2009年 12月 18日 ( 2 )

no one's immotal

不死の人間はいないわけですが、税金は死なず。しかして、死に対する税金、要するに相続税はどうあるべきか。
これは、まあ、日本でも問題になっているわけですが。

アメリカの相続税に対する反対運動は、1990年代半ばに大きなうねりを見せ、それをうけて2000年に当時のブッシュ政権は、2010年に相続税廃止を決定したわけです。
しかし、時代は変わり民主党政権になり、相続税を存続させようということなのですが、そのための立法がまだできないので、矛盾が現れてきているというわけです。
Estate Tax Is Expiring, but Death Won’t Last

By CARL HULSE
Published: December 17, 2009

WASHINGTON — A Congressional tax standoff has opened a window of opportunity for wealthy Americans determined to avoid paying up post-mortem.
http://www.nytimes.com/2009/12/18/us/politics/18cong.html
具体的に、どんな矛盾か説明しろといわれそうですが、記事を読んでねというか。

とにかくみつけたときに貼り付けておかないと、後で調べようと思うときに困るということを最近痛感しているので。

現状では、2010年に限って相続税がなくなり、そのあと、また復活するという具合になる。あと、相続した資産を譲渡した場合のキャピタル・ゲイン課税等についても手当が適切になされないと、不合理なことになる。
宿題です。

ポストのアメリカの地方税と地方政府(jurisudiction)の問題について、指摘した記事があったのですが、貼り付けておかなかったので、みつけられません。まあ、時間をかければ何とかなるんでしょうが。

アメリカの地方自治と地方財政の問題は、連邦、州、郡、市とか町や村という具合に単純に上下に並んでいるだけではないので、非常に複雑なのだということがわかる記事だったのですが。

シティコープに対する税制上の優遇に関して、上院の小委員会で異論が出ています。
Kucinich panel to investigate Citigroup tax ruling

By Binyamin Appelbaum
Washington Post Staff Writer
Friday, December 18, 2009

A House subcommittee said Thursday that it will investigate the Treasury Department's decision to change a long-standing law so that Citigroup could keep billions of dollars in tax breaks.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/12/17/AR2009121704347.html
シティコープの株価が下がったので連邦政府は、株の売却を見合わせているのですが、この問題がなぜ組織再編税制の問題になるのか。日本ではどうなのかは、別です。

まず、日本でもそうですがアメリカでも、法人所得課税において損失を繰り延べることができます。例えば、今期、200億ドルの赤字を計上した場合は、その損失(当然税法上の損失です)を繰り延べ、将来の利益200億ドルと相殺することができます。

組織再編というのは、会社の合併とか分割、吸収のことをいいます。

誰でも考えることですが、黒字の会社が、繰越損失を抱えた会社、あるいは、当期に大きな赤字を出した会社を吸収合併することによって、自社の黒字と、合併した会社の赤字を相殺できれば合法的な節税ができることになります。
これについては、日本もそうですが、アメリカでも当然、そんなことができないというルールが長年、ちゃんと立法化されているわけです。

ここから、今回のシティコープの話になります。シティコープは政府から出資を受けたわけです。そして、政府がその株式を市場で売却するということなのですが、アメリカの税法では、これは、株主の大規模な変動に該当するとして、このような場合においては損失の繰り延べができないということになっているわけです。
理由は、先に挙げた赤字の会社を吸収合併する場合の損失の相殺禁止と同じ考え方です。

これについて、特例的に今回、I.R.S.がシティコープに有利なルーリングを出したので問題視されているのです。

よくわかりませんが、アメリカは原告適格を日本より広く認めるので、これをシティコープに適用された場合には、クラス・アクション、納税者集団訴訟が起こる可能性もあるかもしれません。今、私が勝手に思いついたので、何の根拠もないのですが、I.R.S.が勝手に法解釈を変えたというか、新たな立法をしたという考え方も成り立たないわけではないので。

試験研究費に対する優遇税制に関してクラス・アクションが起こされたことがあり、一審、二審は納税者がかったのですが連邦最高裁でひっくり返ったという例もあります。ここで言う納税者というのは試験研究費に対する優遇税制の適用を受けた法人等ではなく、それらの法人に対する優遇税制により被害を受けたと主張する他の一般納税者なのです。

