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2010年 04月 29日 ( 1 )

vatman returns

木曜は、ごみ出しの日。例によって、朝は、雨。
雨は、上がったものの、風は冷たい。
水を張られた田から聞こえるのは、カエルの鳴き声。こんなに気温が低くて、例年通りの田植えができるんだろうか。

ヴォルカーって、アメリカにとっていいことを何かしたんでしたっけ。
Former Fed Chief Dampens Talk of a Tax
By JACKIE CALMES
Published: April 28, 2010

WASHINGTON — Paul A. Volcker, the former Federal Reserve chairman who recently incited speculation that the Obama administration would propose a European-style consumption tax to reduce deficits, on Wednesday said the idea was too unpopular to be under consideration “now or for the indefinite future.”
http://www.nytimes.com/2010/04/29/us/politics/29fiscal.html
スタグフレーションのアメリカでFRBの議長になった彼は、強力な高金利政策でインフレを押さえつけることには成功しましたが、その代償は、ドル高によって、アメリカの製造業が国際競争力を失ったことでしょう。
アメリカの豊かな中流階層の崩壊のきっかけを作ったわけです。
日本の低賃金労働者と競争させられることになったからですね。
全ての始まりは、この辺りにあるはずなのですが、とにかく、ニューヨークタイムズの記事に話を戻すと、大統領の経済諮問会議委員長をしている彼は、財政赤字削減のための増税案としての付加価値税(VAT)導入の可能性について述べています。
以前、VAT導入の可能性を示唆していたヴォルカーですが、支持がないので現在ないし当分の間検討されないだろうと発言しています。
大統領の方は、導入を前提としてはいないが、VAT導入自体は、選択肢として残しておくというどこかの首相みたいな曖昧な言い方です。

どこかの国の市民運動出身の財務大臣は完全に財務省の走狗になってしまい、DPJは、マニフェストウに、消費税を含む抜本的税制改革をうたいそうですけどね。

少なくとも、国ないし連邦レベルの付加価値税を持たない国は、アメリカしかないわけで、1986年以来の付加価値税論議があるということは、注目しておくべきでしょう。

保守派、共和党筋は、とにかく大きな政府と財政赤字拡大につながる放漫財政を嫌ってVAT反対論であるのですね。水平的公平論から言えば金持ち優遇だって議論をしないので、変だなと感じているわけです。
大きな政府による経済への干渉は、アメリカの自由な経済を阻害するということなんでしょうね。一般に、付加価値税は、経済に中立的だと経済学者や財政学者、世間を知らないから言うのですけど。

保守派から当然だと思われるVAT容認論が出てきました。
The Case Against The VAT
Bruce Bartlett, 04.23.10, 06:00 AM EDT

In a previous column, I explained why I think it would be desirable for the United States to adopt a value-added tax. In a nutshell, I think it's impossible to cut spending enough to forestall a fiscal crisis, that taxes will eventually be raised a lot, that it would be economically debilitating to raise income tax rates as high as would be necessary to get the necessary revenue, and that a broad-based consumption tax such as a VAT would be much less damaging to the economy than very large budget deficits.
http://www.forbes.com/2010/04/22/vat-taxes-economy-opinions-columnists-bruce-bartlett.html
危機的財政赤字削減のための歳出削減には限界があるから、大規模増税は不可避だという前提に立ち、できるだけ経済的に中立な税による増税によって財政赤字を減らすしかないといっています。よくわかっている人で、所得税負担をできるだけ少なくするということも条件にしています。Forbes のコラムだから、当然の主張でしょうね。
付加価値税システム自体については、かなりまともな議論をしていると思います。財政学の主流の考え方だと思います。
主流だからそれが正しいと私は、思いませんが。
しかし、謙虚なので感心します。
既に、世界中で色んな付加価値税が導入されているからそれを研究して、もっとも効率的なシステムを導入しましょうって。

Bruce Bartlettのコラムを教えてくれたのは、これです。
April 23, 2010, 11:15 am
A Value-Added Tax and the Poor
By DAVID LEONHARDT

