Me and Dr. Kitano

北野弘久先生の『税法学原論(第6版)』(青林書院)刊行の広告が今朝の日経の一面に出ていました。青林書院のHPの広告からすると20ページ余り加筆訂正が行われたようです。

第5版を出されたときには、遺書のつもりでとおっしゃっていたのですが、第6版と新たに改訂されたわけです。昭和一桁生まれの方々のパワーにはやっぱりかないません。

期間税、随時税と訴求立法の有効性について加筆されたと聞いておりますが。

以下、1月15日記す。

税法学原論(第6版)がアマゾンから来ました。不動産譲渡損に係る損益通算の廃止に関しての課税年度途中における法改正は、所得税が期間税であるという観点からすれば問題ないとしても、不動産譲渡という行為が通常の人にとっては、毎年あるわけではないので、期間税として遡及立法(納税者に不利益な)が認められるものではないと加筆をされておられました。

Me & Mr. John McNalty というのもいつか書こうと思ってます。

以下、2月1日記す。

税法の遡及適用は違憲、福岡地裁が住宅売却損の控除認める

 改正租税特別措置法が施行前にさかのぼって適用されたため、マンション譲渡で発生した損失を他の所得から控除することを福岡税務署が認めない処分をしたのは違憲として、福岡市の女性が国を相手取り、処分取り消しを求めた訴訟の判決が29日、福岡地裁であった。

 岸和田羊一裁判長は「租税法規不遡及(そきゅう)の原則に違反し、違憲無効。控除を認めるべき」などとして処分を取り消した。

 改正法では、個人の土地、建物などの譲渡に伴う損失を他の所得から控除するのを認めないことにする一方、譲渡や買い替えに伴う借入金がある場合は控除を認める特例が盛り込まれた。2004年4月に施行され、適用はさかのぼって同年1月からとされた。

 判決によると、女性は1997年、同市中央区のマンションを約4800万円で購入し、04年3月に2600万円で売却。同月、同区内に別のマンションを購入した。女性は05年3月、約2000万円の損失を他の所得から控除し、約170万円の還付を求めたところ、法改正を知らされた。女性は直後、同税務署に04年分所得税の更正請求をしたが売却、買い替えに伴う借入金がなかったため、特例措置の対象とならなかった。

 女性は同税務署長に異議申し立てをし、国税不服審判所長にも審査請求をしたが、いずれも棄却。06年提訴した。弁護士を付けず、「国民の財産権を侵害する遡及適用は許されない」と主張。国側は「節税のために土地の安売りを招く恐れがある」などと訴えていた。

 岸和田裁判長は「法改正要旨が報道されたのは遡及適用のわずか2週間前。国民に周知されていたといえない」などと指摘。その上で、「控除を認めないことで不利益を被る国民の経済的損失は多額に上る場合も少なくなく、改正法の遡及適用が国民に経済生活の法的安定性を害しないとはいえない」と判断した。

 油布寛・福岡国税局国税広報広聴室長は「控訴するかは判決内容を詳細に検討して決めたい」と話した。

 改正法の遡及適用を巡っては、日本弁護士連合会が「憲法に違反するもので、再度法改正を行って救済措置をとるべき」とする意見書を発表している。日弁連税制委員会の水野武夫委員長は「租税法規の遡及適用を違憲と認めた判決はおそらく初めて。慎重な立法を促すという点でも画期的だ」と話した。

(2008年1月30日03時05分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080129-OYT1T00842.htm

常識的な非常に優れた判断を裁判所は下したと思います。
この法律改正について国会で答弁にたった当時の財務省担当者は、金子租税法を振りかざして合法性を強調したのを思い出しました。

岸和田裁判長の違憲判断にまで踏み込んだ判決は、大したものだと思いますが、逆に、これが本人訴訟だというところに日本の司法の租税訴訟に対する消極を見てしまいます。
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by nk24mdwst | 2007-12-13 12:53 | 租税訴訟


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