トヨタとかの税金が安くなった分、自分たちの税金が高くなったという主張をしたのです。
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by nk24mdwst | 2009-12-18 17:52 | 租税法(アメリカ)

the wind is strong and it's snowing

低く垂れ込めた空、稲光と雷、強い風に小雪が舞う。

今年は、暖冬じゃないなんて予報は言っていますが、まあ、当てにはなりません。年に一度、12月中にこんな日が必ずあるのですが、そのあと正月まで暖かい日がまたやってくるというのがこの10数年来の年末の天気です。

暖房のスイッチを入れました。外が2度を切っているので、やはり、暖房を入れようと。
何枚も重ね着をしているのですが、暖房は、やはり偉大です。暖かい。
しかし、ちょっと風が吹くと電車が遅れるのです。こんなところで新幹線、ちゃんと走るんでしょうか。

Drive-By Truckers とInsect Trust が決定的に違うのは、間にLynyrd Skynyrd の存在があることでしょうね。
ロバート・パーマーはHourglass 時代のDuane Allman を知っていると書いていましたが、Allmans とスキナードは、やっぱり決定的に違う。
まあ、暗いといえば暗い雰囲気の歌が多いのですが、パターソン・フッドは、真摯なミュージシャンなのだと、不真面目な私などは思うのです。
カーターが大統領になったころ、サザン・ロックが盛り上がったのは事実だし、その当時、政治的にも利用されたということもあります。フィル・ウォルデンはカーターの有力な支援者でした。

その後、レーガン時代になり、サザン・デモクラットがみな、共和党に宗旨替えをし、さらに、宗教右翼というか、バプティスト系の宗派が勢いを強める中で、閉塞感を感じた人々がいたわけです。この人たちの感情を歌っていると感じるのですね、トラッカーズは。

反面、ジョージ・ウォーカー・ブッシュ政権時代になって顕在化してくるのですが、南部における大きな所得格差、バブルの醸成の下地が作られていく。

みんなリーマンの話で忘れてしまったでしょうが、その前にエンロンの破綻なんていうのがあったわけです。これに、ブッシュ政権が如何に深く関与していたのかというあたりに既に、先のバブルの淵源があるのだと感じています。

Alternative Minimum Tax(代替ミニマム税)についての修正というのが、今年のアメリカの税制改革の大きな柱であり、さらに今後の税制改正の柱でもあるのです。
一言で言ってしまえば、高所得の納税者が色んな制度を利用して課税所得を圧縮できることを制限しようとするシステムで、非常に複雑なものです。
一般に、新聞論調などで出てくるのは、個人所得課税においてなのですが、アメリカの所得課税の基本は、個人と法人について同様の考え方を用いているので、このAMTは、法人所得課税においても適用があるのですね。

そして、個人の富裕層がこれの恩恵を受けていた(逆に中間所得層がこの制度のせいで税負担が重くなるという矛盾があった)とされるのですが、最大の恩恵を受けていたのは、GM,GE,エンロン、シティコープといった巨大法人だったのですね。
ちょっとわかりにくい言い方になってしまいました。高所得者に対する課税強化のシステムを骨抜きにする立法をブッシュ政権が行っていたということです。

トリクル・ダウン理論なんて誰も信じないのですが、現実には借金だけ、中間低所特措に滴り落ちてきて、家を失うということになったのでしょう。大企業は、連邦政府の支援を受けて、つまり税金で支援を受けて助けられたわけですから。
現政権においても、中低所得層に対する、借入金の低利借換えを促進する政策が盛り込まれているのですが、実際にこれが適用されているのは、対象とされる人の3割に満たないというのが現状のようです。
今の大統領が、誰の利害を代表しているかなんてことは、クルーグマンがどういおうと、その政策を見れば明らかではあります。

ただ、今年の税制改革及びグリーンブックで示された、税制の方向性自体については、十分に検討すべき価値があると考えてはいます。少なくとも迷走しているDPJよりまし。
ただし、今は、アメリカも迷走のきわみですけどね。
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by nk24mdwst | 2009-12-18 11:02 | 租税法(アメリカ)