Consumption Tax in Japan

Acknowledgement for foreign readers

I'm studying the taxation in Japan and learning the taxation in the U.S. and other countries, though I'm not a scholar.
Someday I will translate some articles about the income tax and the consumption tax, which I've written. I wrote those in point of the comparative view. I want to know what cause some controversial issues by the comparative method.

For foreign readers, who may not know the taxation in Japan and the Japanese tax ministration and/or Japanese legal procedures I have to rewrite my articles.

Someday I want to bring out my articles under my own name.

日本の消費税について考える

Ⅰ.はじめに

平成元年に導入された消費税は、国民の間に定着したといわれています。しかし、消費税についての納税者と行政処分庁である課税庁との間でトラブルが生じることも少なくありません。その一方、消費税率の引上げは、不可避であると思われます。

政府税調答申を消費税率の引上げを当然の前提としています。また、民主党も消費税を年金財源としての福祉目的税とするという考え方であり、その場合、当然、税率の引上げの問題が出てきます。

ガソリン税の問題でも明らかなように、特定の税を目的税とすること自体は、財政学の基本的な考え方からすると財政の硬直化につながると考えられるので、消費税の福祉目的税としての特定財源化に関しては、あまり賛成できないと考えています。消費税の適正税率がどれくらいであるかどうか以前の問題です。
ここでは、現行消費税の課題を立法上の問題点も含めて検討したいと思います。
 
Ⅱ.消費税の沿革

1.付加価値税の沿革

消費一般に対する課税の方法としては、小売売上税、累積型取引高税、付加価値税等があります。
小売売上税、累積型取引高税は、いずれも、企業間取引における税の累積の問題を排除できない(水野忠恒『租税法 第2版』(有斐閣、2005年)663頁以下)
という問題点があるとされています。
小売段階までを対象とする前段階税額控除型付加価値税は、1967年のEU一次指令に基づき、1968年1月にフランス・旧西ドイツにおいて初めて導入されました。

EU型付加価値税の特徴は、事業者間取引における税の累積を防ぎ、最終的に税を消費者に負担させるために、インボイス(納品書を意味します。)を用いることにより、事業者が仕入段階で支払った付加価値税額を控除する仕組をもつことです。インボイスの記載事項として求められるのは、発行者が課税当局に登録した事業者番号を除くと、日本の消費税法が帳簿及び請求書等において求めている記載事項と基本的に同じと考えてかまいません。日本の場合は、5%の単一税率ですから不要ですが、複数税率を用いる場合にはインボイスにその取引の適用税率の記載が求められることになります。

EU型付加価値税はその後急速に世界各国で導入されるようになりました。ただし、アメリカにおいては、レーガン政権時代にその実施に向け詳細な検討が行われました
(アメリカ財務省編・塩崎潤訳『公平・中立・簡素および経済成長のための税制改革』(今日社、1986年)は、その検討報告の邦訳です。)
しかし、結果的には導入が見送られ、現在に至っています。

アメリカにおいて連邦レベルにおける付加価値税導入論は常に行われているのですが、前述の報告では、付加価値税の有する逆進性の問題が課税の公平に反すること、州やその下の地方政府レベルにおいて主な財源とされている小売売上税(Sales Tax, Use Tax)等と並存することとなり制度が複雑化することとそれに対する行政コスト面からメリットがないと結論付けているわけです。
なお、カナダにおいては、アメリカ同様、州レベルの小売売上税が存在するわけですが、連邦レベルの付加価値税としてのGSTも課税されています。

2.日本の消費税の沿革

日本における一般消費税導入は、昭和53年の一般消費税法(仮称)案及び昭和62年の売上税法案挫折を経て、昭和63年12月の消費税法成立によっています。また、消費税法は、成立・施行に際し、その立法趣旨を説明する税制改革法の立法を伴っていたことは極めて異例のことであるといえます。

税制改革法においては、消費に広く薄く負担を求める消費税を創設(同法10①)」し、「消費税は、事業者による商品の販売、役務の提供等の各段階において課税し、経済における中立性を確保するため、課税の累積を排除する(同法10②)」ものであると規定されています。また、「事業者は、消費に広く薄く負担を求めるという消費税の性格にかんがみ、消費税を円滑かつ適正に転嫁する(同法11①)」とも規定しされています。

