so comes a new tax in the u.s.?

とうとう出てきましたね。アメリカの連邦レベルでのSales Tax 構想。中身はVATつまり、日本の消費税と同じ附加価値税です。
当たらない予想屋のクルーグマンが言ったことが現実になるんでしょうか。
Once Considered Unthinkable, U.S. Sales Tax Gets Fresh Look
Levy Viewed as Way to Reduce Deficits, Fund Health Reform

By Lori Montgomery
Washington Post Staff Writer
Wednesday, May 27, 2009

With budget deficits soaring and President Obama pushing a trillion-dollar-plus expansion of health coverage, some Washington policymakers are taking a fresh look at a money-making idea long considered politically taboo: a national sales tax.

Common around the world, including in Europe, such a tax -- called a value-added tax, or VAT -- has not been seriously considered in the United States. But advocates say few other options can generate the kind of money the nation will need to avert fiscal calamity.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/05/26/AR2009052602909.html
欧州スタイルの高福祉、高負担になるかどうかは別にして、附加価値税は、打ち出の小槌、不況に強いのですね。

ブルッキングズ研究所のレポート、ヴァージニア・タックス・ロー・レヴュー等の論文を執筆した人の言葉が引用されています。
大統領自身は、VAT導入、それも社会保障財源としてのものに関して、少なくとも消極的ではないようですね。

思いつくままに。

古い小話です。消費税導入のころの本には良く書いてありました。20年も経ったので知らない人もいるかもしれません。

附加価値税は、安定的な税収を確保します。したがってそれは、大きな政府論と親和性を持つ。故に、共和党は伝統的にこれに反対、民主党は賛成。
逆に、低所得者に対して負担が重くなるという逆累進性の問題がある。要するに、高額所得者に有利だと附加価値税の性格を考えると、金持ち優遇政党の共和党の方が、民主党よりも附加価値税導入に親和性がある。

要するに、こんな話には意味がないということです。つまり、前提となる社会の経済構造がどうかという話を抜きにしていますから。

10~14%の連邦レベルのVAT導入が語られています。25%の税率を入れればすべて解決するという論者もいるようです。アメリカ版の中里実先生ですね。娑婆を知らない学者は楽です。東大で落研にいたと中里先生はおっしゃっておられましたっけ。
同世代なのですが。

私の基本姿勢というかスタンスは変わらないわけですが。つまり、基本的に安易な見えない税金である附加価値税導入には、よほど政府の社会保障政策が充実し、社会における経済的平等どの高い国でない限り賛成できないという立場です。

この平等論に関しては、つまり垂直的公平の問題とどう折り合いをつけるかは、カナダのようなVAT税額控除を入れるというような話が持ち上がるのでしょうね。

誰も財政学者は指摘しませんが、附加価値税の実質的な課税標準は人件費なので、これは強力な雇用抑制要因だというのが私が一番問題だと考えている点です。ただ、アメリカの輸出企業にとっては、還付になるので輸出補助金の性格を持つことになります。

まあ、国際的に知的所有権に関するものが電子的に取引される。それにたいして、どう附加価値税を課税するかなんていう、博士論文のテーマにふさわしい問題が現実になってくるのかもしれませんが。
論文テーマ、あるいは論文として完成されたものになるということと、現実世界においてどう機能するかは別の話です。

1986年にオールドマンなどが中心になってアメリカでは連邦レベルの附加価値税について真面目なリサーチが行われ、垂直的公平性(要するに金持ち優遇税制)、それと執行にかかるコストを考慮すると有効ではなく、また、議会の指示も得られないという結論に至ったわけです。レーガン時代の話です。

共和党時代に見送られたものが民主党政権下で導入される可能性がでてきたということですが。実現可能性は、いまのところ未知数ではありますけどね。

実は、アメリカ国民は、とにかく年末調整がないものだから、そして、かなり多めに源泉聴取されているので、4月15日の申告期限間でに厄介極まりない申告書作成を迫られているわけです。
これを、なくそうという議論は前からずっとあるのですね。主として、共和党の議員から出ているフラット・タックス論です。

ワシントン・ポストの記事を見る限りでは、引用されている学者の発言も、どちらかというとフラット・タックス論の延長線上にあるのではないかと感じます。元の論文等に当たっていないので、なんともいえませんが。

