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we'er still alive, will be?

下院での可決を受け、ブッシュ大統領が、絆創膏法案に署名したので、かのアメリカの金融危機対策法は成立しました。

明日の天気もわからないのに、予測をするのは、天をも恐れぬ行為と考えますし、私は、貸借対照表原理の初歩的知識を持っているに過ぎませんので、この10数年来に読んだ本を少し並べてみます。立ち止まって考えてみようと。順不同です。

宮崎義一著「複合不況―ポスト・バブルの処方箋を求めて」 (中公新書) は、1992年のベスト・セラーです。この本で展開されている論理は実に明快なものです。難しい現実と理論をわかり易く説明したものですが、大蔵よりの経済学者等からかなり強力な反論がありましたが、どちらが正しいかったかは、歴史が示すことになったとおもいます。

アメリカの1980年代の不動産バブルとその崩壊、それに伴うS&L危機とその処理について書かれた本・・・これについて、私が読んでよいと思った本は、とっくに絶版になっていますね。
最近出版された本が良いか、古い方を選ぶか。
趣味によりますが、今回の遠因を知るという意味では古い本、といってもそんなに古い本はもう出回っていないようですが、少なくとも前回の危機に焦点を当てたもの方が私の趣味だということになります。
書籍名を思い出せなくなっているのです。

それから、これらの全体を総括する意味でスーザン・ストレンジ著「カジノ資本主義」が非常に示唆的です。これは、1988年の本で新版が入手可能ですね。
ストレンジ女史の本でいうとこの後に出た遺作の「マッド・マネー 世紀末のカジノ資本主義 」がさらに考察を深めたものなのですけれど、絶版であるようです。

21世紀型といっているけれど、根っこ、本質は同じなので20年前の状況下において書かれ、歴史によってその内容が検証されたものの法がよいのかなと思うのですね。

現下の状況ですからたくさん本が出てくるでしょうけれど、図書館等で20世紀の間に書かれたものを読んでおくほうが、当たらない天気予報をしようとする本より良いのかなと。

あと、ヘッジファンドの顛末記として、ロジャー・ローウェンスタイン著の「最強ヘッジファンドLTCMの興亡」がノーベル賞受賞者はいかにして失敗したかという意味は別にして、状況をうまく捉えていたと思います。これは文庫で再刊されているようです。
世界中の金融機関がヘッジファンドと化しているという考えが成り立つならヘッジファンドの基本的な思考過程、行動論理を知ることは大切でしょう。
クルーグマンは、預言者になっちゃってますが、性格だからしょうがないか。
October 3, 2008, 4:07 pm
Has the bailout already failed?

OK, I know that’s premature. And I place no weight at all on the fact that the Dow plunged after the vote.

But it is interesting that short-term Treasury yields are down — only 0.13% on one-month — suggesting that the flight to safety continues unabated. Against this, John Jansen reports some signs that money markets are unfreezing, slightly.

We’ll learn more next week. But I have a prediction: well before January 20, Congress will be asked to vote on bailout 2.0.
http://krugman.blogs.nytimes.com/
今回の立法は、一時しのぎにしか過ぎないのは基本的にわかっている人が多いと思うのですが。

クルーグマンが1月20日、つまり新大統領就任日までにヴァージョン2.0法案の可決論が出てくるだろうというわけです。
ヴァージョン2.0が出て、パッチをあて、ヴァージョン3.0が・・・などというのは狼少年です。

さて、The Economist は、そもそも今回の立法自体に効果ありやなきやという次の疑問をぶつけています。何もしないのは当然問題外という前提ですが。

The mortgage-rescue plan
Will the bail-out work?

Oct 3rd 2008 | NEW YORK, WASHINGTON, DC
From Economist.com
The bail-out becomes law after the House reverses its rejection. Money markets call for urgent attention
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Now the real test comes: will it help? The Treasury is expected to take a week to set up the auctions for the first mortgage purchases, and the first purchases could therefore take place within weeks. Henry Paulson, the treasury secretary, could act sooner: he has the authority to buy mortgages from individual institutions or inject capital into them if they are nearing failure.

Speed is of the essence. Banks are loth to lend to each other, except at record punitive rates and for the shortest of periods. Most want their money back within a day. Massive liquidity injections by the Federal Reserve and other central banks have done little to unclog the pipes.
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The pain is reaching municipalities and states. Alabama’s Jefferson County is on the verge of bankruptcy. California’s governor, Arnold Schwarzenegger, has reportedly given warning, in a letter to the Treasury, that his state is running out of cash to fund day-to-day operations and may need an emergency loan of $7 billion from the federal government.
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Until the TARP shows results, the pressure remains on the Federal Reserve to contain the crisis. Ben Bernanke, the Fed chairman and the main driver behind the TARP’s creation, congratulated Congress for demonstrating the “government’s commitment to do what it takes to support and strengthen our economy”. His language was remarkably similar to what he used, as an academic, to describe Franklin D. Roosevelt’s attack on the Great Depression. Mr Bernanke made it clear that he included the Fed in that commitment: “We will continue to use all of the powers at our disposal to mitigate credit market disruptions and to foster a strong, vibrant economy.” The Fed has already expanded its balance sheet by around $600 billion since August, an amount not much smaller than the entire TARP, as it replaces evaporating private credit with central bank credit. The odds are high it will also cut its short-term interest rate, now 2%, to 1.5% either at or before its policy meeting at the end of October.
http://www.economist.com/finance/displayStory.cfm?story_id=12367649&source=features_box_main
カリフォルニア州の財政レベルで資金繰りが苦しくなっているという状況になっているわけですが、この立法自体の効果は不明です。