これらの規定から、消費税は、消費に広く負担を求める一般消費税であり、付加価値税として制定されたという立法趣旨を読み取ることができます。

税制改革
法の性格に関してですが、消費税法に対する関係において、「講学上のいわゆる上位規範に当たるものではない。」(東京地裁平成2年3月26日判決(税資175号194頁))における被告・国側主張
とされています。
この裁判において、判決はこの点について明確な判断を下していません。

消費税導入当初の段階において、税制改革法の租税法体系上の位置づけ、さらに消費税の本質が付加価値税であるか否かについて、裁判所は、明確に判断すべきであったと考えられます。インボイスを用いるか、帳簿を用いるかというような点は本質的議論では全くないのです。

実際に商取引を行ったことのない、旧大蔵官僚や、裁判官には取引における価格決定メカニズムを理解することは決定的に不可能です。
戦後の日本は、長い間、価格統制経済であったというべきですが、規制緩和、厳密には規制撤廃というべきですが、自由に市場が核を決定するシステムが広く導入されると同時に付加価値税である消費税が施行されたことは、特に留意が必要だと考えます。

社会主義経済のような統制経済、あるいは、戦時下の日米のような統制経済下において消費税は導入されたのではないのです。

Ⅲ.消費税の課税対象の問題点

1.納税義務者

(1)事業者

消費税の納税義務者は、国内において課税資産の譲渡等を行った事業者であって(消法5)、一般消費者ではありません。

消費税における消費者、納税義務者である事業者等の関係について判例は、
「消費税法及び税制改革法には、消費者が納税義務者であることはおろか、事業者が消費者から徴収すべき具体的な税額、消費者から徴収しなかったことに対する事業者への制裁等についても全く定められていないから、消費税法等が事業者に徴収義務を、消費者に納税義務を課したものとはいえない。」(前掲東京地裁平成2年3月26日判決)
と判示し、消費税の納税義務者は、事業者であり、消費者が納税義務者、事業者は徴収義務者と解釈する余地はないとしています。
最高裁平成5年9月10日判決(税資198号813頁)も、【判示(5)】として
「また、消費税法5条1項、税制改革法11条1項の規定によれば、消費税は、課税資産の譲渡等を行う事業者を納税義務者として課される間接税であり、事業者は、消費者が支払う消費税相当額の金員を、売買等の契約という法律上の原因に基づいて取得するものであるから、上告人と被上告人国との間で、上告人が売買契約の相手方である事業者に支払つた消費税相当額の金員につき不当利得関係を生ずるものではない。したがって、所論違憲の主張は、原判決の結論に影響のない事項について原判決を論難するものにすぎない。論旨はいずれも採用することができない。」と
しており事業者が納税義務者であるという点で同旨です。

また、
「事業者が消費税を転嫁すること自体は、経済取引における力関係によって決定されるのであり、税制改革法や消費税法によって担保されているわけでもない。」(大阪高判平6.12.13、税資206号679頁)
と判例が示すとおり、消費税の転嫁を担保する法規も存在しないわけです。

消費税の納税義務者が事業者であること、転嫁の保障も義務付けもなされていないことから消費税は、あくまで間接税的性格の税というべきでしょう。事業者は全ての取引において消費税相当額の価格上乗せが可能であり、最終的に消費税の負担をするのは消費者だとする消費税の転嫁論、あるいは、事業者は消費税相当額を取引の相手から預るという預り金的性格論などは、消費税法本法の解釈から導き出されるものとはいえないのです。

ただ、消費税を価格転嫁することが難しい中小零細事業者が平成に入ってからの長期デフレ経済の下、諸費税の滞納をすることが多発し、それに対して、かなり強権的な徴収事務が行われているという事実があります。その際の行政処分庁の言い分としては、消費税は預り金的性格のものとして「国民から」預っているものであるという見解が強調されます。都合のよいときだけ、預り金論を持ち出すわけです。

