knowin' i'm as i am, so not as you or them

秋晴れです。隣の田んぼではコンバインで稲刈りの真っ盛り。農家の人は、早起きです。

社会保障制度の改革と称する、国民切捨て政策の全貌がだんだん明らかになってきていて腹が立つばかりです。
立法措置は、全て、二年前に終わっているといううまいやり方です。
平成18年6月改正健康保険法により政府管掌健保が民間に移行することになっています。施行期日は、20年10月1日ということです。
現在、多数の組合健保が収支の悪化を理由に解散し、政府管掌健保に移行する動きが続いています。
従来、大手企業は、組合健保であり、その構成員の平均年齢は中小企業の被用者を中心とする政府管掌健保より低く、したがって、医療費負担も少なかったので安い保険料で回すことが可能だったわけです。
それが、後期高齢者医療保険制度の導入により、組合健保の負担金割合が増えまわらなくなったから解散すると言うことです。

民営化される政府管掌健保はどうなるのか、従来と変わらないといっていますが、社会保険庁のHPには、
5  保険料はどうなるの?
A5 本年10月の協会設立時の健康保険の保険料率は、9月30日までの政府管掌健康保険の保険料率(8.2%)が適用されます。
 なお、協会設立後、1年以内に、都道府県毎に地域の医療費の反映した保険料率を設定することとなります。都道府県単位の保険料率の場合、年齢構成の高い県ほど医療費が高く、保険料率が高くなったり、所得水準の低い県ほど同じ医療費でも保険料率が高くなることから、年齢構成や所得水準の違いは都道府県間で調整した上で、地域の医療費を反映した保険料率を設定することとなっています。また、都道府県別保険料率への移行に当たり、保険料率が大幅に上昇する場合には激変緩和措置を講ずることとなっています。
http://www.sia.go.jp/kenpo/qa01.htm#q05
とあります。

この法律改正をやったのはコイズミとかいうやつです。

従来、政府管掌健保は、全国一律でしたが、今年の10月以後は各県単位で収支計算を行い都道府県別料率に移行するということです。
だれが考えも直ぐにわかることですが、住民の平均年齢が高く受信率の高い道府県においては、現在よりも高い保険料率になるということですね。
棄民政策そのものです。

同じように、相続税の課税に関しても大きな方向転換が図られようとしているのですが、枕詞にだまされてはいけないわけです。相続税のあるべき論を語るようでありながら、その本質は財源論だったりするからです。

相続税の改革案については、日税連のHPに 
調査研究部「相続税の課税方式変更」について主税局と第3回意見交換会を開催 2008年9月8日
  日税連調査研究部(杉田宗久部長)は、9月5日に調査研究部会を開催し、平成21年度税制改正に向けて検討されている相続税の課税方式の変更について、主税局と3回目の意見交換を行った。
 会議では、8月1日から29日にかけて全国15税理士会と主税局との間で行われた意見交換会で出された意見について検討したほか、課税方式を改める場合の法制的・実務的論点について、さらに進めた議論を行った。
 ⇒  「相続税の課税方式の見直しに伴う主な法制的・実務的論点」(平成20年9月)
 ⇒  「相続税の課税方式の見直しに伴う主な法制的・実務的論点(平成20年7月)」に関する主税局との意見交換会における主な意見(平成20年9月 日税連調査研究部)
 というのがあります。
この中身については、後日検討しないといけないと思っています。日税連というのは日本税理士会連合会という日本中の税理士が強制加入しなければ税理士業務を行えない団体です。そこの調査研究部というわけですから、日本中の優秀な税理士の知恵を絞る場所だと考えていただければいいかと。絞っても何も出ていないかもしれませんが。中身のない袋を絞っても生涯名というわけです。

袋の中身以前に、昨日書いたように国税庁の指名の中に税理士業務の適切な運営というのがあるわけで首根っこを当局に引っつかまれていて何がいえるかということでもありますが。
もっとも、税制改正なんかに関しては、何を言おうと気にされないので、好きなことを言えばいいのです。主税局は、経団連には気を使うかもしれませんが日税連なんか相手にしていないわけで。

納税者の権利論に関しては、日本における給与所得者の権利をどのように盛り込むことが可能かというのは、大きな問題ですね。

この点に関しては、斉藤貴男著『源泉徴収と年末調整――納税者の意識を変えられるか』(中央公論社[中公新書]、1996年/改題『大増税のカラクリ―サラリーマン税制の真相』筑摩書房[ちくま文庫], 2006年) を是非読むことをお奨めします。
さらに北野先生の著作に進まれるのはご随意ですが、斉藤貴男氏の著作に興味をもたれた方は、他の著作をお読みになる方が今の日本を知るのによいと思います。

