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2007年 12月 23日 ( 1 )

RRA1998-2

RRA1998が施行されて直ぐにIRSの組織や機構が変わった訳ではなく、その後現在に至るまでの10年間で徐々に変わってきているというのが現状です。
ロソッティ前IRS長官の自伝というか自慢話本を読み、現地へ行って、法改正前後から現在に至るまでの色々な過程で関与をしてきた人たちの話も聞きましたが、10年前のIRSは、信じられないほど時代遅れの機関と化していたのは事実であるようです。

しかし、アメリカの底力というべきでしょうが、そのようなときに大きく根底から組織を変えてしまうような動きが出るところが凄いというべきかと。

右とか左、保守とかリベラルとか言った政治信条とは関係の無いレベルで変革しなければならないときに自ら変身する力を持っているようです。

アメリカの昨日は、日本の明日、というわけで。

1998年頃を境にして現在に至るIRSの組織再編その他の動きについて、前提としては、先にも述べたように、アメリカの雇用環境の変化があるという認識が必要です。
要するに、源泉徴収制度はあるものの、日本のように年末調整制度のないアメリカの連邦個人所得課税においては、給与所得者は基本的に確定申告により納税額を確定、基本的に税額還付を受けるという形でした。
要するに2億人プラスの人口のアメリカにおいて、1億2千万近い申告書の処理といっても、IRSが実際にやっていたのは、年末調整だったわけです。
アメリカにおいては、給与所得者も必要経費の実額控除が認められていますが概算控除との選択性で、大多数の納税者は概算控除を選択しているわけです。
要するに日本の給与所得控除と同様です。アメリカの個人所得課税において、概算控除を選択した納税者は、日本では所得控除に当たる社会保険料控除、医療費控除、住宅ローンの利子の控除等についても実額控除することができないことになっているので注意が必要です。
つまり、単純な日米の給与所得者間の課税最低限の比較はできないのです。

IRSの組織再編の話に戻りますが、1998年は民主党のクリントン政権であり、クリントン政権が民間出身のロゾッティIRS長官を任命したわけです。そしてクリントン民主党政権下において、IRSの組織、機構その他の改革を行おうとしていた。
他方、当時、議会の多数派は、共和党でRRA98は、最終的には超党派かつ両院の合意を経て法律化されますが、主導権を握っていたのは共和党だということに留意が必要です。

したがって、2000年にインチキをして現在のブッシュ政権ができたときには、逆に政権は共和党、議会多数派は、民主党という逆転現象がおき、それまで書いていた青写真がなかなか進展しなかったということも事実だと認識することが必要でしょう。

ロゾッティの後任がなかなか決まらなかったこととか、Oversight Board のメンバーもずっと決まらなかったことの原因はこのあたりにあるのでしょう。
by nk24mdwst | 2007-12-23 15:43 | 租税法(アメリカ)