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2009年 07月 21日 ( 1 )

keep it clean

梅雨らしい、雨の日です。
世間は三連休、学校は夏休みですか。

IRSはtax preparer、つまり申告書作成代理業者に対する規制を強くするという方針を出したのですが、今まで何をやっていたのかという記事。
IG: IRS does poor job regulating tax preparers

By STEPHEN OHLEMACHER
The Associated Press
Monday, July 20, 2009; 11:28 AM

WASHINGTON -- The IRS does a poor job overseeing the paid tax preparers used by more than half the nation's taxpayers, the agency's inspector general said in a report released Monday.

"The IRS currently is not able to track, monitor or control preparers' activities and compliance, or even determine the total number of paid tax return preparers," said J. Russell George, the Treasury inspector general for tax administration. "As a result, the IRS currently is not capable of ensuring that paid preparers adhere to professional standards and follow the law."
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/07/20/AR2009072001119.html


以前も書いたかもしれませんが、日本とは異なりアメリカでは申告書作成は、有料で誰が行ってもかまいません。それらの業者に対する規制、監督がなっていないとthe Treasury inspector general for tax administration(TIGTA)のリポートがいっているという報道です。

財務省税務行政監察局長(とでも訳せばいいのかな)のリポートは、Inadequate Data on Paid Preparers Impedes Effective Oversight July 14, 2009 です。
http://www.treas.gov/tigta/auditreports/2009reports/200940098fr.pdf

現在のInspector General の J. Russell George氏の経歴はhttp://treas.gov/tigta/about_ig.shtmlにあります。ニュー・ヨーク出身、公立学校からアフロ・アメリカンの大学であるハワード大学をでた後、ハーヴァード・ロー・スクールで弁護士資格取得。
以後、地方検事局、大統領府等々で経歴を積んでいます。

日本の場合、国税庁は、財務省の外局として存在しているわけですが、国税庁の業務を監督する部署というと会計検査院だけですね。
1998年改正法によりアメリカでは1999年にI.R.S.の外部、といっても財務省の中ですが、TIGTAというポジションを設けてその業務を監視、監督する体制を作りました。これいがいに、Oversight Board があります。また、I.R.S.の内部に独立性を持った全米納税者擁護官も置いています。Taxpayer Adovocateですね。納税者擁護官事務所は、独自の組織を持ち、I.R.S.や財務省の長官の下にいるにもかかわらず、直接、議会に対して報告することになっています。
もちろん、これら以外にGAO、つまり会計検査院がその業務を監査報告しているわけです。

アメリカが何でも言いなんていうつもりは全くないのですが、このように課税当局に対して外部の監視体制を設ける国は少なくありません。オーストラリアでは、連邦オンブズマンが税務オンブズマンをかねています。

アメリカのNational Taxpayer Advocate やオーストラリアの連邦オンブズマンは、キャリアの官僚とは全く違います。

まあ、日本の納税者支援調査官が何をしているのかという話にもなるのですが。

H&Rブロックのようなチェーンでの社員に対する教育が十分ではない。まあ、そりゃ、基本的に季節雇用だからそうなるだろうと思いますけど。
あるいは、同じIDで複数の社員が、申告書を代理作成する等々。
逆に、I.R.S.の立場からすると、彼らも日本の国税庁同様、電子申告、つまりe-file の達成に関してノルマが課せられていて、そのためには申告代理業者、それも大手を利用するというのが一番手っ取り早いということを知っているのですね。これについては、ブーズ・アレン・ハミルトンを使ったリサーチの結果が公表されています。

いずれにしろ、結果的に、申告書の誤りが増え、納税者もその誤りを正すIRSも双方が莫大なコスト負担しているということですね。これを問題視しているわけです。

この点に関しては、納税者擁護官の議会報告でも採りあげられていました。

かつて、現在TKCの副会長だかをやっている後の国税庁長官が、税理士法改正に賛成しないと黒船がやってくるって恫喝したことがありましたが。
規制緩和と黒船におびえることなんてないのですよ。

もっとも、国税庁のHPに税理士の懲戒処分対象者の名前が載っていたりするのですね。

税理士、税理士法人に対する懲戒処分権は、税理士法改正前は国税庁長官、現在は、財務大臣にありますからね。
弁護士会のように、税理士会が自らを律すること自体ができない仕組みです。

