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Poll Tax Blues

Poll Tax Blues を私が初めて聞いたのは、Steve Marriott最晩年のライヴ盤です。ライナーにアンチ・サッチャーの歌は、やっぱり、いつ聞いてもいいとあったのが記憶に残っています。

Poll Tax つまり、人頭税を導入しようとして、長年イギリスの首相を務めたマギー・サッチャーは、職を辞さざるを得なくなったわけです。

現在、日本でも住民税率が10%とフラット化されるとともに、その課税最低限が引き下げられることによって、限りなく人頭税に近いものに平成19年度からなっています。

地方への税源移譲の声のもとに行われたことの実態は、住民税の人頭税化といって過言で無いのです。

*2008.2.21
日本の個人住民税は、道府県民税3%+市町村民税7%=10%に改悪され、いわゆる応能負担原則を完全に放棄しました。
住民サービスを受けるのは平等だという論理で応益負担の定率になったわけです。従来は、緩やかな累進税率を用いていました。
住民税に関し、一般の給与所得者は、給与等の支払者から所得税の源泉徴収と同様に住民税を毎月「特別徴収」されることが原則となっています。
現在、公的年金等の受給者で扶養控除申告書を提出している人は、受給する年金等から、所得税及び介護保険料をそれぞれ源泉徴収及び特別徴収されています。
国民健康保険税(料)も、非常に逆進性の強い性格を有しているわけですが、その滞納の問題が地方自治体にとって大きな問題として顕在化してきたため、今年の10月からは国民健康保険税も公的年金等から特別徴収という形で天引きされることになります。
老年者控除の廃止と公的年金等控除額の引き下げにより、合計70万円の増税が低所得の年金所得者に対して行われたわけですが、さらに、財政当局は取りやすいところから源泉徴収、特別徴収という形で徴収する側の論理を優先させているわけです。
他方、社会福祉関連予算、医療保険制度に関しては、とても国民皆保険とはいえなくなるような状況が生まれてきているというべきであり、普通の市民もこの現実をきちんと議論しなければなりません。

ちなみに、Poll Tax Blues の作者はジャガー&リチャードということなので、オリジナルはStones なのでしょうが、聞いたことがありません。聞く気もないのですが。
マルチ・ミリオネアの彼らが恩恵を受けるのがPoll Tax だったはずですけれど。もちろん、彼らは、上手にタックス・ヘイブンに納税地を移しているでしょうし、人気商売、機を見るに敏なるが故、だったのでしょう。

先週の租税理論学会の話から、一週間でまた、租税の話に戻ってきました。
by nk24mdwst | 2007-12-09 15:03 | 租税論


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