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2007年 12月 21日 ( 1 )

Lulu Atco Sessions

Lulu Atco Sessions は二枚組みCDで、前半三分の一が、Muscle Shoals Soud Studioで録音されています。LuLu のこの一連のプロジェクトは、セールス的には失敗だったのでしょうが、Dusty Springfield Dusty in Memphis に触発されたものだと位置づけることができるでしょう。もっと古くは、Aretha Frankin に遡るのですね。

個人的には「ダスティ・イン・メンフィス」の二枚組みCDの全てがメンフィスで録音されたとは考えていません。ハリウッドの音がします。

ブリティッシュ・ガール・ポップ系のルルとダスティ・スプリングフィールドとゴスペル出身のアリサ・フランクリンがAlabamaのマスル・ショールズへやってくるというという点に留意でしょう。
CBSのClive Davis はアリサの売り方が解らず、Atlanticで彼女は本領を発揮することになります。アリサのマスル・ショールズ録音がLulu のAtco セッションの原点でしょう。

Muscle Shoals Sound Studio は、同じくマスル・ショールズで60年代前半からヒット曲を録音していた Rick Hall FAME Studio の主要セッション・メンバーだったBarry Beckett (keyboards), Roger Hawkins (drums), Jimmy Johnson (guitar) それに David Hood (bass) が、フェイム・スタジオを去り、自らのスタジオを立ち上げたのです。
サザン・ソウルの一時代を画すことになる彼らは、全員白人です。

フェイム・スタジオ時代から、リード・ギター、ピアノ、バッキン・ヴォーカル兼ソング・ライターとして活躍していたのが、Eddie Hintonです。

ハリウッドのHal Blaine、Carol Kaye、Tommy Tedesco その他のプロ・セッション・メンとサザン・セッション・メンの違いは、おそらくハリウッドと南部の時間の流れ方の違いに起因するところが大きいと思います。

ハリウッドの場合は、時間きっちり、お金もきっちりなのですが、メンフィスやアラバマあたりでは、朝から気楽なジャム風に始めて全員の気分が乗ったところへOtis Redding が登場して一発決めるという感じなのですね。

マスル・ショールズ・サウンド・スタジオが独立後最初に録音したのは、"3614 Jackson Highway”というスタジオの所在地の番地をタイトルにした Cher のアルバムです。ウィキペディアはヒット作なんて書いてますが、これが見事にポシャってしまうのです。第二作が、Steve Miller Band を抜けた直後の Boz Scaggs のセルフ・タイトルのソロ・デヴューなのですが、これも見事にこけます。

ボズのソロでは、バリー・ベケット、ロジャー・ホーキンズ、ジミー・ジョンソンのリズム隊+リード・ギターがエディー・ヒントンというのが基本線ですが、三曲目から Duane Allman が加わり、雰囲気が一変します。当時、デュエインは、生活費稼ぎのためのセッション・ワークとAllman Brothers Band のきついロード・ワークをこなしていて、常に飛び込み状態でセッションに加わっていました。Layla Sessions も例外ではありません。譜面の読めない彼は、全体の進行を耳で覚え、一発どりに近い状態で、最高の歌判ギタリストとしての地位を確立していくのですね。

破綻寸前のマスル・ショールズ・サウンド・スタジオを救ったのは、Wilson Pickett Hey Jude のヒットというわけです。この曲をやろうとデュエインが言ったのは有名な話です。

オールマン兄弟もバンドをやろうとしたきっかけ自体は、ブリテッィシュ・インヴェイジョンの影響 なのですけれどね。

Joe Boyd がプロデュースしたWhat's Shakin' のSpoonful なんかのコピーしてた連中が、二、三年で立場が入れ替わっちまうという話です。

Hey, Eric, what have you bin doin'?
by nk24mdwst | 2007-12-21 13:12 | 音楽