政府の国民遺棄政策の下は、アメリカのレーガン改革意向のいわゆる保守革命が手本というわけですが、その前のFDRに対する評価をも含めてクルーグマンの近著をお読みになることも強くお奨めします。

クルーグマンの近著については、以前このブログでも触れています。アメリカ特有の事情、特に人種問題等に関しては色々な捉え方があるかと思いますが、私には得心の行く部分が多かったのです。
お読みになって御自分の価値観で判断され、翻って日本の現状を省みるいいテキストだと思います。

クルーグマンの近著が現在の日本の状況を知るのによいテキストだということの根拠は、アメリカにおける国民皆保険導入失敗の歴史、さらにデトロイト協定の消滅の効果の意義に非常に現在の日本との相似性を見るからです。

アメリカは自由主義の国で社会福祉政策には不熱心だということになっています。しかし、冷戦の真っ最中においては連邦個人所得税の最高税率が90%を超える時期もあったわけです。
この税率を考えると、マイク・ネスミスのかの大盤振る舞いセッションの意義も違って見えてくると思います。

日本は安くて勤勉な労働力と優秀な頭脳でアメリカの保守的な自動車産業を打ち負かしたというのはある面では当たっているでしょう。燃費効率の良い車の開発等ですね。
しかし、肝心な点を見逃しているわけです。
アメリカにおけるGEとかGM、さらに実質的には同族企業であるIBMにおては、基本的には終身雇用が行われ(レイオフはあるにしても)ていただけではなく、従業員の福利厚生として医療保険等についても面倒を見ているわけです。
アメリカには日本のような一般従業員に対する退職金というような考え方は一般的ではありませんが、前述のような大手大企業の従業員に関しては、一定年限を勤め上げると終身年金と就寝医療保険が保証されています。この退職従業員の年金、医療保険に関してだれが負担していたかというと、それは元の勤務先であるGM等であるわけです。

日本においては、在職中の医療保険は別にして(組合健保です。)、退職者に関しては年金基金のような二階建て部分を除けば、基本的に国の社会保障財源がまかなうことになっており、さらに、医療保険は国民健康保険というかたちで被保険者と税金によってまかなわれるスタイルです。

要するに価格競争力において、かつての日本の大手製造業はアメリカの企業に比べて大幅に過小評価された円の価値だけではなく、このような制度的な恩恵を受けてきていたわけです。

アメリカでもこのような企業は衰退の一途をたどり、ウォルマートのような人間を部品としか見ない企業がもてはやされているわけです。

大企業が従業員を見放すことによって1980年代のアメリカの景気回復、1990年代のそれがおきました。つまり、GDPは上昇するものの、それは極めて限られた大企業経営者等にストック・オプションその他の高額な報酬として還元され平均的アメリカ国民の所得水準は向上していないわけです。

所得の平均値を時系列に比較することは意味がありません。メディアン、いわゆる中央値ですね、の比較をしなければなりません。

日本のトヨタを筆頭とする大企業は看板方式などといって下請をいじめ、いまや自分のところの一般従業員でさえ見限ろうとしているわけですね。

クルーグマンは日本について深く言及していませんし、日本の社会保障問題についてはふれていませんが、二周遅れでアメリカについていっている日本の状況を考えるのに彼の最近の著作、発言は有意だと感じます。

バングラデシュにもオンブズマンがあるのですね。機能はしていないようではありますが。
Ombudsman for Bangladesh: Theory and Reality Md. Awal Hossain*とか、Ombudsman for Good Governance in Bangladesh:Why Now, and How?というのをみつけました。筆者のIftekharuzzaman氏はは、Executive Director, Transparency International Bangladesh だそうです。こちらの方のリポートは、最後にオンブズマン制度のある国の一覧表があります。
日本もカウントされています。オンブズマンの定義によるのでしょうね。確かに、民間のいわゆる市民オンブズマンはありますから。

オンブズマン制度を監視の対象としなければいけないものはたくさんあると思いますが、最大のものは官僚機構、官僚システムそのものでしょう。その意味で、スウェーデンのように高度に民主主義が発達し、地方分権システムが整っている国におけるオンブズマンの存在価値というのは考えるべき点が多いと思います。
かの国は、素晴らしい官僚システム、官僚統治体制の監視国家体制をひいていますから。

もちろん、スウェーデン人にいわせると自らの選択によりそのシステムを選択したということになるわけですけれど。

あの国の管理体制、監視体制というのも凄いものです。ただ、オーストラリアもそうですが、管理国家、監視国家、ナンバーをつけた囚人国家をいくら作り上げたところでアンダーグラウンドが大きくなるだけなのですけれど。

ヨーロッパで最大規模のアングラ経済がある国というとマフィアのイタリアを想起する人が多いと思いますが、現実には、スウェーデンであろうというのが大方の一致した意見です。
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by nk24mdwst | 2008-09-10 11:25 | その他


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