as an international organization, does not withhold payroll taxes for Social Security and Medicare from its American employees’ paychecks. Those workers are required to pay the roughly 15 percent tax themselves, as if they were self-employed.
http://www.nytimes.com/2009/01/14/us/politics/14geithner.html?partner=permalink&exprod=permalink
ガイトナー氏自身が税金を過少申告していて延滞税を含めて2001-2004年分の税金として48,268 ドルを払ったことが明るみに出て、議会の公聴会で問題となりそうだというわけです。
もう一点、彼が雇っていたハウスキーパーに対する税金の問題もあるのですが。

アメリカでは、I.R.S. は社会保障及びメディケアに充てるためのペイロール・タックスを雇用主に課税しています。雇用主は、このペイロール・タックスを源泉徴収するということです。

ガイトナー氏の場合、問題となっている期間の課税漏れというのは、氏がI.M.F.の上級職員だった時期のペイロール・タックスに関わるものがほとんどだと報道はいっています。

I.M.F.のような国際機関は、例外的にこのような源泉徴収義務を負っていないのですね。その代わり、職員に対してペイロール・タックス相当額を支給し、I.R.S.にそれを当然報告している。
職員の方は、このペイロール・タックスに関しては、自営業者のように自己申告して納付するシステムになっているようです。
これの申告をガイトナー氏は忘れた。同氏の顧問会計士は、申告不要といったようですが、I.R.S. の調査により修正しているということです。

まあ、課税当局の元締めである財務省の長官に税金の過少申告があったとすれば、やっぱり拙いですよね。それと、ガイトナー氏は、基本的に、I.M.F.を辞した後も、クリントン政権とかニュー・ヨーク連銀といった公職にあったわけで。

ただ、やっぱりアメリカの税法は難しい。

このペイロール・タックスの源泉課税の問題で私が思い出したのは、日本のアメリカ大使館に勤務する人たちの多くが長年無申告であったのが課税され、裁判になった一連の事件です。

国際機関や大使館というのは国内にある外国なので課税に関しては難しい問題が起きるのはわかりますが、素人じゃないんだから。

リチャードソン氏でも味噌が付いたし、なんとなく、先行き、どうなるんでしょう。

Change といった割に、古顔を集めたのが良かったのか悪かったのか。
100日の蜜月なんてことにならないような気配です。

えーっと、日本の民主党の税制改正大綱には歳入庁構想、つまり、国税と年金などの社会保険料、雇用保険等を一括で徴収するアメリカ・スタイルの話が出ています。

それから、政府の閣議決定がいう、金融所得の一体課税、日本的二元所得税といってもいいですが、それと給付付税額控除(民主党もいっていますが、負の所得税です。)は、納税者番号制度の導入が大前提とされているわけですね。
それと、消費税率を二桁に上げたときに、透明性の確保という名目でインボイスを導入という話になるのだと思いますが、そのときの事業者番号と納税者番号制度もリンクするのでしょう。

基本的に民主党の主張もそれほど政府自民党の主張と変わらないところが何と申しましょうか。

夕べは何を聞いたか、覚えていません。

今は、Leo Kottke が聞こえています。最近、Captain Beefheart は上手な歌手で、Magic Band の演奏もオーソドックスだなと感じる私はきっと変なんでしょう。

Greg Allman よりキャプテンのほうが、歌は上手いと思ったりして。

以前、アマゾンやアップルの音楽ダウンロードに対する売上税の課税について書きました。
要するに、ウェブを通じたダウンロードに課税するためには新たな立法が必要だという話だったわけですが、それ以前に、州税における売上税(Sales Taxes, Use Taxes)に対する課税権の問題自体が争われているのですね。
January 13, 2009, 5:45 pm
Court to Amazon: Keep Collecting Sales Tax
By Saul Hansell
If you live in New York and shop at Amazon.com or other online stores, you are going to have to keep paying sales tax on what you buy. Amazon, the country’s largest online retailer, started collecting sales tax on shipments into New York last summer to comply with a state law. But it also sued the state, claiming the law was unconstitutional.

On Monday, a state court rejected Amazon’s claim, and backed the tax.
http://bits.blogs.nytimes.com/2009/01/13/court-to-amazon-keep-collecting-sales-tax-to-new-yorkers/
アメリカの州税(州以下の自治体レベルでも課税されていたりしますが)である、小売売上税は、小売価格に税額を上乗せし、小売業者が納税義務を負うというスタイルです。
州税レベルは勉強不足なので必ずしも正確な表現ではないかもしれませんが、理念的にはこの売上税(消費税)の納税義務者は、その商品等を購入(使用)した人であるということで、業者は税額相当分を預って納付するということです。

この小売売上税は、州税ですからその州において購入、使用されることが前提なのですね。で、通常は、その州において販売、あるいはサービス(役務提供)をするのは、その州にある業者であるということです。

ここでアマゾンのようなウェブを使った通信販売についてどうなるかという問題が生起しているようです。昨年の夏から、ニュー・ヨーク州民に対して商品を販売した場合、アマゾンは州税を上乗せして販売することを要求されているとのことです。
ニュー・ヨーク州のSales Tax の条文を確認していませんが、
Amazon has no office or facilities in New York. But the state asserted that its affiliates — operators of Web sites that earn commissions for sending Amazon customers — represent operations in the state.
、つまり、アマゾンは同州に販売拠点その他の施設は一切有していないので、売上税を徴収する義務はないという主張なのですが、ニュー・ヨーク州は、同州に多数いるアフィリエイトが販売拠点だとみなして課税の根拠にし、訴訟になったようです。
この訴訟はニュー・ヨーク州の最高裁で州側の主張が認められました。
判決文はここです。

現下の各州の財政状況を見ると、この判決の波紋が大きくなると見てこの訴訟でアマゾンと一緒に訴訟に参加したOverstock.com は、この事案を連邦最高裁に上訴する方針であるようです。

ガイトナーが下らない申告ミス(故意か不注意か知りませんが)なんかしているなんて話より、こちらの方がはるかに重要性が高いですね。
それと、アメリカのSales Tax 等について勉強しないと。といっても、底なしの泥沼にはまるだけですが。
by nk24mdwst | 2009-01-14 14:37 | 租税法(アメリカ)