現在の日本は統制経済では、ありません。2008年4月初めからのガソリン税の暫定税率の期限切れを巡るガソリン小売価格においては、本来、個別消費税であり、それも、蔵出し税であって価格に上乗せしないと販売事業者が損失を蒙ることが明らかであるにもかかわらず、市場の価格競争の結果として、ガソリン税の暫定税率分を販売事業者が負担するということが起こっています。

このように、机上の論議としての転嫁論と現実の経済取引とは全く異なることに留意が必要です。

また、平成16年4月1日から課税事業者が一般消費者に対して行う価格表示に関して税込みで表示する総額表示が義務付けられました(消法63の2)。EU型付加価値税においては、付加価値税を表示価格に含む総額表示が一般的な原則です。

商品の実際の購入価格が表示されてわかりやすいとされる総額表示方式は、逆に、一般消費者から消費税額が見えにくくなり、一般消費者の税負担感、事業者における転嫁の可能性といった問題を曖昧にするという側面があることを見逃すべきではありません。税率引上げに向け布石を打っているというところでしょうか。

 (2)免税事業者

事業者のうち、課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下である者については、その課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等につき消費税の納税義務が免除されています(消法9①)。このような事業者が免税事業者と呼ばれます。これは、中小事業者の事務処理能力・徴税コスト等を配慮した制度とされています。

免税事業者に該当するかどうかは、基準期間における課税売上高により判定されることになっています。基準期間とは個人事業者については課税期間の前々年、法人については課税期間の前々事業年度をいいます。

課税期間の前々年又は前々事業年度という二年前に基準期間をおいた理由としては、
消費税が転嫁を予定する税であることから、課税期間の納税義務はその課税期間の開始前に判定されなければならず、課税売上高の計算期間を考慮して前年又は前事業年度ではなく、前々年又は前々事業年度とするのが適当と判断されたことによる(畠山武道・渡辺充『新版 租税法』(青林書院、2000年)242頁)
というように説明されています。

この基準期間という考え方自体が、実際に事業者であってもなかなか理解をするのが難しい点であるのは事実です。

また、基準期間の課税売上高の計算について、その基準期間において課税事業者であった場合は、税抜きで計算し、免税事業者であった場合は、税込みで計算することになっています。

一見矛盾するこのような判断基準を認める最高裁平成17年2月1日判決(事件番号 平成12(行ヒ)126・事件名 消費税決定処分等取消請求事件・年月日 平成17年02月01日・法廷名 最高裁判所第三小法廷 ・ 判決・ 棄却・判例集 第59巻2号245頁 )は、
事業者が,消費税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)9条1項に該当するとして,課税期間に係る基準期間において課税資産の譲渡等につき消費税を納める義務を免除された場合に,消費税法(平成6年法律第109号による改正前のもの)9条2項,28条1項を適用して当該基準期間における課税売上高を算定するに当たっては,免除される消費税相当額を控除することなく,課税資産の譲渡等の対価の額を算定すべきである。http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=25073&hanreiKbn=01
としています。
判決は 
3(1) 法9条1項は,課税期間に係る基準期間(事業者が法人の場合は,法2条1項14号により,その事業年度の前々事業年度をいう。)における課税売上高が3000万円以下である事業者について,その課税期間中の課税資産の譲渡等につき消費税を納める義務を免除するものと規定する。
 法9条1項に規定する「基準期間における課税売上高」とは,事業者が小規模事業者として消費税の納税義務を免除されるべきものに当たるかどうかを決定する基準であり,事業者の取引の規模を測定し,把握するためのものにほかならない。ところで,資産の譲渡等を課税の対象とする消費税の課税標準は,事業者が行う課税資産の譲渡等の対価の額であり(法28条1項),売上高と同様の概念であって,事業者が行う取引の規模を直接示すものである。そこで,法9条2項1号は,上記の課税売上高の意義について,消費税の課税標準を定める法28条1項の規定するところに基づいてこれを定義している。
 すなわち,法9条2項1号は,上記の課税売上高とは,基準期間が1年である法人の場合,基準期間中に国内において行った課税資産の譲渡等の対価の額(法28条1項に規定する対価の額をいう。)の合計額から所定の金額を控除した残額をいうものと規定する。そして,同項は,「課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は,課税資産の譲渡等の対価の額(対価として収受し,又は収受すべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額とし,課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税に相当する額を含まないものとする。)とする。」と規定する。
 法28条1項の趣旨は,課税資産の譲渡等の対価として収受された金銭等の額の中には,当該資産の譲渡等の相手方に転嫁された消費税に相当するものが含まれることから,課税標準を定めるに当たって上記のとおりこれを控除することが相当であるというものである。したがって,消費税の納税義務を負わず,課税資産の譲渡等の相手方に対して自らに課される消費税に相当する額を転嫁すべき立場にない免税事業者については,消費税相当額を上記のとおり控除することは,法の予定しないところというべきである。
 以上の法9条及び28条の趣旨,目的に照らせば,法9条2項に規定する「基準期間における課税売上高」を算定するに当たり,課税資産の譲渡等の対価の額に含まないものとされる「課されるべき消費税に相当する額」とは,基準期間に当たる課税期間について事業者に現実に課されることとなる消費税の額をいい,事業者が同条1項に該当するとして納税義務を免除される消費税の額を含まないと解するのが相当である。
 (2) 前記事実関係によれば,上告人は,本件基準期間において,売上総額が3000万円を超えており,かつ,免税事業者に該当していたというのである。そうすると,上告人は,本件課税期間において,免税事業者に該当しないこととなるから,本件各決定が違法であるとはいえない。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/5A366038EB92879A49257052002690D6.pdf
と結論付けています。