中間層以下の所得税の申告をなくす代わりにVATなどというかなり乱暴な議論、少なくとも私にはそう思えるわけですが、そんな議論をしているようにも思えます。

こういう話の進み方を見ていると、リベラル・エスタブリッシュメントなるものの正体見たりって感じます。

いったん、入れてしまうと、後はもう逆戻りはありませんからね。所得再分配効果のある超過累進税率の所得税の比重を下げて、VATにシフトするというのは既に、所得階層分化が二本以上に進んでいるアメリカにおいて適切な政策だとはとても思えないのです。

どこかの国でも直間比率是正なんて言葉がありましたよね。
あるいは、トーゴーサンピン、クロヨン論。サラリーマンは給与を全部把握されているけれど事業者は、みんな税金をごまかしている論。

この手の程度の低い議論は相手にしたくはないのですが、大衆受けはしますね。

翻って、日本では、源泉徴収制度は当然、残すわけですが、給与所得者に関して年末調整を廃止する、あるいは、選択の幅を広げるという議論もありえます。
これをすると、給与所得者も自分の税額がいくらかということの認識ができてその意味において、税金の使い道にも関心を持つようになるでしょう、いま、以上に。さらに、税務行政手続における日本の後進性の問題も国民的な問題として浮上してくるのだとは思うのですけれど。

このくだりは、建前として私の持論であります。本音もそうすればいいと思ってます。でも、現在の国税当局の体制はそれが可能なのかって疑問がありますが。
でもまあ、税金って文明の対価ですから、コストがかかっても自分で申告する方が、民主主義の原点なのだと思うのであります。

役所の人間でもないのに、役所の味方をする必要もないので、民主主義の対価としての税金は国民一人ひとりが計算して納付すべきだという原則論をぶっておくことにします。

というか、日本人は基本的に申告するのが原則だということにならないと日本で納税者権利論をぶっていても、仕方がないという部分があるのですね。
ここは、お上は良くわかっていて、分断して統治せよを実行していますから。

ブログで一応匿名ということになっているので、色々あるから、そう簡単な話じゃないって本音が書けます。名乗ったら、やっぱり、原則論をぶつしかないでしょうね。

日本の自民党も民主党も、政府、財界もみんな消費税率引上論なので、アメリカのこの方向転換が実現すると大きな影響があるでしょうね。

州政府レベルの売上税と連邦レベルの消費税の二重構造をクリアできるか、つまり、行政コスト等に関してですが、これに関しては、少なくともカナダで行われているのは事実ではあります。

ただ、現在のIRSの執行能力からすると、どうなのかなと、感じますけどね。

何で私ごとき田舎者が、日本の国税当局やIRSの税務行政執行能力にまで懸念を表明する必要があるのかって思いますが。どちらも、人的資源、能力ともかなり限界なのではないかと感じているのも事実なのです。
限界だから、無茶なこともしているのかなという気もしますが。

それから、インボイスを用いた附加価値税は透明で脱税のない税金だなんていうのは幻想ですから。日本は、おそらく、世界で一番、附加価値税について脱漏のない国だというのが私の感想なんですけどね。

アンダーグラウンドにマネーがもぐる誘引を新たに作るのでしかないと思います。

おそらく、財政学者や役所の偉い人たちは、免税店で買い物したりとか、マーケットの現金商売がどのように行われているのか、経験したり見たりしたことがないのでしょう。
北欧とオーストラリアという一番、番号制度が完備し、かつ、納税意識も高いとされる国で私が見聞というか、実際に買い物をしてみて、あるいは、市場等の様子を見て、個人的な経験、制度等から総合的に考えると、抜け道はあるのだという確信が強くなったのです。

現金流通量が増えるのですね。そして、それが自国通貨ならまだいいのですが、ハード・カレンシーとして通用する他国の通貨なのだとしたらということです。

ドルは世界中で通用するわけです。一方、アメリカで現金取引すると、そうですね100ドル以上の現金を見せると変な顔されますよね。表の人ではないような。
カードと小切手の社会だから、案外、上手く機能する、つまり、アングラ・マニーにならないかもしれないかどうかは、誰にもわかりません。

Derek Trucks を聞いています。彼は上手いですね。

ついに来る日が来たのかと思います。ただ、欧米のエコノミストは今回の不況は、今年いっぱいという見通しを出しているようですが、根っこが見えているのかな。

まあ、わたしは、狼少年の大嘘つきですから、私の危惧が全部外れてくれるに越したことはないわけです。
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by nk24mdwst | 2009-05-27 15:55 | 租税法(アメリカ)


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