日本の税理士制度の歴史を考えると仕方がないといえるかも知れません。それでいいといっているのではないです。
当局の下請けとしての税理士、税理士会、日税連だということには歴史的なものがあるのは事実だけど、それは、なんとしても取っ払ってしまう必要があるのだと思うのですが。

日本の税理士は税務代理士法が1942年2月に制定されたところに始まるわけです。1941年12月に真珠湾があるわけで、要するに戦費調達のための租税徴収補助が目的だったわけですね。皇国租税史観なんていうのもあったりしまして。
納税は、天皇に対する初穂料であるというわけです。戦前の話ですよ。
この延長で、納税は銃後の鉄兜なんて標語も出てくるわけです。

税理士に対する規制自体は明治30年代の大阪府警察条例辺りに淵源があります。

まあ、ハリウッド映画でも会計士なんて悪者に決まってますから。弁護士にはいい弁護士と悪いやつが出てきますが。

いまはビッグ3になっちゃいましたが、かつてのビッグ8といわれた大手の監査法人は、イギリス、オランダ資本がアメリカの産業革命と同時に資本進出したときにその監査のためにできたものが母体です。19世紀の終わりごろですね。

ところで、税理士は、会計屋じゃなくて、法律家でなければならないなんて松沢智先生その他の方がおっしゃっております。
私もその通りだと思っておりますといいたいのですが、そもそも税法って法律なのかと混ぜ返したりして。

税法の方としての特殊性があるということを認識しないといけないと思いますね。あるいは、これは行政法一般に言えることなのかもしれません。私の土地収用法体験が、そうささやいています。

租税訴訟で補佐人になれるから法律家なのではないですね。あるいは補佐人になるために法律家にならないといけないのではないと思いますね。

富岡先生の言うような税務会計から真実が見えてくるということまでは考えませんが、技術論としての税務会計学、政策論としての税務会計学というのは成り立つのではないかと。

ロイターだってちゃんと日本の問題を指摘しているわけです。執筆は日本人ですが。
Policy challenges facing Japan's next government

Mon Jul 20, 2009 8:50pm EDT

By Yoko Nishikawa

(Reuters) - The winner of an election that Japan's Prime Minister Taro Aso is set to call for August 30 will face a raft of challenges including the country's worst recession in 60 years and growing social welfare costs in a fast-aging society.
http://www.reuters.com/article/worldNews/idUSTRE56K06A20090721
高齢社会における福祉財源をどうするか。

消費税25%の美しい日本にすればいいという東大の中里教授理論は通用しないと思いますが。

まあ、私の立場は言わずもがななのですが。

いずれにしろ、日本では、経団連を中心とする輸出大企業が自民党政権を援助し、見返りに大規模な方事前税減税特別措置の恩恵を受けてきたわけです。
これは、借入等による資金融資においても同じことがいえます。

他方、自民党は、従来、その選挙基盤を地方の農村部においていたのですね。この地方の農村部というのは、高度成長期においては、勤勉で優秀な工業労働者を供給する一方、農業だけでは立ち行かないので補助金付けにされ、さらに農業補助が地方の公共事業に形を変え、土建業者となった元農家が自民党の支持基盤だったのですね。
政財官のトライアングル体制というときに、この、自民党のアンビバレンスな部分を見逃してはいけないわけです。
これを、この前の選挙でたったどっかのポピュリストがぶち壊してしまった

そして規制破壊で、金持ちが金儲けできる、富めるものがますます富める社会にしようとした。そうなったように見えたとたんに今回の不況というわけですね。

要するにトヨタが儲かるための体制を作ったのに、トヨタが利益を出せなくなった。ほかのみんなは既に置いていかれているのに、殿様までが転んじゃった。
どうすればいいのか、これからどっちへ行くんだ、という方向性が見えない。

だから、消費税増税云々というような財政問題レベルではないのだと思うわけです。

アメリカはこれから10年間、高額所得者に対する課税強化で望むのですが、これについて詳細な報道ないしリポートがなされていませんね、この国で。
高額所得者課税強化と抽象的にいうのではなくて、どこをどうするのか、理念は何なのかという議論です。

昨日は、夜、何を聞いたから忘れました。ウォークマンの調子が悪くて、ホールドに触るとリセットされてしまって、もぞもぞやっているうちに寝てしまったようです。
まあ、寝床から落としたりしたからかな。
by nk24mdwst | 2009-07-21 13:01 | 租税法(アメリカ)