in bed with flu

今日も冷たい雨が。
経済の先行きはというと
Life Without Bubbles

By PAUL KRUGMAN
Published: December 22, 2008

Whatever the new administration does, we’re in for months, perhaps even a year, of economic hell. After that, things should get better, as President Obama’s stimulus plan — O.K., I’m told that the politically correct term is now “economic recovery plan” — begins to gain traction. Late next year the economy should begin to stabilize, and I’m fairly optimistic about 2010.
来年の後半には経済活動は安定するだろうし、2010年に関しては楽観的だとクルーグマンは言っています。しかしその後はというと。

これまでのアメリカが享受し、世界がその分け前を受け取っていたようなブームは来ないだろうと。バブル待望論をいさめています。そして
A more plausible route to sustained recovery would be a drastic reduction in the U.S. trade deficit, which soared at the same time the housing bubble was inflating. By selling more to other countries and spending more of our own income on U.S.-produced goods, we could get to full employment without a boom in either consumption or investment spending.
アメリカの内需拡大が結局最善の手段であり、アメリカ人が自ら生産する以上に消費することをやめるべきだろうと。つまり、財政赤字と貿易赤字の双子の赤字の内、貿易収支を改善すべきだというのですね。
たしかに、保護主義論に見えます。

しかし、問題点を二つ指摘していて、一つは、アメリカの製造業がこの20数年の間に国際競争力を失ってしまっていることです。いかにして、国際競争力をつけ、付加価値のあるものを国外に輸出することが可能か。
さらにもう一つの問題は、このよう方向にアメリカが舵を切ることは、中国を筆頭とするアメリカへの輸出に頼っている国にとっては受け入れがたいものであろうとも述べています。

個人的には、FDRが、1937年に犯した失敗を引用している次の部分が一番気になるところです。
But once the economy has perked up a bit, there will be a lot of pressure on the new administration to pull back, to throw away the economy’s crutches. And if the administration gives in to that pressure too soon, the result could be a repeat of the mistake F.D.R. made in 1937 — the year he slashed spending,
raised taxes and helped plunge the United States into a serious recession.
http://www.nytimes.com/2008/12/22/opinion/22krugman.html?partner=permalink&exprod=permalink
何度もクルーグマンが指摘していることですが、1937年にまだアメリカ経済が完全に回復していないにもかかわらず、FDRが財政均衡論者に負け、金融引き締め際政策に転じ、さらに、租税負担の引上げを行ったことが、結果的にアメリカ経済が二度と立ち上がれないほどの恐慌を招いたのだという事実の指摘です。

この本当の恐慌の襲来から脱出するための方策は結局一つしかなかったのだと思います。第二次世界大戦と呼ばれている公共事業ですね。
第二次世界大戦は、まず欧州で始まりますが、不思議な始まり方ですよね。独ソ不可侵条約が電撃的に結ばれた後、独ソの二ヶ国によりポーランドに対する侵攻が行われ、分割されてしまいます。
イギリスはポーランドと協定を結んでいたのでドイツに対して宣戦布告するのですが、ソ連に対しては何もしません。この点は、その後の冷戦という虚構の戦争を考える上で重要な視点かと思います。

いずれにしろ、この英仏独伊による欧州大陸における戦争開始に際し、アメリカは参戦の理由が見つからず苦労していたのですね。本当に戦争による需要喚起を一番必要としていたのは何処の国かという話です。

まあ、第二次大戦を陰謀論的な史観で見直してみてももう余り意味がないのかもしれないので、このあたりにしておきます。

アフガン、イラクへの侵攻という形で戦争を行ってみたもののアメリカの景気はそれほど回復の兆しを見せず、中間選挙を前にして、どうしても景気を浮揚させる必然がブッシュ政権があったのでしょうね。
戦争とバブルの両方をやったつけは巨大で世界中の政府や大企業の貸借対照表を毀損したわけです。

クルーグマンが示唆するようにアメリカ人が身の丈にあった消費を始めるという方向転換をした場合においては、膨大な過剰設備が世界中に残るだけです。この過剰設備の調整は、BRICS諸国においては、かなり大きな痛みを伴う調整になるように思われます。

景気の底が見えないのに、そして日本経済の成長の長期的な方向性も見えないのに、つまり、景気回復したときの自然増収の仕組を作りもしないで、3年後の税率引上げを譲らない財務省筋は、どうかしています。
どうして経済をスタティックにしか見られないのか、私には理解できません。おそらく、財務省キャリアのみなさんは自分で、アパートの契約をしたり、教育ローンを申し込んだりといったレベルの通常の社会経済的な行動をとった経験がないのでしょうね。

クルーグマンはブログで、アメリカ南東部諸州の失業率の急激な上昇を指摘しています。
December 22, 2008, 9:28 am
Southern discomfort
Why is this happening? The Slump Belt does sort of look like the “auto corridor”; maybe what we’re seeing is the geographical location of cyclically sensitive manufacturing industries.
http://krugman.blogs.nytimes.com/2008/12/22/southern-discomfort/
クルーグマンがここで問題にしているのは、自動車回廊における失業率です。これらの州が、共和党の基盤であったわけですが、同様にデトロイトの自動車産業の後背地としての役割を果たしていたことの重要性を指摘しています。
アメリカの雇用統計については、Local Area Unemployment Statisticsで見られます。

日本のトヨタが70年ぶりの赤字決算を予想するというのは、New York Times のトップ記事になりました。トヨタにとって良き事は、日本にとって良き事なり、という時代も終わるだけならいいのですが、大きな後遺症を残しそうです。

雇用や医療を崩壊させたのは、非正規雇用につかざるを得なかった人や、医療現場に働く人が悪いのではありません。
そのような状況が生まれることがわかっていてそれを許す法律を作った官僚システムと財界(経済財政諮問会議とも呼ばれます。)と、その法律を圧倒的多数の議席数で通すことを可能にした国会です。
もちろんその国会議員を選んだのは、今の日本人なのですけれど。

Help Yourself なんてバンドがありますが。イギリスのバンドですが、アメリカのあれに似ているこれに似ているという不思議なバンドです。演奏も歌も達者なのですが、正体不明です。
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by nk24mdwst | 2008-12-23 13:43 | economics


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