人気ブログランキング |

2007年 12月 20日 ( 1 )

Tax Justice

Tax Justice は、租税正義を意味するかという命題です。
すなわち、英語のJustice とは何かということです。

日本語でいう正義=justice かということが問題なのです。日本語の正義という概念について、ここでは絶対的な正義という意味で用います。個人的に私が、絶対的正義論を信奉しているわけでは、もちろんありません。

再掲ですが、英米法におけるjustice概念を考えるとき、適正手続原則(due process principle)は非常に重要な位置を占めています。

Justice については、Black’s Law Dictionary によるとfairness , equity と説明されているわけで、公平、公正という意味になります。

具体的には、justice とは、適正手続によって証拠として採用されたものにより証明されたものが、法的正義とされるということです。法廷における真理の発見、正義の実現ということです。
ですから、個々での正義は、いわば、相対的正義というべきものであって、、絶対的正義論を少なくとも英米法の世界で用いることは無いのです。

Tax justice を仮に租税正義と訳したとしても、本来的意義は、絶対的な真実、真理の究明ではないと考えます。つまり、絶対的に正しい唯一絶対の納税額などというものは存在しないということです。
したがって、租税正義における正義についても、あくまでも法的適性手続に基づき立証されたものが正義であるという考え方であるとはずです。

この考え方は、おそらく、わが国で「租税正義」論をいうときの前提とは全く異なっている立場でしょう。残念なことですけれど。

英米法における適正手続重視原則のもととなっているのは、宣誓に基づく証言、証拠重視の考え方です。その結果として、英米法においては、証拠法とそれを裏付ける偽証罪、法定侮辱罪は重要であり、それに該当する者に対しては、重罰を課せられる必然があるわけです。

日本でいわゆる『租税正義』という言葉を最初に使ったのは正確には誰かは浅学ゆえわかりませんが、故松澤智日大教授を嚆矢とするのではないかと思います。松澤門下である拓殖大学の増田英敏教授も租税正義という語を用いています。

松澤教授の絶対的正義を持ち出すと、特に租税法の世界では自縄自縛に陥るのではと思います。増田教授の論考が常に最後の一押しが足りないと感じるのは私だけかもしれません。

税理士の山本守之先生も租税正義、真の事実の発見というような文脈で使われているようで、相対的正義論とはいささか異なるのかなと思います。

国税通則法と行政手続法の関係については若干検討しましたが、租税争訟においては国税通則法と行政不服審査法の関係も非常に重要なわけで、この点についてはいずれ、検討を加えようと思っています。
by nk24mdwst | 2007-12-20 14:38 | 租税法(日本)