例えば、上告人の主張にあるように、課税売上高が毎年税込み1,040万円の事業者を仮定すると、二年ごとに免税事業者と課税事業者を交互に繰り返すことになるという矛盾に対して説得的な説明はなされていないのです。

上記税込み、税抜きによる免税事業者の判定は、通達(消基通1-4-5)によらず、法令で規定するべきです。また、その場合、規定においては、帳簿方式を用いている限り、基準期間において課税事業者であるか否かに関らず、税抜きで判定する又は税込みで判定するといういずれかに統一すべきでしょう。

2.課税対象

(1)課税取引

① 国内取引

消費税の課税対象は「国内において事業者が行った資産の譲渡等」です(消法4①)。また、「資産の譲渡等」とは、「事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供」とされています(消法2①八)。

事業者が事業として行う取引ですが、消費税法は、事業の意義について、

「対価を得て行われる資産の譲渡等の行為を反復、継続、独立して遂行することと解するのが相当であり、消費に広く負担を求める消費税においては、所得税と異なりその規模までは問わない。」(平成5年7月1日裁決、裁事46号225頁)
とする裁決があり、その範囲を所得税よりも広く捉えていることに注意が必要です。課税事業者と免税事業者に関する規定振りも同様の考え方に立っていると考えられます。

また、法人税の場合は、財団法人・社団法人のような公益法人等や人格のない社団等(公益法人等)に関しては、限定列挙された収益事業を営む場合においてのみ課税されることになっています。しかし、消費税の場合は、収益事業という概念は存在しません。それよりも広い意味の事業を行う公益法人等に対して課税されることになるのです。

特に、免税事業者の課税売上高が1000万円以下と引き下げられたことにより、これらの公益法人等の課税事業者が増加することとなりました。公益法人等の中の人格のない社団の例としては、学校のPTAなども含まれることになり、仮に利益が出ていないとしても、そのPTAや町内会等が行う事業による課税売上高が1,000万円を超えると消費税の納税義務者になるということです。

国等が行う事業の場合と同様に、公益法人等に関しては、特定収入に該当する収入によって運営が成立しているところが少なくないと考えられます。この特定収入に関する法令を正しく理解し適用、計算を行なうことに関しては、専門性・特殊性が高いにもかかわらず、経理担当者等が法令等に関する十分な理解をしていない場合が少なくありません。そこで、課税当局との争いや、法令の適用誤りの増加が懸念されます。

② 非課税取引

日本の消費税法は、課税取引の範囲をEU諸国に比べて狭くしている点に特徴があります。

非課税取引に該当する取引であってもその前段階において消費税が課税されているときは、消費税相当額を実質的に価格に上乗せして転嫁することは可能ですが、上乗せが不可能な場合は、逆に仕入税額控除をする権利がないので消費税相当額を事業者が自己負担する結果となるわけです。

