Dixie Lullabyは、Leon Russell のソロ・デヴューに入ってる曲です。Leon Live では、Louisiana つまり、Dixie が生んだロック・ン・ロール・キングのLittle Richard に奉げるといって歌い始めています。
リオン・ラッセルとは関係ないのですが、もっとも筆者が、リオンのTシャツを着た写真があったりしますけどね、本の紹介です。 Dixie Lullaby: A Story of Music, Race, And New Beginnings in a New South by Mark Kemp という本があります。 Skydog の死後何が起こったか、さらにもっと言えば、Allman Brothers Band というバンドの登場が、南部の普通の白人少年たちにとってどういうだったかということ、、自身の経験から説き起こして書いています。 人種隔離政策が連邦最高裁で違憲とされた後の南部の平均的白人大衆の感覚、具体的には、混乱と喪失感ですね、これが描かれています。 ハリウッドにいる連中にはわからない、あるいは、ハリウッドへ行った南部の連中が根っこに持ってたものは何か、という話ですね。 1970年代に南部でティーン・ネイジャーとして育った経験、同い年のWarren Haynes へのインタヴュー、オールマンズとLynyrd Skynyrd へのオマージュ、Red Neck Rock と南部の宗教右翼の問題、全ての始まりとしての人種差別とMartin Luther King Jr. の暗殺。 自伝であり、音楽史であり、南部アメリカ社会文化史という意味で興味深い記述に満ちています。焦点がぼけている、と評することもできるかもしれませんけれど、私には刺激的でした。 ハリウッドとの関連で言えば、70年代半ば以後、ハリウッドのレギュラー・セッション・メンがかなり、ナッシュヴィル、南部のテネシー州ですけど、に移ってきます。 背景にあるのは、ハリウッド音楽工場の変貌というべきですが、逆にナッシュヴィルに残っていたものは何かという視点もありかなとも。 Eddie Hinton は、登場しません。Muscle Shoals のレギュラーは、みんな出てくるのですけどね。Kemp が音楽を聞き始めた頃、ヒントンは、カプリコーンの破綻のせいでシーンの一線から消えてましたからね。 Tom T. Hall が1968年の大統領選挙のことを歌うのを聞きながら、手元に届いたばかりの思いがけずもイギリスから再発されたJohnny Jenkins の Ton-Ton Macoute!のジャケットを眺めながら。 リオン・ラッセルも再発が続いているし、All That Jazz が入手できたら、もういいかなと。 トン・トン・マクートは、Johny Sandlin が、まだRick HalのFame Studioに在籍し、Duane Allmanの契約もリック・ホールが持っていた時代、つまり、1969年ごろにデュエインのソロ・アルバムとして企画したものです。このとき6曲余り録音しているのですが、これについては、デュエイン・オールマン・アンソロジーに入っている、Down On the Cave だけが生き残っています。一曲だけ、エディー・ヒントンも参加してます。 音楽だけ聞け、音楽と社会を結びつけるなって、ある人に言われました。昔から、音楽と社会を結びつける聞き方をしてきたことを反省、音楽そのものを聞くように方向転換。そこで一番いい材料になったのは、Byrds 、Frank Zappa、King Crimson。 フランク・ザッパは純粋音楽に最も近いロック音楽家であるが故、かえって最も社会的要素を音楽に持ち込んでいるという皮肉のせいで結局、音楽と社会を同列に論じないと 気がすまないのですね。 *フランク・ザッパが純粋音楽に近いから素晴らしいなどというつもりは全くありません。銭勘定に五月蠅い、アントレプレーナーであったのも事実だし。 ドラッグを嫌い、タバコは吸うんじゃなくて食べてるんだと自慢げに語るヘビー・スモーカーであり、周りには女性をはべらしてはいるものの、実際には仕事中毒の真面目なロック・スターとは正反対の生活を送った人物です。 アンサンブル・モデルンやブーレーズがやったザッパのクラシック音楽は、きちんと20世紀のアメリカの現代音楽の中で位置づけられる必要があるのかもしれませんが、それは、その音楽が絶対的に優れているとか、私が個人的に好きかどうかといわれると簡単に「はい、そうです」とはいかないわけで。 租税と社会は切り離せないにもかかわらず、租税論だけを論じる馬鹿な人が、役人、学者、実務家と称しているのにも我慢がならないのを違うところで発散してもしょうがないのですけどね。
by nk24mdwst
| 2008-01-15 13:19
| 音楽
|
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