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Selected Readings

Frank Zappa の自伝、評伝は非常に沢山あります。どれを読むか、何から読むか。
人生には、時間と金という制約がありますし。一応、以下に私が読んだ、あるいは、持っているものを列挙してみます。

1. THE REAL FRANK ZAPPA BOOK by Frank Zappa and Peter Occhioigrosso
本人が書いてますから、やっぱりこれでしょうね。邦訳もあります。
本人が書いているというのは、必ずしも正しくないですね。本人が語り、その文章化されたものに関して、本人が公認しているという意味での公式自伝という位置づけです。
幼少期の話など本人しか知らないし。

*Frank Zappa、没後は未亡人のGail Zappa、さらにFZの全ての楽曲、著作物を管理するZappa Family Trustは、FZのイメージを傷つけられることに過敏に反応しているのですね。つまり、他人が、評伝等は非常に書くのが辛いのです。でも、やっぱりここからスタート。

2. ELECTRIC DON QUIXOTE: THE DEFINITIVE STORY OF FRANK ZAPPA by Neil Slaven
基本的には、1とおなじ内容を他人が書いているといってしまうと実もふたもないわけですが、それでも、簡潔かつ客観的にザッパについてクロノロジカルに追っているので読みやすいです。それと、本人だと書けない、ザッパの負の側面、キャリアの初期の失敗をきちんと説明しています。Slavenは、当然、ザッパ・ファンであるわけですが、この本では必要以上に楽曲や歌詞の内容に踏み込んでいないのがよいかと思います。

*THE REAL FRANK ZAPPA BOOK と一緒に読むべきかな。ニール・スレイヴンは、楽曲等について突込みが足りないと感じるところもあります。それから、ちゃんとした真面目なファンなので、かえって困っているようなところもありか。
*ザッパの足跡をクロノロジカルに追っているものはウェブ上にも書籍でもあるわけで、結局、自分が聞いてどう思うかだから、あまり以下の本のように小難しい理屈をこねていないのがよいですね。小難しい理屈を学問と称してやっているのだけど、みんな自分の限界があるわけで、中身はたいした事はなかったりいたしまして。

3. THE WORDS AND MUSIC OF FRANK ZAPPA by Kelly Fisher Lowe
歌詞と楽曲、演奏についてならこれでしょう。ただ、ザッパ自身は、一応ポピュラー音楽として聞いてもらうために歌詞がいるので歌詞をつけているけれど、音楽自体が目的だと語っています。もちろん、意味のない歌詞の曲を書いているということではないですが。その考え方からすると、The Music And Words of Frank Zappa であるべきだったかと。

*ハード・カバーがペーパー・バックで出し直されました。アップデートされたこと、客観性、守備範囲をきちんと定義しているので、評論としては一番でしょう。全てを網羅することが不可能であること、何が残されていて、何を研究、検討すべきかについて述べているのは、好感が持てるというところでしょう。
*ケリー・フィッシャー・ロウは、ELECTRIC DON QUIXOTE: THE DEFINITIVE STORY OF FRANK ZAPPA について、1980年代以後のザッパの仕事については、駆け足で15年間を15ページで書いている的に評しています。たしかに、スレイヴンの本が、1980年代以後について、特に最後の10年について駆け足であるのは間違いありません。ただ、ロウはロウで、ザッパ最後の10年間におけるいわゆるオーケストラ作品、ギター・インスト集、さらに、それまでの膨大なライブ音源を公開したYou Can't Do That On Stage Anymore(YCDTOSA)シリーズ、シンクラヴィアものについては触れないといってるわけで、ちょっとずるいかな。

4. THE ACADEMY ZAPPA: PROCEEDINGS OF ESEMPLASTIC ZAPPA edited by Ben Watson and Esther Leslie
真面目な研究書、です。

*真面目すぎてLove & Hate Complexが出ている。このベン・ワトソン本は、可愛さ余って憎さ百倍的なところがあるのですね。

5. NECESSITY IS... THE EARLY YEARS OF FRANK ZAPPA AND THE MOTHERS OF INVENTION by Billy James
話は、面白い、です。

*金をもらえなかった初期、つまり、60年代のマザーズの連中の話だから面白いのですが、当然、FZの悪口が多いです。ここで、FZの悪口をいってた連中が、ロンドン行き直前にMagic Band 愛想尽かしされた Captain Beefheart のバック・バンドの中心となります。ビーフハートもTrout Mask Replica のあと、FZとけんかしちゃってましたし。

6. FRANK ZAPPA: THE COMPLETE CUIDE TO HIS MUSIC by Ben Watcon
ヴォリュームが少ないので入りやすい、という感じですか。

*この分量でコンプリートというな。

他には、・ MOTHER! THE FRANK ZAPPA STORY by Michael Gray 、・FRANK ZAPPA: THE NEGATIVE DIALECTICS OF POODLE PLAY by Ben Watson 、 ・ NO COMMERCIAL POTENTIAL: THE SAGA OF FRANK ZAPPA by David Walley  といったものがあります。これらは、一応書棚にありますが、全部をきちんと読んだわけではないので。視点がそれぞれ微妙に違うのですね。
本を読むなら、耳を凝らして演奏を聞くべき、ですよね。

・COSMIK DEBRIS: THE COLLECTIVE HISTORY AND IMPROVISATIONS OF FRANK ZAPPA by Greg Russo  
*細かなデータという点ではもっとも詳細、少なくとも書籍としてはといういみですが、いえるものかと。データの蓄積は、ウェブ上にあるのはどこも同じ。

なお、日本で出ているザッパ本ですが、THE REAL FRANK ZAPPA BOOK の邦訳が『フランク・ザッパ自伝』ですね。邦訳は読んでいないのですが、これでしょうね、きっと。

あと、同じ人の手になる大部の評論集が二冊ありますが、私はどちらも挫折してしまいました。
どのように感じたか、考えるかを書くのは個々人の個性ですから良いとも悪いともいうつもりは全くありません。ただ、参考文献等については、非常に広く渉猟が行われているにもかかわらず、肝心のFZ本に関しては、The Real Frank Zappa Book 位しかないのですね。
イギリス人にはわからないアメリカ語の表現についての解釈の誤りがあると、ケリー・フィッシャー・ローはワトソン本について書いています。
日本人にどこまでわかるかなんて話なのですが。
しかし、ライブを聞いているとフロー&エディー・マザーズが同じ曲、Billy The Mountain なんかでは、ニュー・ヨークで受けるところとロスで受けるところが違っているのですね。

Laurel Canyon: The Inside Story of Rock-and-Roll's Legendary Neighborhood by Michael Walker は、1960年代後半から70年代初頭のロスの音楽シーンの背景を描いています。音楽そのものに関心のある人向きではないですが、交友関係、それらの背景となった社会を考える上では面白いといえます。ザッパはEaglesと並んで重要な登場人物です。
他の重要な登場人物は、David Crosby, Cass Elliott, Gene Clark それとなぜかEric Clapton かな・・・、そして、John Phillips 。

*は、2008.1.18補足部分。

**2008.5.7 補足

上記のFZ関連本については、全面的に見直してみるつもりですが、5月は、FZのことを書かないようにしたいと念じておりますので。それから、DVDについても取り上げてみたいと思ってはいます。6月にできれば。
by nk24mdwst | 2007-12-05 18:49 | 音楽の本


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