Bruce Bartlett is more worried about middle-class and poor families not paying taxes than I am. But his latest Forbes column — about a value-added tax, or VAT — makes an important point:
http://economix.blogs.nytimes.com/2010/04/23/a-value-added-tax-and-the-poor/
David Leonhardt氏は、よく解っているのか解っていないのか。解ったつもりの馬鹿者かな。
金持ち雑誌のフォーブズのコラムが、付加価値税の逆進性を問題にしているのに、消費に課税するから貯蓄を奨励する付加価値税は好ましいって結論にどうしてなるんだろうと。特に、こんなデータ示してくれているのに。
April 13, 2010, 8:56 pm
Taxing the Rich, Over Time
By DAVID LEONHARDT

My column this week notes that tax rates on the affluent have fallen more in recent decades than tax rates on other groups. Here are the details:
http://economix.blogs.nytimes.com/2010/04/13/taxing-the-rich-over-time/
議会予算調査室のデータを下にした、所得階層別の所得税の適用最高税率の推移のグラフは、実に、劇的な変化を示しています。
特に、所得上位0.01%の税率の推移ですね。60年代半ばに70%ほどだったものが徐々に下がり、80年を境にして、40%程度にまでなり以後、漸減し続けています。クリントン時代を除き、二度のブッシュ政権時代において、下がり続けているわけです。
上位1%の適用税率も同様に下がっているのですが、それよりも上位0.01%の方が下がり方が大きい。
そして、連邦税収全体に占める所得階層別の納付税額割合は、税率の低下にもかかわらず、上位0.01%については、1979年の2.7%が2005年には6.5%になっている。さらに、上位1%については、同じ期間において、15.4%から27.6%に増加しているのです。
税率ではないのですね。上位のものほど、稼ぎが多くなっているということです。
こういうデータを示しながら、付加価値税が貯蓄を推進するなんていうのは太平楽としか言いようがないですな。

ボルカー、レーガン・コンビの規制緩和政策の帰着がこれで、平均的アメリカ人の生活水準は上がっていないにも拘らずこういうことになった。

強力な高金利でドル高政策を採りインフレを抑えた代償として、アメリカの製造業は、壊滅的な打撃を受けたのですね。日本の低賃金労働にやられたわけです。
一方で規制緩和、撤廃のせいで、貯蓄信用組合(S&L)の不良貸付とその後始末に公的資金がつぎ込まれ、ジャンク・ボンドで大手証券会社が潰れトイうのが80年代の結果です。
景気刺激策として戦争を始めてみたけど、湾岸戦争が終わって、景気が悪くなるサイクルと選挙が重なったのでジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュは二選を果たせなかった。

クリントン時代に、また強力なドル安低金利政策を採るおかげで、財政赤字は解消に向かうのですが、その代償は、日本経済が支払ったわけでしょう。今に続く、デフレです。

そのあと、また、S&Lの不動産貸付とジャンク・ボンドを合わせて、証券化し、誰にも訳のわからんものにして世界にねずみ講をはびこらせたのが、ジョージ・ウォーカー・ブッシュ時代のアメリカのFRB、財務省とウォール街というわけですか。

名前失念しましたが、今朝の日経でインタヴューに答えていた30歳の経済学者と称するお兄ちゃんが、「いまや経済学には何でもできるツールがあるから、日本の政府もそれを用いるべきだ」発言には、開いた口がふさがりませんでした。

昨日、苦い思いで読んだ本と同じ感想です。知らないことは幸せだ。

Britta Sweers著のElectric Folk: The Changing Face of English Traditional Musicという本です。John French の本に負けないくらいポイントの小さな字でしたが、斜め読みが直ぐにできました。
Ms. Sweers のPh.D論文を下にしたものだそうですが、とほほの内容でした。

Lieg & Leef が録音された年に生まれたという書き出しからいやな予感がしたのです。Fairport Convention や Pentangle に興味を持ったのは、Enya のおかげなのだそうで、それも発見したのは20世紀の終わりごろだというわけです。私は、この本に登場する人物に直接あって話をしたことはないですけど、引用されているバイオグラフィーとかインタヴューは、ほとんど持っているものや読んだことがあるものばかりでした。
音楽の評価については、個人的な好みもあるし、一応、この本の著者が生まれた頃には、Bert Jansch のギターのコピーをしたりはしてましたからね。

昨日、半分冗談で、我々の世代が知っている音楽も消えても発見されるだろうと未来形で書いたのは間違いで、みんな知らないのだと認識いたしました。
悪口は言いたくないですが、ビブリオグラフィ、ディスコグラフィとしても不十分なので、これで論文が下ですっていえるんでしょうか。
by nk24mdwst | 2010-04-29 17:07 | 租税法(アメリカ)