非課税取引を少なくすることは、執行上の便宜を図ることになるといえますが、反面、課税の公平は、犠牲となります。簡潔、簡便な制度は運用が楽といえるしょうが、課税の公平とトレード・オフの関係になるというのは所得税等の他の税目においても同じことが言えます。

逆進性が強いという欠点を有する消費税の税率引上げに際しては、非課税取引の範囲の見直しが必要でしょう。さらに、輸出以外の取引に対するゼロ税率や、生活必需品等の軽減税率適用を含む複数税率の導入を検討する必要もあるでしょう。これらは、特に、税率引き上げの反対意見に対して政治的な折合いをつけるための手段として、あるいは、見せかけの公平性の確保を主張するためにどうしても必要になると考えられます。

③ 免税取引

消費税は、内国消費税なので物品等を輸出した場合には、免税が適用されることになります。輸出に関しては、消費税のような付加価値税固有の問題として、国境税調整が必要です。国境税調整を行わないと原産地国と消費地国の二箇所で課税される場合、あるいは、どちらでも課税されない場合があり得るからです。

国境税調整に関しては、仕向地主義と原産地主義があり、日本の場合は仕向地主義を採用しています。つまり、輸出の際、免税となり、輸入の際に課税される仕組です。

仕向地主義のもとでは、税制の国際的競争中立性が確保されるといわれます。
「原産地国と仕向地国が同様の税率・課税範囲等が同じ付加価値税を有しているということが前提となる」(金子宏『租税法 第十版』(弘文堂、2005年)542頁)
とされています。

これに対し、アメリカのように輸出免税の適用される付加価値税を持たない国からは、輸出免税は、輸出補助金に該当するという批判がなされています。

WTOは、インボイス方式の付加価値税における輸出免税を輸出補助金の例外として認めているわけです。しかし、
日本のように帳簿方式による仕入税額控除方式を用いている場合は、その実質は仕入控除型付加価値税であり、輸出免税に名を借りた補助金である(水野忠恒『消費税の制度と理論』(弘文堂、1989年)186頁))
いう批判もあります。

なお、国境税調整に関し、実物財の移動を伴わない国際的電子取引に対する課税権が、どこの国に存するのかという問題が生じえます。例えば、インターネットのサーバーは、恒久的施設に該当するか等と見ることができるか等について、検討する必要があるでしょう。 

Ⅳ.仕入税額控除
 
(1) 仕入税額控除

仕入税額控除は、付加価値税としての消費税の生命(大島隆夫・木村剛志「消費税法の考え方・読み方(四訂版)」245頁、(税務経理協会、2004年))
であり、理論的本質であるとされています。

消費税法は、国内取引における仕入税額控除について「事業者(免税事業者を除く。)が、国内において行う課税仕入れについては、課税標準額に対する消費税額から、当該課税期間中に国内において行った課税仕入れに係る消費税額につき課された又は課されるべき消費税額の合計額を控除する。」(消法30①)と規定しています。

(2)仕入税額控除の方法

仕入税額控除は、課税資産の譲渡等に対応する課税仕入れに係る税額が控除され、非課税取引、課税対象外取引に対応する部分は控除されません。しかし、実務上の便宜のため、課税売上割合が95%以上の場合は、課税仕入れに係る消費税の全額の控除が認められています。課税売上割合が95%未満の場合は、課税売上高に対応する仕入税額をプロラタ方式により計算する必要があります。さらに、個別対応方式と簡便法である一括比例配分方式の選択が認められています。

この課税売上割合95%以上の企業すべてが消費税の全額控除を認められていることについては、
大企業で課税売上高が大きい場合は、この部分の金額が大きくなりいわゆる簡易課税制度による益税よりも多額になる(山本守之『租税法の基礎理論』(税務経理協会、2004年)346頁以下)
という指摘があります。

簡易課税制度は、中小企業の事務負担軽減措置ですが、大企業は、帳簿組織等の整備、電子化が行われていて優遇する必然性に欠けると考えられます。

以下続く
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by nk24mdwst | 2008-01-27 15:02 | 租税法(日本)


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