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same old mistakes

暑いです。フェーン現象気味ですね。朝から30度超えてますから。

UBS事件は、スイス当局が譲歩するような兆し。
UBS data transfer to U.S. possible: Swiss judge
Tue Jul 14, 2009 12:46pm EDT

By Lisa Jucca, European Wealth Management Correspondent

ZURICH (Reuters) - Swiss bank UBS UBSN.VX
U.S. authorities have asked UBS to disclose the identity of 52,000 Americans suspected of using secret Swiss accounts to dodge taxes. UBS has so far resisted saying a blanket request to disclose the names of the clients would breach Swiss law.

But Christoph Bandli, President of Switzerland's Federal Administrative Court which has the power to rule on data transfer, said U.S. tax officials can legitimately ask for unnamed client data as long as they set out a specific category of clients.
http://www.reuters.com/article/ousiv/idUSTRE56D52A20090714
どちらも2のワン・ペア、腕力勝負みたいなポーカーをやっているように見えます。

医療保障改革の税源は所得税でというのが民主党の総意であるようですが、どのような形をとるかについては、意見に違いが。
The Deep-Pockets Mirage

Wednesday, July 15, 2009

THERE IS a serious case to be made that the U.S. income tax system should become more progressive. The average rate paid by the top 1 percent of households shrank from 33 percent in 1986 to about 23 percent in 2006. At the same time, the share of adjusted gross income claimed by that highest-earning sliver of American society doubled, from 11 percent to 22 percent. So, in principle, higher taxes for the well-heeled could make sense -- as part of a broader rationalization of the unduly complex tax code.

But there is no case to be made for the House Democratic majority's proposal to fund health-care legislation through an ad hoc income tax surcharge for top-earning households. The new surtax would hit individual households earning $350,000 and above. It would start at 1 percent, bumping up to 1.5 percent at $500,000 in income and to 5.4 percent at $1 million. The new levy would begin in 2011 and is supposed to raise $540 billion over 10 years, about half the projected cost of health-care reform. The rest of the money would come from reduced spending on Medicare and Medicaid -- though the surtax for the lower two categories would jump by a percentage point each in 2013 unless the Office of Management and Budget determines that the rest of the bill has saved more than $150 billion.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/07/14/AR2009071403075.html
医療保険の雇用者負担分、すなわちフリンジ・ベネフィットに課税するという大統領周辺の意見と高所得者に対する、超過税率の適用という意見とに分かれるようですね。
課税ベースを広げるか、税率を上げるか。

税率を上げることによって、勤労意欲がなくなるなんて馬鹿な話はしていませんが、租税回避に走るインセンティヴになるとワシントン・ポストは警告しています。そのとおりですね。

昨日だかの日経で、年金財源を高齢富裕層に求めるという意見がありました。
一つは、相続税の課税強化、もう一つは、公的年金に対する課税強化。
沢山相続財産を相続した人に課税するというのは、スタートの公平性を図るという意味では正しい、とかなんとか。
技術論では、そう簡単な話ではないですね。相続財産がすべて現預金や株式等の換金可能なもので評価が定まっているものばかりならいいですが、土地という場合がかなりあるわけです。これをどう考えるか。
それと、課税最低限を下げる、つまり基礎控除を引き下げるという方向で改革すると税収は確かに増加するでしょうが、都市に住む地価の高いところに住んでいる人の生存権に関る可能性がありますね。
最高税率を引き上げるというのが妥当な線だとすると、これまた節税に走るインセンティヴを作ります。

公的年金課税強化は、これも高額な公的年金をもらっている人の一定額以上のところに対する税率をあげるというようなことを考えているのかな。単に、基礎控除を引き下げるということだと、国民年金しかもらえないような人に対する課税の強化になります。
年金をもらっている人を見ていると、明らかに階層化が進んでいることがわかりますね。

国民年金しかない人。自営業者、一生専業主婦だった人というところでしょうか。それから厚生年金に加入していない、あるいは加入できない自営業者のところで働いていた人。
年間60万余りで何ができます?!

基礎年金に加えて厚生年金のある人。この人たちは、中小企業のサラリーマン上がりの人は、年間200万には届きません。
大企業のサラリーマンだった人は、管理職ではなく現場の人たちであっても二階建て部分、つまり年金基金もあり公的年金で課税が起きている人たちですね。
この人たちのうち、親会社のあと子会社その他へ出向のような形で勤めることができた人たちは、さらに年金額が増えています。
この上の階層として地方公務員、国家公務員という共済組合の人たちが存在します。
この人たちの給付水準が高いわけですが、このうち、さらに天下りとかで民間へ勤務した人は厚生年金ももらえるというわけですね。

まあ、年金だけでも格差があるのですが、年金の格差と同様、退職金にも同様の格差があります。

本当の格差は、年金所得の大小ではなく、年金を沢山もらっている人は他に金融性所得も沢山ある場合が多いということですね。この金融性所得に関しては、分離課税されているので、これに対する課税をどうするかを考えないと駄目でしょう。

今朝の日経では、固定資産税が良いというタイトルだけを眺めました。固定資産税に累進性があっていい伊というのですが、馬鹿じゃないかと思います。あれほど逆進性の強い税金はありません。