バーナンキFRB 議長はあらゆる手を尽くすといっているのに対し、公定歩合の引き下げは不可避であろうし、それでもどれほどの効果があるのかというところですね。

この数週間のできごとを数字を用いず、というか数字が不明なこと自体が問題の大きな要因なのですが、考えるメモを作ろうと思っています。とにかく、何でも忘れるので書いておかないと。
この二週間ほど毎晩考えていて眠れなくなり、ジミヘンかけて直ぐに寝るというパターンです。朝も早く目が覚め、また考え出し、眠れなくなる。当然、昼間が眠いというわけです。

ポールソン財務長官の当初案、その後の修正といった細かい点は抜きにし、かつ、リーマンを見捨てたこともこの際考えないことにします。リーマンやAIG,その他の問題の後に下院での法案否決、株価の暴落、上院での修正案可決、下院での修正案の可決、大統領の署名という流れです。
市場では可決されると思われていた下院におけるポールソン法案の否決の時点でみなが考えたことは何かというところから始めます。ポールソン法案がどの程度有効かということは、修正案の評価といい換えてもよいのですがそれ自体が問題なのでが、脇におきます。
なんでも脇においておいて忘れてしまえばよいのですが・・・

納税者の納めた税金を投入して投機的な取引に走った金融機関等と救済することの是非論ということですね。

これに反対する考え方は必ずしも同じ根拠によるものではないわけです。
①として、 市場こそが全てであり政府が市場における価格決定(不動産その他の)に介入することは、それこそ社会主義そのものであり、アメリカの経済政策である自由市場経済主義に反するという考え方があります。
これは、市場経済万能論のエコノミスト誌が主張しそうな論理なのですが、状況把握能力の能力の差なのでしょう、エコノミスト誌は全く違う立場を主張していました。
共和党的な考え方からの反対意見ですね。

ほったらかしにしておいて市場に任せるということになれば、あと残された手段は、FRBによる金利誘導政策、あるいは、銀行等の預金保護の強化(こっちはまた別の問題として議論になるでしょう。)、それとドルをたくさん印刷するという手しか残らないわけです。

金利を下げるというのは、FRBが実行できることではありますが、その結果として必ずドルが弱くなります。つまり、ドル安になり、円、ユーロが上がるということで、国際経済全体に大きな影響を及ぼします。
これは実際にクリントン政権下でやられましたね。クリントンはアメリカの双子の黒字農地政府の財政赤字を消すのに高等戦略で、強力なドル安というか円高をやって、アメリカの借金のつけを日本に回し、日本はかの失われた10年のもととなるデフレを強いられたわけです。
1ドル75円なんてときがありました。
円の価値が上がるということは、物価が下がり、不動産バブル崩壊後の日本に強烈なパンチの追い討ちを食らわせたわけです。

他国へつけを回すという話ですね。
ドルを印刷するときには、財務省証券が裏づけとなるわけで、これは米国国債の暴落を招く。
ドルを大量流通させればインフレが起きます、逆に米国国債価格が下がるということは金利の上昇が起きるということですから、アメリカではインフレと金利上昇が同時に起きる・・・もちろんこの影響は世界経済全体に大きな混乱を招くのでしょう。

民主党の立場からの反対論としては、不動産ローンを延滞し住宅等を差し押さえられた低所得者層を見放してなぜ、高給取りぞろいが経営している巨大金融機関だけ助けるのかという論理がありえますね。
心情的にはわかります。

基本的に税金を投入すること自体には反対しないが、ポールソン案には反対するという立場ありえます。
理由としては、ポールソン案の実効性が不明であるという点がポイントの一つでしょう。つまり、現実の破綻債権、あるいは関連商品による金融システム全体における毀損の金額を把握し、その上で、それらに対して最も最小の投入金額で最大の効果を上げるやり方であるかどうかという点において不透明である。
さらに、今回の金融危機を生じさせる原因となった人間、機関、会社、制度その他があるはずだから、それらに関しても罰すべきものは罰し、正すべき制度は正すべきである。
これらの条件が満たされない以上、有権者の血税を投入することに関して説得力を持たない。
まさにお説ごもっとも、正論そのものです。

ここでも現状認識の問題ですね。当然、金額の性差、処罰や制度の見直しは必要であるけれど、現時点で何ができるか、ベストは無理、セカンド・ベストだともいえないけれど、最悪の事態を避けるために、先ず緊急避難が必要であり、そのほうが後の出血が少なくてすむという理解をしていたかどうかです。

これに関しては、株価の暴落でみなが事態の切迫度合いを思い知っただけではなく、さらに損失を膨らませる、つまり、新たな税金の投入の必要額を拡大させただけですね。

あとは、現在の状況に至ったということです。

ところで、アメリカの上下両院及び大統領、財務省は税金を投入といっているわけです。この税金は誰の払っているものか。彼らは当然アメリカ国民の税金だという論理に立っている訳ですが、それは間違いではありませんが、アメリカ以外の国民の税金との兼ね合いはどうかという視点が欠落しています。

現下で増税ができるはずがないわけですから米国債を増発することになり、その米国債を購入するのは誰かという話ですね。
国債というのは原理的には現在の国民が将来の国民に対して借金をしているものだといえますが、その国債を購入するのが他国の金融機関ないし年金等であるとしたら結論は異なってきます。
by nk24mdwst | 2008-10-04 08:01 | その他


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