スイスとアメリカの間における租税情報交換に関しては、話がついたようです。
U.S. and Switzerland Agree To Share More Tax Data一方、カリフォルニアは大変です。 California to Feds: Drop Dead自業自得だろって。 規制緩和路線からの撤退は当然だと。 Out of the Shadowsクルーグマンは、金融機関等に対する規制についてだけ述べています。しかし、ブッシュ政権下におけるアメリカの税制改正というのは、今になって知った不明を恥じますが、とんでもない代物でした。 一時、日本でも利子・配当所得等の資本性所得を他の所得とは分けて定率で課税する二元的所得税論が盛んに行われていました。 アメリカは、伝統的に総合課税の国で、配当所得や利子所得は他の給与等と合算されて累進課税されていたのです。それが、ブッシュ政権下、共和党が主導権を握る議会で新たな立法が行われ、配当所得に関してはキャピタル・ゲイン課税に含められて低い税率で分離課税されていたのですね。2004年、2006年改正だったのです。 おまけに、ファンド・マネージャーたちはパートナー・シップで巨額の利益を手にするだけではなく、その利益をLLPに対する貸付金の利息として受け取るやり方を採っていたわけです。仮にLLPに課税されるとした場合は、支払利息ですから控除可能ですね。パス・スルー課税されることが多いのだと思うのですが、この受け取った利息については、配当とみなしてキャピタル・ゲイン課税同様低率での課税ですむようにしていたのです。 バブルを作って所得税における所得再分配機能も排除し上位1%のそのまた1%に富が集中し、課税もされないようなシステムを作っていたのですね。 この流れを受けているのですよ、骨太2006とかという代物は。
by nk24mdwst
| 2009-06-20 12:04
| 租税法(アメリカ)
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