地方自治と福祉財源という文脈を持ち出すのなら少し話は変わるかもしれません。

昨日は、Leon Russell を聞いていました。とにかく、なぜか、無性ににJim Gordon が聞きたくなって。
まあ、選択の失敗だったわけですが。
車の中で、Joe Cocker を聞いていたのが理由ですけど。
リオン・ラッセルのeponymous ソロ・デヴューは、余った時間のやっつけ仕事のつぎはぎだなと感じますね。
16歳のときに聞いた感慨は、どこかへ行ってしまいました。まあ、Hummingbird でギターを弾いているのはSteve Stills だなと思ったりするくらいですか。

アメリカでは連邦最高裁判事候補者への公聴会が続いています。
Nominee Says Identity Wouldn’t Distort Decisions

By PETER BAKER and NEIL A. LEWIS
Published: July 14, 2009

WASHINGTON — Republican senators sparred with Judge Sonia Sotomayor on Tuesday over racial bias, judicial activism and temperament as she presented herself as a reliable follower of precedent rather than a jurist shaped by gender and ethnicity, as some of her past speeches suggested.

In calm, low-key and at times legalistic testimony, Judge Sotomayor rebuffed hours of skeptical questions and stuck resolutely to her message that if confirmed to the Supreme Court, she would not let personal bias influence her rulings. In the first two hours alone, she said she ruled by applying “the law” or some variation at least two dozen times.
http://www.nytimes.com/2009/07/15/us/politics/15confirm.html
非白人、かつ、男性でない初めての連邦最高裁判事(任期がないので終身)になるソトメイヨー判事は、中々タフですね。55歳か。
人種的バイアス、あるいは裁判における積極姿勢、つまり、被告、原告およびそれぞれの代理人よりも判事が主導するタイプの裁判姿勢について問われていますが、びくともしていません。

個人的にはこの一節が気に入ったというか。
“It’s a refrain I keep repeating,” she told the Senate Judiciary Committee, “because that is my philosophy of judging: applying the law to the facts at hand.”
裁判における判断基準としての自らの哲学を語っているのですが、曰く「事実を手に持ち法を適用する」という感じですか。直訳気味ですが。

問題は、何が「事実」であり、適用すべき「法」の要件を満たしているかですね。日本ではこの部分を、事実認定論(要件事実論)と法解釈論に分けて考えるようですが、アメリカではそんなことはしない。
一昨年、合衆国租税裁判所長官の話をうかがう機会があり、アメリカの租税訴訟においては事実認定と法解釈とのどちらが問題とされるのだと質問しました。
コルヴィン判事は、明快に(でもないか、ちょっと考えて)、法に照らして事実を認定するから基本的に事実認定論に帰着すると答えました。
事実を法に適用するか(ソトメイヨー)、法により事実認定する(コルヴィン)、一見違うようですが同じことを言ってますね。

この話をある大学の税法教室で話したら、アメリカ法のいい加減さだって言われましたが、私はそう思いません。
法廷で事実として認定されるものは、必ずしも真実ではなくて、法的適正手続を条件とした事実なのであって、この部分を日本ではなおざりにして、あたかも法廷が晩農振であるかのように真実究明の美名の下に訳のわからん事実を真実とし、結論のために解釈を捻じ曲げ都合の悪い事実は見えない振りをしているのだと思います。
だって、裁判官は謝らない・・・この裁判官の独善性の問題についてはアメリカでも問題視されているのですがね。

アメリカの場合と日本とで大きく違うのは、日本の最高裁なんて司法行政の一組織でしかないということでしょうか。法務省の方が上であるようです。

アメリカに話を戻すと、ソトメイヨー女史はエールだそうですがハーヴァードを出た同じプエルトリカン弁護士の話が、ニュー・ヨーク・タイムズにありました。
Mirroring Sotomayor, for a While at Least

By MANNY FERNANDEZ
Published: July 14, 2009

Ramon J. Jimenez watched Judge Sonia Sotomayor’s confirmation hearings on the television in a corner of his law office Tuesday morning.

Their lives were once on parallel tracks, but have long since gone in different directions.

Both are children of working-class Puerto Rican parents. Judge Sotomayor, 55, graduated from Yale Law School in 1979; Mr. Jimenez, 60, graduated from Harvard Law School in 1974. Judge Sotomayor, a Bronx-born federal appeals court judge, is on the verge of becoming the third woman and the first Hispanic judge to sit on the United States Supreme Court; Mr. Jimenez is a Brooklyn-born lawyer whose Bronx office is upstairs from a bar near the corner of East 149th Street and the Grand Concourse.
http://www.nytimes.com/2009/07/15/nyregion/15bronx.html
同じブロンクス出身、こちらのヒメネス弁護士はハーヴァード・ロー・スクールの出身ですが、ブロンクスにずっと事務所を構え、地域の住民のための仕事をしているというわけです。
最近の年収は、4万ドルだというのですから、仕事と収入が見合っていませんね。
でも、人生観の違いだからしょうがない。

GMのWagoner 氏は、Ex-GM CEO Wagoner retires with $8.6 million というわけで、860万ドルを5年間でもらうのだそうですが。
by nk24mdwst | 2009-07-15 15:18 | 租税法(アメリカ)


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