夕べも、Leo Kottke を聞きながら寝ました。Mudlark、 Chewing Pineなど、昔、よく聞いたものです。いま、聞いていると、Roy Estrada, Larry Taylor などのベース、Paul Lagos, Kenneth Buttreyがドラムの前者はともかく、Bill Petersonのベース、Bill Berg のドラム、それに Bill Barber がピアノ・キーボードの後者は、彼らが明らかに邪魔です。
30年前には、ドラムとベースなどが加わると、Ry Cooder、Lowell George と同様の流れの中にいる人のように思えました。カントリー・ブルース色は、一見強めだけど、そのような路線で売ろうとされたのかもしれません。 いまは、彼が、全く違うバック・グラウンドから現れた12弦ギターのギタリストで歌もときに歌う人というべきでしょうね。 他人の曲をやらないことはないのですが、彼のインストゥルメンタル曲のほとんどが若干のトラッドをアレンジしたものを除くと基本的に彼の自作だということが案外、重要に思えます。 独特のコードの使い方、彼独自のテクニック、リズム感と曲が一体化しています。 彼の技術を活かすための曲といういい方もできますし、彼の頭の中で鳴っていた音楽をやるために独特の弾き方を編み出したというのも事実でしょう。 John Fahey のナンバーもやっていますから影響下にあるように見えますし、ちょっと聞くとカントリーないしカントリー・ブルース、あるいはブルー・グラスの強い影響下にあるギタリストに聞こえるのですが、少なくとも1970年代の彼の自作曲は、いわゆるホワイト・ブルース・ギタリストなどとは明確な一線を画す独自性があるように聞こえます。 1980年代になってフィンガー・ピッキングの負担を和らげるためにソフト&メロウというか、オーソドックスなギター・テクニシャン風の曲が増えたような気がしないでもないです。 おなじみ投稿サイトに映像がたくさんあるのですね。テレビ出演等をかなりしていたようですから。 Duane Allman のLittle Martha などをやっていますが、軽々とやってみせるのは当然だとして、彼独特の和声を交えています。 話は変わりますが、期間税と遡及効についての議論も大事な論点だと思いますが、8月の季節柄というと不謹慎ですけれど、いわゆる戦争犯罪という事後法の遡及効の問題についてニュルンベルク及び東京裁判の意味、意義を考えてみる価値はあるのだと思います。 どちらの裁判もドキュメンタリー映画が製作されています。ドキュメンタリーという手法の映画にも当然シナリオがあるわけで、実際に起きた事件、事象を写し取ってはいますが、それを映画として提示するときには、製作者の意図が当然反映されます。 ただ、製作者の意図がどこにあろうと、でっち上げ映像を差し込んでない限り、どうしても隠しきれない事物の本性は現れるのだと思います。 もっとも、これらの裁判自体にシナリオが設定されていたということ自体まで見えてきたりするのですが。 「東京裁判」、「ニュルンベルク裁判」の映画自体は、30数年前に見ましたし、最近、何度か見直しもしています。 昨年、ルドルフ・ヘスを題材にしたドキュメンタリーを初めて見る機会がありました。映画「東京裁判」の冒頭で、大川周明が東条英機の頭をポカリとやるシーンがあって、その部分だけでもあの映画は見る価値があると思ったりしていました。 大川周明は戦争犯罪の被告として登場するのですが、かのポカリ事件により、精神に異常を来たしているとして、裁判から完全に外されてしまいます。 彼が本当に精神に異常を来たしていたのかどうかはわかりませんが、ヘスの記録映画を見て、ヘスがニュルンベルク裁判の公判中に取った態度とその背景について少し知ることができ、脚本を壊す可能性のあるものは最初から排除しておかないと拙いという判断が働いたのだと理解できました。 東京裁判というとインドのパール判事が云々ということに良くなっているようですが、パール判事は脇役以下ですね。 どちらの裁判も共通するのは本来主犯として登場すべきであったであろう人物が登場しない(できない)ということが大前提にあったと言う事でしょう。 