ほんとに秋風、9月もお終い。
Allman Brothers BandのBeacon Theater Liveを続けて聞いているのです。もちろん、あのセット、全部買うなんて馬鹿なことはしてません。 Scott BoyerとTommy Taltonがゲストの日、それに、ゲストなしの日のやつを買いました。なぜか、ECのいる日もあったので買っちまいましたけど。 ゲストなしの日、つまり、2009年3月16日のライブがいいです。 この年は、結成40周年ということでゲスト盛りだくさん、クラプトンやボズ・スキャッグズまで出てるわけですけど、ゲストがいないということはそれなりの意味があるということです。 演目は、彼らのファースト、セカンド・アルバム収録曲をそのとおりの順序でやってます。Beginnings をライブでやっているわけです。 Duane Allmanが亡くなってからずっとこのバンドは、亡霊を追いかけている、あるいは追いかけられているバンドのように思われるのですが、この日の演奏は、吹っ切れたような出来です。 グレグ・オールマンは元気いっぱい、そして、このバンドがDerke & Warren Bandだということを証明するような演奏です。 40年前よりはるかにタイト、多彩なアプローチ、負けない熱気、何でこんな褒めてるんだろ。 リズム隊が良くなっているのが効いています。ベースのOteil Burbridge、パーカッションのMarc Quinonesのおかげで、タイムの悪い、Jaimoが目立たないのがいいです。 2人のギタリストは、デュアンやベッツを意識しないで自分のスタイルでぶちかましています。アレンジは基本的に40年前と同じですけどね。 デレク・トラックスはガキのころからバンドと一緒にいるので、オールマンとベッツのスタイルが自然に身についているようですが、彼のテクニックとインド音楽趣味が嫌味に聞こえず自然です。ディッキー・ベッツは、貧乏くじを引いたのだと思っています。 デュアンがいた頃は、相方の懐が深いので自由にやっていたわけですが、いなくなってから一人二役をせざるを得ず、技術が向上した分、ベッツらしさがなくなってしまっていた。ベッツは、デュアンとベッツのスタイル折衷になっていたのだと思います。そこへ、馬鹿テクで同様の折衷は卒業しつつあった、デレク・トラックスが登場したので居場所が無くなった。 ウォーレン・へインズは自分を弁えていてベッツがいた頃も、今も、でしゃばらないし、自分のスタイルがありますからね。 この日の演奏では、珍しくヘインズが全開します。 21世紀のロックとしてこの演奏にどんな意味があるのかは、解りません。ただ、このバンドの膨大なライブの中では、出色のものかと感じました。 Beginnings とこれがあればいい。 デュアンがいるときのライブというのであれば、フィルモア・イースト(1971/3/12.13,ただし、6/27演奏もあり)は、いつも書きますが落ちます。Eat A Peach DX Ver.のフィルモア・ラスト・ライブ(1971/6/27)がはるかに良いです。 個人的にはLudlow Garage(1970/4/5.6)がすきですけどね。Atlanta Pop Fesもいいのですが、雨の中断が。馬鹿なMCと。どちらも、いずれにしろフィルモア・イースト・ライブよりはるかにましです。ワイルドで繊細、疾走感があります。 Hittin' The Note で買える、アーカイブについて簡単に触れましょうか。 Allman Brothers Band American University 12/13/70 演奏よし、音も悪くない、ただしモノラル。 Allman Brothers Band SUNY at Stony Brook, NY 9/19/71 デュアンの死の直前、Blue Skyでベッツが上がり気味のヴォーカル。 演奏は、抜群、音は、前半ちょっと悪い。お馴染みのナンバーで、デュアンが「これまでずっと楽しくやってきた曲、これからもそうなるさ」と言っているのが悲しい。 方向性の変化が感じられる演奏なのですけどね。 Allman Brothers Band Macon City Auditorium 2/11/72 デュアンが抜けて、ギタリストがベッツだけ、ベースがBerry Oakleyというオリジナル・メンバーによる最後のライブかな。 ベッツが一生懸命頑張ってる。演奏、音、悪くないけど、まあ、この編成のライブ音源として記帳と言うことでしょうか。 Allman Brothers Band Nassau Coliseum Uniondale, NY 5/1/73 ベースがLamar Johson, キーボードにChuck Levellが加わってのライブ。 音は、少し落ちる。演奏は、今考えると、クスリでヘロヘロのはずなのに良くやってたなか。 ベッツは相変わらずスライド・ギターは一生懸命。チャック・リヴェルがリード・ギターの代わりで、1人で頑張っている。 Allman Brothers Band Boston Common 8/17/71 オリジナル・メンバーでフィルモアの後、Stony Brookの前というときの演奏。 張り切ってやっているのは解るのですが、音が落ちる、それと、チューニングに苦労しているのですね。 まあ、スライドを使うのでチューニングの狂いがあっても何とかできるわけですが、ベッツも狂っているので。 デュアンは、チューニングの狂ったギターでもベンドを効かせてあわせているのが凄いといえば凄いかな。 ベンドで二音上げたりするところを、チューニングが狂っているから1音半と言うか1音四分の一とかベンドさせて、立て直そうとするというのは、ライブでドサ回って自然に身についたんでしょうね。 クルーグマンの話なんか、読みたくないでしょ?書きたくもないし。
by nk24mdwst
| 2010-09-29 18:20
| 音楽
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