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a lonely whistleblower

気温がそれほど低くないので雪ではないのですが、昨日から、雷が鳴り、つよい風を伴ってときおり雨が激しく降る天候です。あられ混じりです。

今日から、仕事ですね。

休みの間に全部読破できませんでしたが、Aaron 編のThe Crisis In Tax Administrationは、アメリカの税務行政における問題点を列挙して検討しています。
1998年改革法成立には、それなりの背景があったのですが、その後の状況について分析をしています。
この本は、ブルッキングズ研究所が出しているわけです。ここは、一般に民主党系のシンクタンクとされているのですが、この本で分析されている問題点等について一昨年あたりから、IRSが対応しようとして来ているのだというのが現在の認識ですね。

この問題も採り上げられていました。
IRS to regulate paid tax preparation

By David S. Hilzenrath
Washington Post Staff Writer
Tuesday, January 5, 2010

The Internal Revenue Service plans to test, register and screen people who get paid to prepare tax returns, stepping into a virtually unregulated business on which millions of Americans depend for crucial financial services.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/01/04/AR2010010401651.html
税務申告というような非常に重要な仕事をお金を取っているにもかかわらず、大多数の申告書作成代理業者は許可も受けずにそれを行っているというわけです。
床屋さんでさえ、許可が要るのにと。

有償サービスに対しての規制監督強化ということですね。アメリカでは、このほか、ヴォランティアによる低所得者向けの申告サーヴィス等があるのですが、それ以外に対する規制強化を行うということですね。
いい加減な申告をして結果的に納税者に負担をかけている、あるいは、組織的に不正を行っているというわけです。

アメリカの税法が非常に複雑で素人にはとても簡単にできるものではないという点があるのが一点ですが、もうひとつは、e-file、つまり、電子申告の問題が深く関係しているのだと思います。
IRSは電子申告の達成に関して目標を設定されていてそれを達成しなければならないのですが、そのための手段としてH&Rブロックといった大手の申告代理業者を利用したのですね。
これについては、日本でも同様のことが、税理士、税理士会に対して国税当局の圧力に感じられるようにも思えます。

日本においては、給付付き税額控除を導入したときにどうなるかですね。

ちなみに、日本においては、税理士業務、つまり申告書の作成等は税理士の独占業務とされています。弁護士などの場合の法律相談等に関しては有償独占、つまり、報酬をもらう場合に限る独占とされているわけですが、税理士法には報酬をもらうという限定が存在しないので、結果として、いわゆる無償独占という形になっているわけです。

無償独占によって誰が利しているかという問題については、色んな意見があるでしょうね。
個人的には無償独占廃止論者でありますし、無償独占の堅持を掲げる税理士会、日税連とは立場を異にするのですが。
無償独占の代償として、税理士、税理士会は、いわゆる税務支援という形で税務署の下請けをさせられることになります。また、無償独占を認めている代わりに、監督権は税理士会の自主的なものの上に、財務大臣がそれを持っているということで、無償独占の代償の本質は、税理士の独立性の放棄なのだと思います。
要は、最終消費者、つまり、納税者にとって最善の方法はどちらなのかということなのでしょう。

税制改正大綱に掲げられて事柄がどのような形で法律の形となっていくのかを見ながら、これについて検討していかなければならないのでしょう。

一方、不況下で税収不足ですからアメリカでは、多国籍大企業に対する課税強化というか税務調査の強化を行うという話です。
Tax Enforcers Intensify Focus on Multinationals

By MATTHEW SALTMARSH
Published: January 4, 2010

While the recession may be ending across much of the world, its effect on revenue collectors and corporate tax returns will last much longer.

Tax inspectors had already been increasing their focus on multinational businesses, specifically taking aim at an arcane area of international accounting called transfer pricing. Such scrutiny is intensifying, according to tax experts, as governments seek ways to close their growing budget deficits.
http://www.nytimes.com/2010/01/05/business/global/05pricing.html
特に移転価格税制を重点的にやるということのようです。

ところで、UBSの内部告発者に対する刑罰を緩くしろという連邦政府の言い分に対して、連邦地裁はノーと。
U.S. judge rejects leniency for UBS whistleblower

Tom Brown

Fri, Dec 11 2009

MIAMI (Reuters) - A U.S. judge on Monday upheld the prison sentence of a key informant in the tax fraud case against Swiss bank UBS AG and ordered him to start serving his 40-month term as scheduled this Friday.
http://www.reuters.com/article/idUSSGE60303Z20100104
40ヶ月ですから、3年4ヶ月の実刑は確かにきついですね、内部告発者にとっては。
この内部告発によって多額の脱税がみつかったわけで、それを考慮してくれというのが内部告発者とその弁護士の言い分です。
ところで、アメリカには脱税の密告に対して報奨金が出るのですね。この場合は、みつかった脱税額の30%ということになります。
密告者が犯罪を犯したかどうかは基本的に問われないことになっています。
このUBS事件において、最終的にどうなるのか結論はまだ出ていないようですが。
by nk24mdwst | 2010-01-05 14:40 | 租税法(アメリカ)


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