事後法による遡及による処罰を適正手続論からどのようにして正当化できるのかという点については、否定的にならざるを得ません。 逆に考えなければならないのは、正当化できないものを正当化することによって守られたものは何か。守られたものは、戦勝国にとって必要であっただけではなく、敗戦国にとっても必要だったのではないかというようなことがずっと私の疑問として残っています。というくらいにしておかないとと。なにせ、問題がセンシティヴですから。 平和に対する犯罪、戦争犯罪という概念を戦争終結後、戦争に勝った国が作り出し、それによって負けた国の「戦争指導者であったとして特定された人」を裁くことの法手続的適正性の問題が先ず、あります。 仮に、上記の法的適正性を認めたとして(私が個人的に上記の裁判の合法性を単純に認めているということではありません。)、戦争犯罪人として法廷に引きずり出された人たちは、本来そのような罪で裁かれるべき人だったかどうかという点についても検討されるべきでしょう。 元へ戻るかもしれませんが、まず、ニュルンベルク裁判、東京裁判の法的正当性について検討される必要が当然あります。 次に、実際に裁判自体は行われているわけですから、その裁判における訴訟手続自体が適正手続原則に適合しているかどうかという問題があります。 次いで、被告として裁判を受けた人たちは、本当に被告とされるべきだったかという問題があります。さらに、最大の問題は、被告とされるべきだったのは彼らだけだったのか(当然、被告とされるべきではなかった人もいるのではないかという議論と表裏一体です。)という問題があります。 私は、当時の日本の戦争指導者とされた人たちをなんら擁護する考えは持ちませんが、東京裁判自体は本来、被告としてその責任の有無を追及されるべき人物を最初から除外していたという点において、大きな問題があると考えています。 平和に対する罪などというものは、ニュルンベルク裁判以前には存在しない概念だったわけですが、それ以前においても少なくとも非戦闘員に対する無差別攻撃は戦争犯罪であるという概念は確立していたはずです。 ここで問題となるのは何かというと、ナチス・ドイツによるロンドン空爆、日本軍による重慶爆撃が先行するわけですが、はるかに大規模かつ計画的に行われた連合軍における例えばドレスデン空爆、東京大空襲その他日本の大都市空爆、そしてヒロシマ、ナガサキへの原爆投下についてです。 仕事場で今日は、Richard Thompson が流れていますが、イギリスのトラッドって戦争の歌ばかりです。 租税は文明の対価であるといういい方が正しいかどうか。 文明という言葉を多元的に理解するかどうかで決定的に違ってくるはずです。 文明を多元的に理解するなら戦争は起きず、戦争のための費用をまかなうための租税も不要ということになりますからね。 Oliver Wendell Holmes, Jr. 連邦最高裁判事は、アメリカが大陸国家化しミシシッピ以西でジェノサイドをやった時代を生きている人ですからね。 リチャード・トンプソンのギターの弾き語りを聞きながら、Whiz Kid だった彼は、ちゃんと立派な男性になっているのですね。右手の小指で引いてる音が聞こえます。Bert Jansch は、昔は、ギタリストだと思っていましたが、彼はシンガー・ソング・ライターというべきだと。トンプソンの方がはるかに歌もギターも安定しています。 まあ、ジャンチの独特のふらつきに魅力はあるのですが。 ついでに返す刀で、James Blood Ulmer しゃんとしろ、ジミヘンと同い年だろうがと。昔、Are You Glad To Be In America? にぶっ飛んだことがあったのですが、まあ、あの頃の私が変だったのは事実だし、彼のギターが心地よく聞こえたという方が間違い。 最近の体たらくを見ていると、ギターのチューニングもまともにできないへたっぴといわれてもしょうがない。 だって、まともに年、食ってもやってるやつはやってますから。そうです、中日の山本昌のことです。
by nk24mdwst
| 2008-08-05 12:53
| 音楽
|
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